2022年12月29日
子孫につなぐ 日本の神6
日本人の心の支えが2つあってですね、一つが自然である。自然が私には水平のように見えるんですね。時間軸で見ますと、今という感じですから、今の太陽、月、山、川、海、狐、ミミズといった、そういった自分を取り巻くいろんな、まあ植物もそうですが、そういったものが自分の存在の一つの元になっている。自分の存在の元になってるわけですが、自分ばかりでなくて、自分の家族なり、自分の兄弟なり、自分の友達なり、自分の地域なり、全て同じ。なんていうか取り囲んでいる自然はみんな一緒なんですね。
ここにあの絡合の一つのポイントがあるわけで、現在の研究でも、自分の意志というものはどこから出てくるのかという研究がずいぶん行われていますが、自分がこうしたい、ああしたい、あれが嫌だとかいうのは、実は自分の周りから決まってると。自分の周りから決まったやつをただ自分の意志のように感じるだけであるという研究がずいぶん行われてますね。
必ずしも、ピタッとはしてませんが、「意識のこびと」という研究も行われておりますが、非常にそれ似た内容を持っております。
それともう一つ、日本人の精神的支柱を成しているものが、縦軸、時間軸ですね。
太古の昔からずっと来て、われわれが目の届くというか、感覚的に分かる祖先、例えばひいおじいさん、ひいおばあさん、おばあさん、おじいさん、それから父親、母親、自分、そして子供、それから孫、ひ孫と続いていくこの縦の線ですね。これでも全く同じで、自分の子供とか自分の何とかっていうのとは関係ないですね。 人間は必ず親はいるんですよ。親がいないと、自分が成立しませんので親はいるんですが、子供はまあいない時もあるんですね。
子供はいない時もありますけど、だいたい全体として人類はやや増えながら来ていますので、全体としては例えば親がふたりですから2.0だとしたら、自分の子供は平均したら2.001人とか、少し多い人数になってるわけですね。
ですからの自分の子供とかいうことをあまり意識する必要なくて、これも絡合なんですけれども、まあ一体のものなんですね。それは遺伝子的にもそうです。
日本の場合のように特に島国の場合は外国との人の流通がありませんし、大規模虐殺もありませんので、どちらかというと遺伝子は混ざって行くほうですね。
いろいろな計算を、私してみたんですよ。日本人の遺伝子というのは、どのくらい混ざってるんだろうか。人の出入りとか、色んなことがあるので、ものすごく難しいんですが、専門的にこういうものを研究していただくといいんですけれども、私がざっと計算するとだいたい日本人というのは300回ぐらいは遺伝子同士が混ざってるかなっていう感じがしますんですね。
まあそういう点では日本人っていうのは、ほとんどが兄弟だと。まあ日本人自体が兄弟だと思うんですね。 こういった遺伝子の混ざり具合で、だいたい我々はほとんど日本人というと、頭の髪の毛がだいたい黒いと、それから顔形もだいたい日本人的であると。身長もまあだいたい150から170ぐらいで、ちょっと小柄だし、筋肉なんかもそんなに発達してるわけじゃない。
明治の時に日本に来たイギリスのご婦人ですと、まあ日本人は胸が貧弱であるという風に書いておられますが、大体共通した傾向がありますよね。
もちろん性格もそうで、食べ物もそうですから、例えば体のつくりなんか言っても、血管の太さだとか、流れる度合いだとか、血圧だとかですね、それから腸の長さとか、腸、胃腸にある消火剤の比率だとか成分だとか、それから腸にある細菌ですね、腸内細菌の組成だとか分布、こういったものが、まあ同じですよね。骨格もそうです。ですから、我々は水平軸としての日本の自然というのに生かされていて、そして垂直軸としての日本人の過去から未来に流れる中の一人であるということですね。
これは東洋の思想では、インドなんかもそういう強い思想がありまして、その結果、輪廻転生なんかの思想も出てるんですが、そればかりでなくて、昔、お釈迦様時代あたりのインド人の書いたもの、言ったものを見ますとね、自分たちは祖先から出てきているという強い意識がありますね。
だから僕は、昔は日本文化っていうのがとにかく、海の外から日本文化が来たんだということを繰り返し繰り返しを教わっていたものですから、そのそういった祖先に関する日本人の感情がどこの国から来たのかなと思って、それはインドだろうと思ってたんですね。中国は結構違うもんですから。そうすると、インドから来た形跡はないんですよ。
インドと日本とどちらがその祖先とのつながりを感じたかっていう時期も、かつてはもちろんインドが先だろうと思ってたんですけど、最近私がいろいろ勉強するとですけど、日本とインドとまあ独立であって、かつ日本の方が少し早いかなっていうのは気がいたしますね。
インドは紀元前400年から500年ぐらい、紀元前500年くらいにもうはっきりとした文字のある記録が残っているので、そういう意味では向こうが早いんですが、日本は文字がなかったっていう点で、そういう記録が残ってないんですけども、全体のその文化の発達、遺跡の数なんかから言いますと、日本ではこの祖先からのものっていうのはだいたい、2〜3,000年前位、紀元前2〜3,000年位に大体そういう概念ができてきて、それを基に神話なんかが発達し、日本の社会制度ができてきたという風にも考えられるわけです。なのでまあ日本がインドより早くても全然おかしくはない。それでインドが早いか、日本が早いかっていうのは問題で、いつも問題になるのは、インドと日本とどっちが優れてるんだと。優れてる方から優れてない方に文化が流れるんだっていうふうに、もう前提条件でそう思っておられる人がいるですが、そんな事は決してありませんよね。文化が進んでる遅れてるといったって、その一つの考え方がどこの地方でできたかっていうのは、またこれ別な問題ですからね。
まあいずれにしてもそういうことなんで、この生物っていうのは元々非常に強く、その祖先と子孫というのを意識してるんですね。
祖先を意識するのはどちらかというと脳で意識できるんですよね。自分の父親、母親はこういう人だった、おじさんおばさんがこういう人だった、おじいちゃん、おばあちゃんはこうだった、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんはこういう立派な人だったとかね、そこで身上(しんしょう)潰したんだとか、まあそういう頭で記憶できるわけですけども、子供の方は、これからどういうふうに子供ができるのか、自分には子供がいなくて、甥とか姪とか、少し離れたところにしか子供がいないのか、色々多種多様なんですね。
ところが生物、人間以外の生き物では、けっこうこれは強力なんですね。例えば私がいつも話に出すのが鮭なんですけど、鮭は海を普通は泳いでいるんですね。栄養は海にありますから、海にしかまあ育たないんですけど、産卵の時には川を一所懸命登ってきて、川の上流に来て、それで連れ合いを見つけて、メスが川底をきれいにした後、卵子を放出し、そこに雄が精子をかけて受精しますね。で受精したかどうか確認して、ある程度経つと、雄も雌もほぼ同時に死にます。
これは非常に不思議ことで、死ぬというのが、人間でも動物でも皆そうですけども、寿命というのが病気によって亡くなる、あの人間はそう考えていますね。だから死んだとき必ずお医者さん病名を付けますよ。老衰っていうのがありますから、老衰は病名かというのがありますけど、基本的にはコロナとかですね、なんか病名を付けるんですけれども、病気で死ぬってことはそれ程当たり前じゃありませんん。
例えばこの場合の鮭なんかも、えっと夫婦ほぼ同時に死にます。夫婦が片方ががんで、片方が脳卒中だというと、同時にそういうことが起こるってことはあまりありませんからねえ。
だからまぁそこで鮭が死ぬんですが、しばらくたちますと受精した卵から稚魚が生まれて、それが川を泳ぎ出すわけですね。しかし川っていうのは栄養があまりないので、稚魚がこの産卵場所から河口まで泳いで行く途中に餓死しちゃうんですよ。
日本みたいに国が小さくて川の長さが短くても、北海道大学の先生に一回聞いたことありますが、95%の鮭が餓死するって言うんですね。
そこでその餓死を防ぐために両親は受精してある程度経ちますと、自ら命を絶つわけですね。自ら命を絶って、夫婦同時に命を絶って、その夫婦の体が腐って散り散りになって、稚魚が食べられるようになった時に稚魚が泳ぎ出すという、そういう仕組みになっているわけですね。
つまり両親が産卵の後死ぬ時期というのは、自分の子どもが生き残るために自分の肉を犠牲にして出すということなんですね。これは明らかに、どういう意識を持っているかと言うと、動物の意識っていうのは非常に定義から何から難しいんですけれども。自分の命を子供に引き継ぐという意味で、あの人間のような場合には、まあ自分の肉体を子供が食べるっていうのは、例はあることあるんですね。インドネシアなんかでクールーの病気でかかったような例があるんですが、普通はちょっと特別なんですけども、動物では別にそれほどじゃない。つまりもともと子供ってのは自分の遺伝子というか細胞の一部というか遺伝子の一部を子供にあげているわけですから、肉を供給したって別にどうっていうことないんですが、まあそういうのもある。
これなんかはまあ意識としては、非常にこう、動物の中で自分の祖先から自分の体を受け取り、自分の体をまた子孫に引き継ぐんだという意識があることを示していると思います。
武田邦彦 ヒバリクラブ
【武田邦彦のブログ】2022年7月28日 シリーズ「日本」第二章 日本の神 E
https://youtu.be/SqfQU_71uwc
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