2018年09月23日
不安の原因は不確実性!? | エルスバーグの逆説
どんな人でも、多少の心配事や不安は学校、職場、家庭であると思います。
不安や心配を解消する手段については、
このブログでもこれからたくさん紹介していきます。
そもそも不安とは、どうして生じるのでしょうか?
またどういったときに、われわれ人間の心の中に不安という
感情が生じるのでしょうか?
今回のブログでは、不安と不安がもたらす不合理な意思決定について、みていきましょう。
ズバリ結論からいうと、不安とは不確実性が高く予想できないものに対する恐怖
ということができます。
これから何が起こるのかがわかるのであれば、人間の心に不安は生じないはずです。
予測が立てられないから何が起こるかわからない、
対策をたてられない、こういった理由で不安という感情は湧き起こります。
不安と関連する行動経済学の研究で、エルスバーグの逆説という有名な研究があります。
【エルスバーグの逆説】
ここにツボAとツボBの2つのツボがあります。
ツボAには黒い球50個、白い球50個の合計100個の球が入っています。
ツボBには黒と白の球が合計100個入っていますが、その内訳がわかりません。
黒25個・白75個かもしれませんし、全部白の場合だって考えられます。
どちらかのツボを選び、球の色を宣言してツボの中から球を1つ取り出し、
宣言した通りの色の球を引けば、賞金がもらえるというシステムです。
さて、ここで問題です。
賞金を得るために、あなたはA、Bどちらのツボを選びますか?
この場合、ほとんど多くの人がツボAを選ぶという結果になりました。
ツボAには、白黒50個ずつの球が入っているので、賞金をもらえる確率は50%です。
ツボAを選ぶということは、
ツボBは賞金をもらえる確率がツボAより低いという判断をしているともいえます。
しかし、本当にツボAのほうがお得と言い切ってもよいのでしょうか。?
たとえば、ツボBの内訳が白球30個、黒球70個だとして、
取り出す球を白と宣言したとしましょう。
そうすると、30%の確率で当たります。
また、内訳が逆の場合(白球70個、黒球30個)も考えておくと、
70%の確率で当たります。
平均的には50%の確率で、宣言通り白球を引くことになります。
実は、内訳が変わろうとも、宣言する球の色が白でも黒でも、
平均的には50%の確率で当たり、賞金を手にすることができる
という検証結果が得られています。
ツボAのように、内訳がわかっていれば
安心して球を選ぶことができ不安も少ないですが、
ツボBのように内訳がわからないと一気に不安になりますよね。
その結果、ツボAを選ぶ人が多くなるのです。
人間の心は「不確かなことを回避する」ように働く、というのが
エルスバーグの逆説の内容です。
不確実性こそが不安の根本的な原因ということができそうです。
不安を解消するためにも、何がわからないのか、
不安の原因を究明することが大切です。
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