2016年06月04日
百五十七話 お題:覚える(記憶する) 縛り:不着(到着しないこと)
叔母から聞いた話である。
なんでも一時期、伯母のところに届くはずの葉書が皆不着になったそうだ。
「私、お友達と絵葉書とか結構やりとりするのよ。だから多い時は月に十枚二十枚葉書が来るんだけどパタッと来なくなっちゃって。お友達に確認したらちゃんと送ったって言うもんだから郵便局に問い合わせてね。そしたら郵便物は全て配達してますって言われちゃって。確かに葉書以外のものはきちんと届いてるし、もしかしたら変質者の仕業かもと思って、もう怖くて怖くて」
叔母がアパートの大家さんに相談したところ、監視カメラをつけてみたらどうか、と言われたという。
「私機械のことは全然わからないから、大家さんに手伝ってもらってね。それで取りつけてしばらく経ってから撮った映像を見たのよ。そしたらね」
体長50cmは超えようか、という巨大な蜘蛛が脚で郵便受けの蓋を開け、中から葉書を取り出して食べる様子が映っていたという。
「うわぁ、こんなのがいるんだぁってびっくりしちゃったけど、変質者よりはずっとましよ。それにしても葉書なんて食べて美味しいのかねぇ。まぁ味を覚えちゃったから何度も来たんだろうけど」
叔母が郵便受けを簡単には開けられないものに交換したところ、被害はなくなったそうだ。
なんでも一時期、伯母のところに届くはずの葉書が皆不着になったそうだ。
「私、お友達と絵葉書とか結構やりとりするのよ。だから多い時は月に十枚二十枚葉書が来るんだけどパタッと来なくなっちゃって。お友達に確認したらちゃんと送ったって言うもんだから郵便局に問い合わせてね。そしたら郵便物は全て配達してますって言われちゃって。確かに葉書以外のものはきちんと届いてるし、もしかしたら変質者の仕業かもと思って、もう怖くて怖くて」
叔母がアパートの大家さんに相談したところ、監視カメラをつけてみたらどうか、と言われたという。
「私機械のことは全然わからないから、大家さんに手伝ってもらってね。それで取りつけてしばらく経ってから撮った映像を見たのよ。そしたらね」
体長50cmは超えようか、という巨大な蜘蛛が脚で郵便受けの蓋を開け、中から葉書を取り出して食べる様子が映っていたという。
「うわぁ、こんなのがいるんだぁってびっくりしちゃったけど、変質者よりはずっとましよ。それにしても葉書なんて食べて美味しいのかねぇ。まぁ味を覚えちゃったから何度も来たんだろうけど」
叔母が郵便受けを簡単には開けられないものに交換したところ、被害はなくなったそうだ。
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