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ペン牛
ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年08月31日

二百四十五話 お題:ブレスト(胸) 縛り:理工(理学と工学)、是正(悪い点や不都合な点を改め正すこと)、師範(学問・技芸を教える人)

 通っている合気道の道場の師範から聞いた話である。

「僕が学生だった頃の話だ。僕は大学は理工学部だったんだけど、当時は各学部に与えられる予算にひどい格差があってね。学生達がその格差を是正しようっていう運動を始めるほどだったんだ」
 師範もその運動に参加し、仲のいい教授に頼んで学部間の予算の格差の問題を大学側に訴えてもらおうとしたのだが、
「最初は断られたんだよ。僕はまぁ仕方ないかと思ったんだけど、一緒に頼みに行った友達は本気で怒っちゃってね、それで」
 師範の友達は、自分の胸の内を明かしますので教授も真剣に向き合ってください、と言っていきなり胸をはだけ、ズボンのポケットに入れていたナイフで自分の胸を切り開いたのだという。
「胸の内を明かすってそういう意味じゃないだろうと思ったんだけど、教授にはかなり効いたみたいでね。僕達の活動に積極的に協力してくれるようになったんだよ。まぁ結局僕達の代では問題は解決しなかったんだが」
 なお師範の友達は今もピンピンしており、酔うと服を脱いで胸の傷を得意げに見せびらかすという。

posted by ペン牛 at 09:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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