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2024年10月03日

1.7 振動

 重要ポイント


1. 建物の振動

建物に影響する振動の主なものは、地震の水平方向の振動。
バネの先におもりを付けて自由振動させた時の固有周期の式を建物にも適用する。
建物の質量が床のレベルの一点に集中していると考えたときのモデルでは

 固有周期 T = 2 π√(m/k)
     m:質量
      k:バネ定数  
  1.7.1_振動_建物の振動モデル化.jpg

  1.7.1_振動_水平剛性(バネ定数).jpg

2. 建物の水平剛性

建物の水平剛性(バネ定数)を用いる一質点の片持柱では

  k = 3EI/h3

剛なはりで結ばれたラーメンの柱
(柱脚がピンの場合)
  k = 3EI/h3× 2(柱2本分)

(柱脚が固定の場合)
  k = 12EI/h3× 2(柱2本分)

 1.7.2_建物の水平剛性K.jpg

3. 応答スペクトル

@同じ地震動によっても建物の固有周期により、揺れ方(応答)は異なる。
 
1質点系の構造物に地震動を入力した時の構造物の変位、速度、加速度の最大応答値を、その系の固有周期を横軸にとって示したものを応答スペクトルという。

応答スペクトルには下記のタイプがある。
 a ) 変位応答スペクトル
  1.7.3_応答スペクトル_a.変位応答.jpg

 b ) 速度応答スペクトル
  1.7.3_応答スペクトル_b.速度応答.jpg

 c ) 加速度応答スペクトル
  1.7.3_応答スペクトル_c.加速度応答.jpg


地震により建物に作用する水平力は、質量と加速度の積なので、加速度応答スペクトルは、地震力と密接な関係がある。

A建物の振動は永久に続くものではなく、様々な要因で減衰が起こるが、応答スペクトルの値はその減衰により変化し、減衰が大きいと応答値は小さくなる、


4.多層骨組の振動

@多層階の建物では質点が階層分だけあり、振動モードが質点数だけ存在する。

A全ての質点が同じ方向に揺れているものを一次振動モードといい、この時の周期を一次固有周期という。

B振動モードには、その次数と同じ数の節(不動点)が存在する。

C建築物の一次固有周期は高さから概算できる。
  鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
   T = 0.02 h
  鉄骨造、木造
   T = 0.03 h
 ( h:高さ [ m ] )
1.7.4_多層骨組の振動_振動モード.jpg


5.減 衰

(1) 粘性減衰
 弾性範囲内での内部減衰の一般的な値
 鉄筋コンリート構造の方が大きい
 ・鉄骨構造 1〜2%前後
 ・鉄筋コンリート構造 3%前後
 ・木構造 3〜5%前後

(2) 履歴減衰
 塑性変形能力が高いほど、減衰性が大きい。
posted by sd1st at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 1.7 振動
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重要ポイント
構造コメンタール
 1.1 力とつり合い
 1,2 静定構造物
 1.3 断面の性質と応力度
 1.4 部材の変形
 1.5 不静定構造物
 1.6 座 屈
 1.7 振 動
 1.8 骨組の塑性解析

 2.1 構造設計の基礎
 2.2 構造計画等
 2.3 鉄骨構造
 2.4 鉄筋コンクリート構造
 2.5 鉄骨鉄筋コンクリート構造
 2.6 壁構造
 2.7 木構造
 2.8 基礎構造
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