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2021年05月20日

全部梅雨のせい

最近はオンラインゲーム上での友達と仲が良い。
顔も知らない、実際に会ったこともない。
それなのにゲームのプレイを通じて意気投合し、「仲間」として意識し始め、身の上話をする友達ができたのだ。
彼らはみな若い。
10代、20代。
私が彼らの年齢のころはどんなだったか。
思い返してみると、彼らの悩みや苦しみに納得がいった。

大学2年の冬、私は母親と大喧嘩をした。
東京の住まいを飛び出し、実家のある新潟へと帰った。
「大学辞める」
将来に絶望しか抱けず、誰の手も借りたくなかった、きわめて多感な時期。
父親に小声でぼそっとつぶやいた。

その時父親は野菜炒めを作ってくれた。
ワインを入れてくれた。
「まあ食べろ」
味はよく覚えていない。
しばらくしてから、父親も私に負けず劣らず、ぼそっと小声でこう言った。
「大学、辞めるのはもったいない」
お前のやっていることは超一流の事で、世間一般ではすごいとされていることなんだ。
「大学だけは出ろ。あとは自由にしていい。」
この言葉が、私の人生の岐路の支えとなった。


誰しも悩み落ち込み、そして絶望を味わう。
そんなとき、大人はおせっかいを焼いて、若者を救おうと奮闘する。
厚かましく世話を焼く人もいるだろう。
父親のように、そっと寄り添う人もいるだろう。

私もいわゆる「大人」と呼べる年齢に差し掛かった。
そして思う。
これまでのキャリアは、すべて「大人」のおせっかいによる賜物である、と。
だから決めたのだ。
私も悩める若者におせっかいを焼く。
そして、開花すべき才能を見守る。


若者は中高年以上に本質を見抜く力を持った人が多い。
こうした若者にとって、私はどこまで「おせっかいおばさん」になれるのか。

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