2016年09月20日
二百六十五話 お題:標柱(目印のために立てる柱) 縛り:コスチューム(仮装や舞台の衣装)、舞曲(舞踏のための楽曲)、寒心(恐れや不安の念で、ぞっとすること)、詠む(詩歌を作る)、女旱(結婚や遊び相手としての女性がいなくて不自由すること)
地元のとある寺の話である。
その寺の標柱には妙な言い伝えがあった。なんでも標柱には権現が腰かけていて、標柱の前で面白い出し物をして権現に気に入られればなんでも願いが叶う、ということだった。その言い伝えを聞いた私の悪友は、生まれてから今に至るまで続いている女旱をなんとかしたいと、その標柱の前で手作りのバニーガールのコスチュームを着てクラシックの舞曲に合わせて踊りながら即興で権現に女旱をなんとかしてくれるよう願う詩を詠むというすさまじいことを行った。私はその様子を間近で見ていて感心するのを通り越し、むしろ寒心したのだが、悪友が詩を詠み終えて一分もしないうちに、一人の美しい少女が標柱のところまでやってきた。まさか言い伝えは本当だったのか、と私と悪友がそろって驚愕の表情を浮かべていると、少女は呆れたように、
「あの、この標柱の上に座ってるやつ、かなりヤバいやつなんで、もしも気に入られちゃったら死にますよ」
と言った。なおこのことをきっかけに悪友とその少女の仲が発展した、などということは一切なかった。つくづく、世の中というのは甘くないものである。
その寺の標柱には妙な言い伝えがあった。なんでも標柱には権現が腰かけていて、標柱の前で面白い出し物をして権現に気に入られればなんでも願いが叶う、ということだった。その言い伝えを聞いた私の悪友は、生まれてから今に至るまで続いている女旱をなんとかしたいと、その標柱の前で手作りのバニーガールのコスチュームを着てクラシックの舞曲に合わせて踊りながら即興で権現に女旱をなんとかしてくれるよう願う詩を詠むというすさまじいことを行った。私はその様子を間近で見ていて感心するのを通り越し、むしろ寒心したのだが、悪友が詩を詠み終えて一分もしないうちに、一人の美しい少女が標柱のところまでやってきた。まさか言い伝えは本当だったのか、と私と悪友がそろって驚愕の表情を浮かべていると、少女は呆れたように、
「あの、この標柱の上に座ってるやつ、かなりヤバいやつなんで、もしも気に入られちゃったら死にますよ」
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