2014年11月01日
Review44. 図解 人工筋肉―ソフトアクチュエータが拓く世界
リハビリに関連しそうな、
機器やロボット、研究などを調べて見ると、
少し調べただけでも、日本などで研究されている
事例が検索できます。
手指・上肢のリハビリ・運動補助など
@ アールテクス株式会社
:手指リハビリロボット
A 三重大学 メカトロニクス研究室
:上肢動作支援ロボット(アクティブギプス)
B 随意運動介助型電気刺激
(Integrated Volitional control Electrical Stimulator:IVES)
など
下肢・歩行のリハビリ・運動補助など
@ 本田技術研究所 基礎技術研究センター
:リズム歩行アシスト
A 東京理科大学 小林研究室
:腰補助用マッスルスーツ
B CYBERDYNE株式会社(サイバーダイン株式会社)
:ロボットスーツHAL下肢用
など
その他の技術など
@ 自然然科学研究機構 生理学研究所
:人工神経接続技術
機械の手(ロボットアーム)などを自分の意志で制御
など
どの技術をみても、今後のリハビリに関連する、
機器やロボット技術などに関しての発展が楽しみになります。
上肢や下肢の運動麻痺に関連する支援として、
実際の臨床の現場では、
一般的な装具や、スプリント材などを利用した、
拘縮予防、両手で補助しながらの運動など、
アナログ的な手法での支援が現在は主流なのではないかと思います。
国内外では、上記に上げさせていただいた
機器やロボット、支援技術の他にも、
様々な研究は行なわれているようですが、
価格の問題、
安全性の問題とその効果、
など
まだまだ多くの課題はあるのだと思います。
今回書評させていただく書籍は、
一般的な自主練習の支援や、リハビリ
スプリント素材を利用した支援などを経験していく中で、
「 人の手による介助や、自動介助運動、スプリントでの拘縮予防以外にも、
もう少し、他の視点から考えられる運動麻痺に対する
支援方法はないのだろうか?」
と疑問を抱いていた時にみつけた書籍です。
この書籍では、人工筋肉について、
図や写真などを用いながら、基礎的な事象からメカニズム、
研究の例などが説明されています。
人工筋肉(アクチュエータ)に関連する技術の一例として、
・ 空気圧ゴム人工筋肉
・ 高分子人工筋肉
・ 形状記憶合金アクチュエータ
・ 静電アクチュエータ
・ 磁性流体アクチュエータ など
様々な人工筋肉の仕組みがあるようです。
この書籍の中で、紹介されている、
リハビリテーションに関連する機器としては、
上肢リハビリスーツ「リアライブ」(アクティブリンク)などが
上げられています。
何かしらの原因で、後天的に
運動麻痺が残ってしまった場合、
在宅でのリハビリでは、
まず、在宅での環境に合わせて、
福祉用具や環境を整えたり、
動作方法の工夫、生活を工夫しながら
その人らしく安全に生活できることが重要になるかと思います。
身辺の生活が落ち着いてくると、
その方によっては、少しでも
運動麻痺を改善できないかと模索されている方が
いることを経験されているセラピストの方々も
いるのではないでしょうか。
特に、
在宅での自主練習を実施する際には、
運動の安全性や、周囲のご協力の状況などによっては、
自主練習を提案する際には、
バリエーションが少なくなりがちになることを感じます。
今後、リハビリテーション機器やロボット技術、
人工筋肉などの
技術が発展することで、
少しでも、
ご自身で安全に継続できる、
効果的な自主練習などのバリエーションなどが、
増えるきっかけとなればいいなと思います。
リハビリ臨床家にとっては
この書籍を読んで、
技術やテクニックなどが、
学べるものではありませんが、
様々な支援方法の可能性を探る上では、
一つの考え方の参考になるのではないかと思います。
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