2016年09月24日
二百六十九話 お題:南北(南と北) 縛り:堤(水があふれないように、湖沼・川・池などの岸に沿って土を高く盛り上げたもの)
ご近所さんから聞いた話である。
「いやぁ、この間すごく怖い目に遭いましたよ」
そう言って彼は話し始めた。なんでもそれは散歩をしている時に起きたそうだ。
「散歩コースの途中に、南北に伸びる歴史ある堤がありましてね。川岸まで下りられるようになっていて、よく川に沿って歩いたりするんですよ」
その日も彼は川岸まで下りてみようか、と思いながら堤を歩いていたのだが、
「前からすごい速さで人が走ってくるのに気づきましてね。ただ走り方がおかしいんですよ。その人がどんどん近づいてきて、姿がはっきり見えると理由がわかりました。その人、両腕と片足が折れてたんですよ。だから変な走り方になってたんです」
彼が思わず堤を駆け下りると、前から走ってきた人物も彼を追って堤を駆け下りたという。
「もう濡れるのも構わずに川に入ったんです。その人、川には入ってこなかったんですよ。私に向かって川岸から何度も卑怯者ー! 卑怯者ー! って叫んで、それでまた走ってどこかに行っちゃったんです」
なお彼は帰宅した際、変な人から逃げるために川に入った、と奥さんに説明したのだが、いい年して何やってんの! と怒られてしまったそうだ。
「いやぁ、この間すごく怖い目に遭いましたよ」
そう言って彼は話し始めた。なんでもそれは散歩をしている時に起きたそうだ。
「散歩コースの途中に、南北に伸びる歴史ある堤がありましてね。川岸まで下りられるようになっていて、よく川に沿って歩いたりするんですよ」
その日も彼は川岸まで下りてみようか、と思いながら堤を歩いていたのだが、
「前からすごい速さで人が走ってくるのに気づきましてね。ただ走り方がおかしいんですよ。その人がどんどん近づいてきて、姿がはっきり見えると理由がわかりました。その人、両腕と片足が折れてたんですよ。だから変な走り方になってたんです」
彼が思わず堤を駆け下りると、前から走ってきた人物も彼を追って堤を駆け下りたという。
「もう濡れるのも構わずに川に入ったんです。その人、川には入ってこなかったんですよ。私に向かって川岸から何度も卑怯者ー! 卑怯者ー! って叫んで、それでまた走ってどこかに行っちゃったんです」
なお彼は帰宅した際、変な人から逃げるために川に入った、と奥さんに説明したのだが、いい年して何やってんの! と怒られてしまったそうだ。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5466714
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック