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2017年05月23日
第2回埼玉CSinバトロコ柏 予選第4回戦 ボンVSカトラス 快調な走りを続けるカトラスに、ボンが操る「ジャスティスループ」の魔の手が迫る!!
長い予選ラウンドも4回戦と後半へ突入。ここで3連勝しているプレイヤーは、そろそろ本選進出が見えてきた頃だろうか。
その中で、ひと際めずらしいデッキを使用して3連勝している人物がいた。彼の名前はボン。使っているデッキは《聖霊左神 ジャスティス》を使った無限ループデッキ「ジャスティスループ」だ。
ボンと対戦するのは「青赤バイク」に華麗に乗りこなすカトラス。こちらも今日は負け無しのノリノリの状態で、この勢いのまま本選まで走り抜けたいといったところか。
しかし、そんなカトラスの今回の相手は、一癖も二癖もあるデッキ「ジャスティスループ」。普段は相手にしないであろうデッキタイプに、どう立ち向かっていくのか。
先行を取ったのは「ジャスティスループ」のボンだ。このデッキはパーツを手札に揃えつつ、起爆剤となる《ウェディングゲート》を唱えて、《聖霊左神 ジャスティス》を出すことで初めて動き出す。Sトリガーで発動してもループに突入することができるが、自分から能動的に動くには時間が掛かってしまう。
とはいえ、《ウェディングゲート》が唱えられるマナまで到達してしまえばその時点でボンの勝利が濃厚となる。カトラスが勝利するためには、Sトリガーを踏まないことを祈りつつ、コンボが起動する前に殴り倒すしかない。
それを理解しているカトラスは、序盤から攻撃可能なクリ―チャーを場に出していく。2ターン目には《異端流し オニカマス》。3ターン目に《単騎速射 マグナム》とメタクリーチャーを場に並べ、早くもシールドへ攻撃を開始する。
対するボンは、大きな動きはなくマナを貯め続けるのみ。4ターン目にしてようやく《クリスタル・メモリー》をプレイ。コンボ―パーツをハンドに加えつつ、シールドの中身を確認する。
既にカトラスに残されたターンは短い。あと1〜2ターンの間にボンにトドメを刺さなければ、無限ループが成立してしまう。勝負を急ぐカトラスは、4マナで場に《轟速 ザ・ゼット》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略する。これで3枚のシールドを割り、このターンに一気に勝負を決める算段だ。
クリーチャーを出すことを封じる《単騎速射 マグナム》に加え、相手のシールドを焼却する《熱き侵略 レッドゾーンZ》。「ジャスティスループ」に対しては理想的な盤面と言えるだろう。
まずは《熱き侵略 レッドゾーンZ》の効果が発動。焼却されたシールドは……《ウェディング・ゲート》! ひとまず踏んではいけないカードを破壊することに成功したカトラス。だが、残るシールドは3枚。まだ油断できない。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》がそのまま2枚のシールドをブレイクする。ボンが捲ったそのシールドの中身は……《連弾スパイラル》と《ドレミ団の光魂Go!》。どちらも有効なSトリガーだが、ループに入るかは《ドレミ団の光魂Go!》次第。
ボンは、とりあえず《連弾スパイラル》で邪魔者の《単騎速射 マグナム》をバウンスする。そして《ドレミ団の光魂Go!》で1ドローと呪文を唱える効果を指定。ここで何の呪文が使われるかによって、カトラスの運命が決定するが……
ボンは一瞬の迷いもなく《龍素知新》を唱えた! 墓地の呪文を再利用するこのカード。この試合でボンがプレイしたカードは《クリスタル・メモリー》だけだが……必然か偶然か、墓地にはもう一枚カードが落ちている。そう、先ほど《熱き侵略 レッドゾーンZ》で焼却された《ウェディング・ゲート》だ。
《ドレミ団の光魂Go!》で《龍素知新》が使えるということは、カトラスが《熱き侵略 レッドゾーンZ》で3枚の呪文の内どのカードを撃ち抜こうが、ボンにとっては何ら影響がなかったのだ。
シールドの中身を知っていたボンの脳内には、「《単騎速射 マグナム》を除去しつつ、《ウェディング・ゲート》を唱える」というビジョンが見えていたのだ。このターンにカトラスがシールドを攻撃した時点で、彼の未来は決まってしまったのだ。
ボンは《ウェディングゲート》で2体の《聖霊左神 ジャスティス》を場に出す。デッキを墓地へ送りながら《連弾スパイラル》《龍素知新》《目的不明の作戦》……と呪文を唱え続け、《聖霊左神 ジャスティス》を手札に戻しては出し、戻しては出してを繰り返す。
みるみるうちにボンの山札が圧縮されていき、気が付けば残りは数枚。ボンの場には《聖霊左神 ジャスティス》が4体並ぶ。この時点で山札の中身が固定され、《龍素知新》で《連弾スパイラル》、もう1枚の《龍素知新》で《ウェディングゲート》と繰り返し、《聖霊左神 ジャスティス》の効果がストックされ続ける。
十分な効果ストックを確保したボンは、いよいよ仕上げの段階へ移る。デッキを掘り進む段階で墓地へ落ちていた《黒神龍ザルバ》を《復活と激突の呪印》で蘇生。そして、《聖霊左神 ジャスティス》の効果を増やすために行った動作を、今度は《フォース・アゲイン》を挟むことで《黒神龍ザルバ》の効果を増やすために行っていく。
一連の動作を行ったボンが「《黒神龍ザルバ》の強制ドロー効果を40回分行います」をループの成立を宣言する。複雑な手順を見つめていたカトラスだったが、その言葉を聞いた瞬間、力が抜けたような表情で「わかりました。負けです」と答え、自分のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
「《クリスタル・メモリー》でシールドを見たときに勝ちを確信しました」と語るボン。《単騎速射 マグナム》に加え《熱き侵略 レッドゾーンZ》と「赤青バイク」のこの上ない理想の動きをしたカトラスだったが、その攻撃はボンには届かなかった。
「殴り方は合っていたと思ったんですが……それ以上に相手が強かった……」と語るカトラス。デッキの理想の動きをしたにも関わらず敗北を喫した彼は、「ジャスティスループ」というデッキを忘れることはないだろう。
「ジャスティスループ」の動きは、以前に環境を支配した「天門ループ」の動きを彷彿とさせる。まだ使用者は少ないが、攻撃的なデッキが多く存在するこの環境において、このデッキが環境の抑止力となる日も近いのかもしれない。
[写真/文 はら]
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
その中で、ひと際めずらしいデッキを使用して3連勝している人物がいた。彼の名前はボン。使っているデッキは《聖霊左神 ジャスティス》を使った無限ループデッキ「ジャスティスループ」だ。
ボンと対戦するのは「青赤バイク」に華麗に乗りこなすカトラス。こちらも今日は負け無しのノリノリの状態で、この勢いのまま本選まで走り抜けたいといったところか。
しかし、そんなカトラスの今回の相手は、一癖も二癖もあるデッキ「ジャスティスループ」。普段は相手にしないであろうデッキタイプに、どう立ち向かっていくのか。
先行を取ったのは「ジャスティスループ」のボンだ。このデッキはパーツを手札に揃えつつ、起爆剤となる《ウェディングゲート》を唱えて、《聖霊左神 ジャスティス》を出すことで初めて動き出す。Sトリガーで発動してもループに突入することができるが、自分から能動的に動くには時間が掛かってしまう。
とはいえ、《ウェディングゲート》が唱えられるマナまで到達してしまえばその時点でボンの勝利が濃厚となる。カトラスが勝利するためには、Sトリガーを踏まないことを祈りつつ、コンボが起動する前に殴り倒すしかない。
それを理解しているカトラスは、序盤から攻撃可能なクリ―チャーを場に出していく。2ターン目には《異端流し オニカマス》。3ターン目に《単騎速射 マグナム》とメタクリーチャーを場に並べ、早くもシールドへ攻撃を開始する。
対するボンは、大きな動きはなくマナを貯め続けるのみ。4ターン目にしてようやく《クリスタル・メモリー》をプレイ。コンボ―パーツをハンドに加えつつ、シールドの中身を確認する。
既にカトラスに残されたターンは短い。あと1〜2ターンの間にボンにトドメを刺さなければ、無限ループが成立してしまう。勝負を急ぐカトラスは、4マナで場に《轟速 ザ・ゼット》を召喚。さらに、攻撃時に《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略する。これで3枚のシールドを割り、このターンに一気に勝負を決める算段だ。
クリーチャーを出すことを封じる《単騎速射 マグナム》に加え、相手のシールドを焼却する《熱き侵略 レッドゾーンZ》。「ジャスティスループ」に対しては理想的な盤面と言えるだろう。
まずは《熱き侵略 レッドゾーンZ》の効果が発動。焼却されたシールドは……《ウェディング・ゲート》! ひとまず踏んではいけないカードを破壊することに成功したカトラス。だが、残るシールドは3枚。まだ油断できない。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》がそのまま2枚のシールドをブレイクする。ボンが捲ったそのシールドの中身は……《連弾スパイラル》と《ドレミ団の光魂Go!》。どちらも有効なSトリガーだが、ループに入るかは《ドレミ団の光魂Go!》次第。
ボンは、とりあえず《連弾スパイラル》で邪魔者の《単騎速射 マグナム》をバウンスする。そして《ドレミ団の光魂Go!》で1ドローと呪文を唱える効果を指定。ここで何の呪文が使われるかによって、カトラスの運命が決定するが……
ボンは一瞬の迷いもなく《龍素知新》を唱えた! 墓地の呪文を再利用するこのカード。この試合でボンがプレイしたカードは《クリスタル・メモリー》だけだが……必然か偶然か、墓地にはもう一枚カードが落ちている。そう、先ほど《熱き侵略 レッドゾーンZ》で焼却された《ウェディング・ゲート》だ。
《ドレミ団の光魂Go!》で《龍素知新》が使えるということは、カトラスが《熱き侵略 レッドゾーンZ》で3枚の呪文の内どのカードを撃ち抜こうが、ボンにとっては何ら影響がなかったのだ。
シールドの中身を知っていたボンの脳内には、「《単騎速射 マグナム》を除去しつつ、《ウェディング・ゲート》を唱える」というビジョンが見えていたのだ。このターンにカトラスがシールドを攻撃した時点で、彼の未来は決まってしまったのだ。
ボンは《ウェディングゲート》で2体の《聖霊左神 ジャスティス》を場に出す。デッキを墓地へ送りながら《連弾スパイラル》《龍素知新》《目的不明の作戦》……と呪文を唱え続け、《聖霊左神 ジャスティス》を手札に戻しては出し、戻しては出してを繰り返す。
みるみるうちにボンの山札が圧縮されていき、気が付けば残りは数枚。ボンの場には《聖霊左神 ジャスティス》が4体並ぶ。この時点で山札の中身が固定され、《龍素知新》で《連弾スパイラル》、もう1枚の《龍素知新》で《ウェディングゲート》と繰り返し、《聖霊左神 ジャスティス》の効果がストックされ続ける。
十分な効果ストックを確保したボンは、いよいよ仕上げの段階へ移る。デッキを掘り進む段階で墓地へ落ちていた《黒神龍ザルバ》を《復活と激突の呪印》で蘇生。そして、《聖霊左神 ジャスティス》の効果を増やすために行った動作を、今度は《フォース・アゲイン》を挟むことで《黒神龍ザルバ》の効果を増やすために行っていく。
一連の動作を行ったボンが「《黒神龍ザルバ》の強制ドロー効果を40回分行います」をループの成立を宣言する。複雑な手順を見つめていたカトラスだったが、その言葉を聞いた瞬間、力が抜けたような表情で「わかりました。負けです」と答え、自分のカードを片付けるのだった。
winner:ボン
「《クリスタル・メモリー》でシールドを見たときに勝ちを確信しました」と語るボン。《単騎速射 マグナム》に加え《熱き侵略 レッドゾーンZ》と「赤青バイク」のこの上ない理想の動きをしたカトラスだったが、その攻撃はボンには届かなかった。
「殴り方は合っていたと思ったんですが……それ以上に相手が強かった……」と語るカトラス。デッキの理想の動きをしたにも関わらず敗北を喫した彼は、「ジャスティスループ」というデッキを忘れることはないだろう。
「ジャスティスループ」の動きは、以前に環境を支配した「天門ループ」の動きを彷彿とさせる。まだ使用者は少ないが、攻撃的なデッキが多く存在するこの環境において、このデッキが環境の抑止力となる日も近いのかもしれない。
[写真/文 はら]
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/