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2020年04月11日

贅肉の付き過ぎた私生活から

人生史上一番と言っていいほどの節約生活。
人はこんなにもお金を使わずに生きていけるのかと、つくづく人間の図太さに感銘を受ける日々である。

この極貧生活に耐えられるのには、理由がある。

あるライブ配信だった。

それはコロナパンデミックで混乱に陥る直前のこと。
このときからすでに私の生活は大ピンチを迎えていた。
ただ、その配信で映し出されているのはカンボジアの日常。
贅沢のぜの字も知らないのに、ただ、この上なく幸せそうな表情をした人々の姿があった。
また、そうした人に心動かされ、自身の人生を変えようとする配信者の姿もあった。

私はそもそもこういう世界を取材したかったのではないか?

蘇るのは、約10年前の、海外取材デビュー作。
ネパールで出会った、新たな価値観だ。
当時、年収はいくら以上、身長はいくつ以上、車は何に乗っていて、だの、嫌味な高飛車女を装っていた自分に、振りかぶってパンチを食らわせたのが、第三世界の幸福だった。

あのときと似た、この衝撃。
随分と私は贅肉を増やしてしまったようだ。
肥えた私生活。
その肉を削り取るような生活の変化は、不思議と心地よかった。
そして、ぱっと見えてきた、将来の自画像。

進むべき道は、辛い思いをした分だけ大きく開けていく。

今はまさに冬の時代。
耐えて、耐えて、そして、蓄えて。
表現が明確に見えてきた今、贅沢なんかしなくても、とても心穏やかに過ごせる。
まさに、理想の生活を手に入れた。


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