2016年10月22日
二百九十七話 お題:来意(訪ねてきた目的) 縛り:人命(人の命)
知人の女性が体験した話である。
「その日私は家にいたんだけど、玄関の方からごめんくださいって声がしたから、はーいって出たのね」
彼女が玄関の扉を開けると、そこには見知らぬ男性が立っていたという。
「最初セールスの人かと思ったんだけど、それにしては服装がラフだったから、うちになんの御用ですかって聞いたのよ。そしたら」
男性は、
「私はあなたの命を救いに来ました。手荒くなりますが、何分人命がかかっておりますので、どうか御容赦ください」
そう言って彼女の腕を掴み、家の外に引っ張り出したという。
「もうどうしたらいいかわからなくて、とりあえず大声あげようとしたらね」
バタバタバタ、と足音がして彼女の家の中から包丁を持った老婆が出てきたそうだ。老婆は彼女に目もくれず走り去り、男性もまた老婆を追って走り去ってしまったという。
「本当ならその男の人に感謝すべきなんだろうけど、いまいち釈然としないのよね」
話を終えると彼女は安全を確認するように、部屋の中をぐるりと見渡した。
「その日私は家にいたんだけど、玄関の方からごめんくださいって声がしたから、はーいって出たのね」
彼女が玄関の扉を開けると、そこには見知らぬ男性が立っていたという。
「最初セールスの人かと思ったんだけど、それにしては服装がラフだったから、うちになんの御用ですかって聞いたのよ。そしたら」
男性は、
「私はあなたの命を救いに来ました。手荒くなりますが、何分人命がかかっておりますので、どうか御容赦ください」
そう言って彼女の腕を掴み、家の外に引っ張り出したという。
「もうどうしたらいいかわからなくて、とりあえず大声あげようとしたらね」
バタバタバタ、と足音がして彼女の家の中から包丁を持った老婆が出てきたそうだ。老婆は彼女に目もくれず走り去り、男性もまた老婆を追って走り去ってしまったという。
「本当ならその男の人に感謝すべきなんだろうけど、いまいち釈然としないのよね」
話を終えると彼女は安全を確認するように、部屋の中をぐるりと見渡した。
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