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2024年09月02日

令和四年度修了考査 法適合確認(記述式)問題3

法適合確認(記述式)

問題3

図1に示す1層2スパンの鉄骨造筋かい付きラーメン架構に関する次の[ No.1 ]〜[ No.4 ]の設問に解答せよ。図2に筋かい端部接合部の詳細を、図3に筋かい端部接合部の断面を、表1に山形鋼の突出脚の無効長さを、表2及び表3に筋かい及び高カボルトの諸元を示す。なお、柱は冷間成形角形鋼管、梁はH形鋼、筋かいは山形鋼とし、柱の鋼種はBCR295、梁及び筋かいの鋼種はSN400Bとする。

R04-1_問題3_ 図1_架構の解析モデル図.jpg
図1 架構の解析モデル図(単位:mm)

R04-1_問題3_図2_筋階の端部接合部詳細.jpg
図2 筋かいの端部接合部詳細

R04-1_問題3_ 図3_筋かいの端部接合部断面.jpg
図3 筋かいの端部接合部断面(A-A)

表1 山形鋼の突出脚の無効長さhnの値
R04-1_問題3_ 表1_山形鋼の突出脚の無効長さの値.jpg

表2 筋かいの諸元
R04-1_問題3_表2_筋かいの諸元.jpg

表3 高力ボルトの諸元
R04-1_問題3_ 表3_高力ボルトの諸元.jpg


[ No.1 ]
本建築物に耐震計算ルート1-1を採用する場合、建築物の規模に関する条件以外で、構造計算上満足する必要がある条件を2つ述べよ。



答え


[ 解答解説 ]
1) 一次設計における許容応力度計算を行うに当たり、地震力の算定に用いる標準せん断力係数をCo ≧ 0.3とすること。その際、図2より本建物の柱は冷間成形角形鋼管(BCR295)を用いた通しダイアフラム形式(内ダイアフラム形式以外の形式)の柱はり接合部となっているので、柱の地震時応力は1.3倍に割り増して許容応力度の検定を行うこと。

2) 水平力を負担する筋かいの端部及び接合部を保有耐力接合とすること。




[ No.2 ]
本建築物に耐震計算ルート1-1を採用する場合、令第82条に規定される許容応力度計算において、令第88条第1項に規定する地震力に対する筋かいの短期軸応力Nを求めよ。

R階の地震時重量は1,000 kNとし、地震力の算定において、地震地域係数Zは1.0、地盤種別は第二種地盤とし、標準せん断力係数C0は用いうる最小の値とする。

また、建築物の地震時層せん断力に対する筋かいのせん断力負担率は80%とし、筋かいに長期軸力は生じず、筋かいは圧縮力を負担しないものとする。



答え


[ 解答解説 ]
地震層せん断力Q1を求める。
 Z=1.0
 第二種地盤で Tc= 0.6 > T= 0.03 × 3m=0.09sec.
より、Rt = 1.0
 平屋建てにより A1 = 1.0
 R階の地震時重量は1,000kNなので、W1 = 1,000kN
 耐震計算ルート1-1を採用する場合の標準せん断力係数Coの最小値はCo=0.3
よって、
Q1 = Z•Rt •A1•Co •W1
  = 1.0 × 1.0 × 1.0 × 0.3 × 1000
  = 300kN

筋かいは圧縮力を負担しないので、筋かいが負担する全体の80%の層せん断力は全て引張側の筋かいが負担する。筋かいの軸力は材軸方向の成分となるので、負担する層せん断カの5/4倍となる。

従って、筋かいの短期軸応力Nは、
N = Q1 × 0.8 × 5/4= 300kN
となる。




[ No.3 ]
筋かいの保有耐力接合では、筋かい軸部の全断面が降伏するまで破断しないことを確認する必要がある。図2及び図3に示す筋かい端部接合部について、次の@〜Cの設問に解答し、保有耐力接合を満足しているか判定せよ。ただし、「筋かい母材端部の破断」及び「高カボルトの破断」以外の破断形式については式(1)を満足しているものとする。

R04-1_問題3_ No3_式(1)保有耐力接合の判定.jpg

@ 筋かいの軸部降伏耐力Nyを式(2)により求めよ。

 Ny = Ag × F   式(2)



答え


[ 解答解説 ]
筋かい材の全断面積 Ag及び基準強度Fは表2より、
Ag = 1,505 (mm2)
F = 235 (N/mm2)
よって、筋かいの軸部降伏耐力Nyは式(2)より、
 Ny = Ag × F
   = 1,505 × 235
   = 353,675N = 353.7kN




A 筋かい母材端部の破断耐力bNuを式(3)により求めよ。

R04-1_問題3_ No3_式(3)筋かい母材端部の破壊耐力bNu.jpg


答え


[ 解答解説 ]
ボルト穴による断面欠損の総和ΣAdは、表3及び図2より、孔径18mm、山形鋼板厚6mm、高カボルトは1列配置なので、
ΣAd = 18 × 6 × 2 =216 (mm2)

山形鋼の突出脚の無効長さ分の断面積の総和Σhn•tは、表1、図2及び図3より、
Σhn•t = 0.33 × 65 × 6 × 2 = 257 (mm2)
筋かい材端部の有効断面積bAeは、
bAe = Ag − ΣAd − Σhn•t
  = 1,505 − 216 − 257
  = 1,032 (mm2)
筋かい材の破断応力度bσuは、表2より
bσu = 400 (N/mm2)
よって、筋かい母材端部の破断耐力bNuは式(3)より、
bNu = bAe × bσu
  = 1,032 × 400
  = 412,800N = 412.8kN




B 高カボルトの破断耐力fNuを式(4)により求めよ。

R04-1_問題3_ No3_式(4)高力ボルトの破断耐力fNu.jpg


答え


[ 解答解説 ]
図2、図3及び表3より、
 ボルトの本数 n=4
 ボルトがせん断を受ける面数 m=2
 高力ボルトの1本の軸断面積 fA=201 (mm2)
高カボルト破断の有効断面積fAは、
 tAe = 0.75 × n × m × fA
   = 0.75 × 4X 2X201= 1,206 (mm2)
表3より、ボルトの破断応力度fσuは
 fσu = 1,000 (N/mm2)
よって、高カボルトの破断耐力fNuは式(4)より
 fNu = fAe × fσu = 1,206 × 1,000
   = 1,206,000N= 1,206kN




C 以上の@〜Bの結果を式(1)の判定式に代入し、筋かい端部接合部が保有耐力接合を満足しているか否かを判定せよ。



答え


[ 解答解説 ]
式(1)の右辺 α•Ag•Fは@の結果より、
 α•Ag•F = 1.2•Nγ = 1.2 × 353.7
      = 424.4kN

「筋かい母材端部の破断」形式の場合の式(1)の左辺 Aj•σuはAの結果より、
 Aj•σu = bNu = bAe × bσu
       = 412.8kN < α•Ag•F = 424.4kN
これは式(1)を満足していない。

「高カボルトの破断」形式の場合の式(1)の左辺 Aj•σuはBの結果より、
 Aj•σu = fNu = fAe × fσu = 1,206kN > α•Ag•F = 424.4kN
これは式(1)を満足している。

保有耐力接合を満足するためには、全ての破断形式において式(1)を満足しなければならない。しかし、この筋かいの接合部は「筋かい母材端部の破断」形式の場合に式(1)を満足していないため、保有耐力接合を満足していない。




[ No.4 ]
一般に、耐震計算ルート1-1を採用する場合、筋かいの保有耐力接合の確認において、「筋かい母材端部の破断」及び「高カボルト(接合ファスナー)の破断」以外に検討の対象となる筋かい端部接合部の破断形式を3つ述べよ。



答え


[ 解答解説 ]
1) 「筋かい又はガセットプレートのはしあき部分の破断」形式

2) 「ガセットプレートの破断」形式

3) 「ガセットプレート溶接部の破断」形式


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