2022年09月17日
太陽光エネルギーを使うときの覚悟
今日はですね、武田邦彦の科学教室と言っても、現実的なエネルギーの話と少し関係するので、科学的な面白さというよりかですね、まあ社会性も、ちょっとある話なんですが。
最近ね、太陽光発電がいいなんて話があって、この前そういう質問を受けましたんでね。砂時計という番組で、太陽光発電は、効率的にあまり良くないんじゃないか?つまりドイツが太陽光発電を頑張ったんですけど、一般家庭用の電気代が、日本円で言えばだいたいキロワットアワー(kWh)当たり15円だったものが、45円になりましてね。3倍になったわけですよ。ですからご家庭ですとね、1か月1万円だった電気代が3万円になったというとですね。これは耐えられないということで、太陽光発電を後退させてですね、フランスから原子力を買うか、それとも自分のところで原子力発電所を作ろうか、という話になって、様子が大きく変わってるわけですね。
そんな話をしました。
しかし、その時にもちょっと触れたんですけれども、実は太陽光発電の問題点はそこにあるわけじゃなくて。昨日実は参政党の大会でちょっと話をさせて頂いのは、それなんですけれども。
我々が将来どういう生活をしたいと思っているのか、というところが一番最初なんですね。
我々は人間ですからね。自然とか生物と一緒に生活をしてるわけですね。それで、我々が生きてるエネルギーのほとんどは、太陽の光のエネルギーなんですよ。
ですから例えば、川が流れている。これは太陽エネルギーじゃない、なんて思ってる人がいるんです。川が流れているということって何かって言ったら、海水面に太陽の光が当たって、水が蒸発するわけですね。それで、それが上空に登って雲になり、雲が風で山の方に持っていかれて、山の頂上でぶつかってですね、そして雨が降る。その雨が川となって流れるわけですからね。
まあ物理的に言えば、太陽の光エネルギーが、水の蒸発のエネルギーと言いますか、エントロピーが増大して雲になり、それが山頂に降って、今度はポテンシャルエネルギーになる。こういうわけですね。
ですから、川が流れるわけです。川が流れるから、そこに魚が住み、それから川の水が川の周辺に染みていって木が生え、その木に鳥が鳴くと。こうなるわけですね。
砂も運ばれて、関東平野とか濃尾平野、みんな川が運んできた土砂で、我々は生活しているわけですね。これは、太陽エネルギーなわけです。もちろんここで言えば、風も太陽エネルギーですね。太陽の光の歪みっていうか、分布が少し違うので、そこで気圧の差ができて風が吹く。もちろんその中で、山もできると言ったら、まあ極端に言えばそうなんですが。海が蒸発したり、海に魚がいたりするのも、全部太陽エネルギーなわけですね。
その太陽エネルギーっていうのは、全生物、全自然が、現在の状態で使っているわけです。もちろん一番使ってるのは、人間なわけですね。で、さらに今人間は、太陽光のエネルギーから電気を取ると、こう思ってるわけですね。
これは自然に優しいって言う、変な人が世の中にいるんですよ。太陽の光を人間が利用するほど、自然に厳しいものはないんですよね。それは当たり前で、例えば一番極端には、希少生物と言われるものですね。希少動物。こういったものは、なぜ希少であるかと言いますと、それは弱いからなんですよね。弱いから希少動物である。つまり、競争に負けて繁栄してない。だからそういう希少動物はどこにいるかって言うと、例えば沼とか、日陰とか、そういうところにひっそりと住んでるわけですよ。僕はある市でですね、そういう調査をしました。ちょうど名古屋大学時代だったので、興味のある学生と一緒に地方に行っては丹念に、ここに太陽光パネルを敷いたら、生物にどういう影響があるだろうか、ということを調べました。その市の場合は、市民が使っている(電気の)数パーセント分(太陽光を)使ったらですね、絶滅危惧種と言われるものは、全部死に絶えてしまうんですよ。
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どうしてかって言ったら、絶滅危惧種っていうのは、だいたい弱いので絶滅危惧種なわけで。住んでいるところがどこかと言ったら、沼地とか日陰とかですね。直射日光が当たらないけれども、反射光で生きてる。例えば屋根の反射光で生きている。そんなような所に、絶滅危惧種がいるんですね。ですから私も、その時に分かったんですが、例えば屋根に太陽光発電を付けると、(屋根の)下は瓦だけだと思うんですけど、瓦はそれ程太陽光を吸収してるんじゃなくて、瓦から反射されてどっかの沼地とか、草むらに行く。その太陽光を利用して、弱い生物が住んでいるということですね。
ですから弱い生物が、真っ先に死にます。だいたい数パーセントですね。その市民が使う電気の10%近くまで、太陽光発電を利用しますとね、今度はほとんどの人工的な以外ですね、稲とかそういった、人間が囲って太陽の光をこうちゃんと使ってっていうようにしているもの以外は、殆どが死に絶えるでしょう。それは当たり前で、私は、測定して研究したら、そういう具体的な数字が出てきたんですけど、頭で考えたってね、全生物は太陽の光で生きているわけですから、人間がそのエネルギーを使ったら、それは当然ダメになっちゃうんですね。
だから、太陽光発電は自然のエネルギーだから、自然に優しいって、一体あなた、何考えてるの?っていう感じなんですね。ただまぁ、今のエネルギーの専門家はですね、利権にまみれてるっていうか、お金が欲しいだけでやってますからね。専門家が素人をだますことは、いくらでもできるんですよ。
その典型的な奴が、地熱発電なんてありましてね。まあ確かに日本は温泉が多いですしね。それから地下に行けば、ものすごく熱いマグマなんかがありますから、そのマグマを利用して、発電するって言やあ、普通の人は、ちょっとうっかり引っかかっちゃうんですけどね。発電というのは、高い温度があったからってダメなんですよね。温度差が必要ですから。だから高い温度と低い温度の両方なきゃ、いけないんですね。ですから、例えば一時有名になりましたが、原子力発電の冷却水、原子力発電所の近くには温排水が出るから、温排水公害なんて言われましたけどね。
なんで原子力発電所に温排水がつきものかっていったら、もちろんウランを燃やして高い熱が出る。高い熱が出て発電できるんじゃないんですよね。高い熱と低い熱が必要ですから。低い熱というのは海の水をくみ上げたり、川の水を利用して、そこで熱の流れを作る。そんな熱の流れを作るから、そこから電気が取れるっていう、まあそういうことですね。
だけどこういうやつはね、まあ私の経験ですと、市民グループとかが悪いわけじゃないですよ。そういうことじゃなくて、まぁそういう人たちを、だますの簡単なんですよ。
ですからまあ、日本にこれだけ地下資源があるのに、なんで利用してないんだ、なんて言う人がいるんですけど、日本は火山国だから、地熱発電の宝庫じゃないか、日本にはエネルギー資源がないっていうのウソじゃないか、って
こんなのウソなんですよ。例えばその時に、また専門家がねぇ、随分これ前ですけど、20年くらい前に地熱発電で金をもらってる専門家が何て言っていたかというと、アイスランドを見ろと。アイスランドはほとんど地熱発電でやってるじゃないかって言うんですよ。
あそこは人口が30万人ですから。30万人くらいだったらね、日本でもできます。ですけどそれ以上ね、ダメなんですよ。それで一回、私、地熱発電の国家の、何か委員会かなんかに呼ばれて出てですね。そこで、ある大学の先生が、まぁ名前言ってもいいんですけど、そんなことが目的じゃないんで言いませんが、得々として地熱発電を説明してる。役人も感心してる。そこんとこでOKされたら、なんか少し税金が出るわけですよ。補助金とかね、研究費とか。僕は一つ質問しましたよ。このままですと、すぐ周りの岩の温度が上がっちゃいますが、それはどうしたらいいんでしょうかと。岩は、熱伝導が低いですからね、と、こう言ったら、その先生、説明ができなくなって、黒板の前で立ち往生ですよ。そのくらいのレベルなんですよね。まあ大学の先生なんて威張ってますけれども、金に目がくらんでますからね。
で、この際皆さんに考えて頂きたいのは、太陽光発電と聞いた瞬間に、あ、これは危ないなぁと思う感覚がいるんですね。ここちょっとあの水力発電が出ましたが。昔はね、水力発電が環境にいい、なんつってた時代があるんですよ。今から40年ぐらい前なんですね。
それで、これはもちろん問題なんですよ。川が流れるエネルギーを人間が横取りするんですから。そうしたら、川はまあ全滅しちゃうんですよ。そのいい例が、日本では黒部ダム、世界的にはアスワンハイダム、ナイルもですね。黒部ダムの下流なんか見ればわかるんですよ。ダムから下を見れば。ダムでエネルギー取っちゃいますからね。
下の川はもう荒れ放題。時々ゲートを開けてですね、ダムに溜まった汚い水を流すと、黒部ダムの下流は全滅。
富山湾も、1回、1/3くらい全部ダメになったことがありましたね。それは当然で、個別にはそのゲートの開け方をどうするとか言ってますが、そういう問題じゃないんですよ。川の流れるエネルギーを横取りしたら、どうなるかっていう問題なんですね。
アスワンハイダムの方がよく分かりますよ。あんな何千年も使ってきたナイルの流れで一番大きかったのは、やっぱりみなさんも学校で習ったように、流れてくるその土砂が、ある時氾濫して、畑に散らばる。そしたらそれが肥沃な大地となって、また耕作ができるっていうのを、繰り返してきたわけですね。
ところは上から流れてくる川のエネルギーが減りましたから、海の水が上がってくるんですよ。それは当たり前ですよね。エネルギーバランスで決まりますから。河口の状態っていうのは。それで塩害でですね、全滅しましたね、畑。
川に発電所を作る時に、電力会社とか経済産業省は公聴会を開きますよ。付近の住民を呼びますね。僕は40代ぐらい前ね、僕も言い方が極端だからすぐ誤解されるんですが、公聴会に付近住民を呼んじゃダメだって言ったんですよ。呼ぶのは、魚のお母さんだ。魚のお母さんを呼んで、今度人間は、テレビをつけて見たいというので、電気が必要だから、ダムを作りたい。そうなると、あなたが今育ててる2匹の子供さんは、2匹とも死にますと。よろしいですかと言ったらですね、魚のお母さんは、人間はテレビを見たいかもしれないけど、私たちは命がかかってんだから、自然のままの川を残してくれると言うでしょうね。
そこなんですよ。つまりこの太陽光発電もそうです。水力発電も風力発電もそうなんですが、自然に手をつけるということが、どういうことかということを考えて、エネルギー問題を議論したりするということがですね、大切で。我々はどういう社会に住みたいのか、人間だけがいて、今のエネルギーの倍使う、そういう人生を送りたいのかね。それともエネルギーを少し我慢しても、やはり生物のいる海とか山とか川も、元気よく流れている、そういう中で人生を過ごしたいのか。それはやっぱり考えるのは、日本国民が考えなきゃなんないエネルギー問題であって、太陽光がいいとか原子力がいいとか石油がいいとか、いうことを考えるのは、それは専門家であるというふうに私は思っています。
武田邦彦 ヒバリクラブ
自然エネルギーは人間だけのもの?【武田邦彦の科学教室I】
https://youtu.be/nBCrrgUiZKU
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最近ね、太陽光発電がいいなんて話があって、この前そういう質問を受けましたんでね。砂時計という番組で、太陽光発電は、効率的にあまり良くないんじゃないか?つまりドイツが太陽光発電を頑張ったんですけど、一般家庭用の電気代が、日本円で言えばだいたいキロワットアワー(kWh)当たり15円だったものが、45円になりましてね。3倍になったわけですよ。ですからご家庭ですとね、1か月1万円だった電気代が3万円になったというとですね。これは耐えられないということで、太陽光発電を後退させてですね、フランスから原子力を買うか、それとも自分のところで原子力発電所を作ろうか、という話になって、様子が大きく変わってるわけですね。
そんな話をしました。
しかし、その時にもちょっと触れたんですけれども、実は太陽光発電の問題点はそこにあるわけじゃなくて。昨日実は参政党の大会でちょっと話をさせて頂いのは、それなんですけれども。
我々が将来どういう生活をしたいと思っているのか、というところが一番最初なんですね。
我々は人間ですからね。自然とか生物と一緒に生活をしてるわけですね。それで、我々が生きてるエネルギーのほとんどは、太陽の光のエネルギーなんですよ。
ですから例えば、川が流れている。これは太陽エネルギーじゃない、なんて思ってる人がいるんです。川が流れているということって何かって言ったら、海水面に太陽の光が当たって、水が蒸発するわけですね。それで、それが上空に登って雲になり、雲が風で山の方に持っていかれて、山の頂上でぶつかってですね、そして雨が降る。その雨が川となって流れるわけですからね。
まあ物理的に言えば、太陽の光エネルギーが、水の蒸発のエネルギーと言いますか、エントロピーが増大して雲になり、それが山頂に降って、今度はポテンシャルエネルギーになる。こういうわけですね。
ですから、川が流れるわけです。川が流れるから、そこに魚が住み、それから川の水が川の周辺に染みていって木が生え、その木に鳥が鳴くと。こうなるわけですね。
砂も運ばれて、関東平野とか濃尾平野、みんな川が運んできた土砂で、我々は生活しているわけですね。これは、太陽エネルギーなわけです。もちろんここで言えば、風も太陽エネルギーですね。太陽の光の歪みっていうか、分布が少し違うので、そこで気圧の差ができて風が吹く。もちろんその中で、山もできると言ったら、まあ極端に言えばそうなんですが。海が蒸発したり、海に魚がいたりするのも、全部太陽エネルギーなわけですね。
その太陽エネルギーっていうのは、全生物、全自然が、現在の状態で使っているわけです。もちろん一番使ってるのは、人間なわけですね。で、さらに今人間は、太陽光のエネルギーから電気を取ると、こう思ってるわけですね。
これは自然に優しいって言う、変な人が世の中にいるんですよ。太陽の光を人間が利用するほど、自然に厳しいものはないんですよね。それは当たり前で、例えば一番極端には、希少生物と言われるものですね。希少動物。こういったものは、なぜ希少であるかと言いますと、それは弱いからなんですよね。弱いから希少動物である。つまり、競争に負けて繁栄してない。だからそういう希少動物はどこにいるかって言うと、例えば沼とか、日陰とか、そういうところにひっそりと住んでるわけですよ。僕はある市でですね、そういう調査をしました。ちょうど名古屋大学時代だったので、興味のある学生と一緒に地方に行っては丹念に、ここに太陽光パネルを敷いたら、生物にどういう影響があるだろうか、ということを調べました。その市の場合は、市民が使っている(電気の)数パーセント分(太陽光を)使ったらですね、絶滅危惧種と言われるものは、全部死に絶えてしまうんですよ。
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どうしてかって言ったら、絶滅危惧種っていうのは、だいたい弱いので絶滅危惧種なわけで。住んでいるところがどこかと言ったら、沼地とか日陰とかですね。直射日光が当たらないけれども、反射光で生きてる。例えば屋根の反射光で生きている。そんなような所に、絶滅危惧種がいるんですね。ですから私も、その時に分かったんですが、例えば屋根に太陽光発電を付けると、(屋根の)下は瓦だけだと思うんですけど、瓦はそれ程太陽光を吸収してるんじゃなくて、瓦から反射されてどっかの沼地とか、草むらに行く。その太陽光を利用して、弱い生物が住んでいるということですね。
ですから弱い生物が、真っ先に死にます。だいたい数パーセントですね。その市民が使う電気の10%近くまで、太陽光発電を利用しますとね、今度はほとんどの人工的な以外ですね、稲とかそういった、人間が囲って太陽の光をこうちゃんと使ってっていうようにしているもの以外は、殆どが死に絶えるでしょう。それは当たり前で、私は、測定して研究したら、そういう具体的な数字が出てきたんですけど、頭で考えたってね、全生物は太陽の光で生きているわけですから、人間がそのエネルギーを使ったら、それは当然ダメになっちゃうんですね。
だから、太陽光発電は自然のエネルギーだから、自然に優しいって、一体あなた、何考えてるの?っていう感じなんですね。ただまぁ、今のエネルギーの専門家はですね、利権にまみれてるっていうか、お金が欲しいだけでやってますからね。専門家が素人をだますことは、いくらでもできるんですよ。
その典型的な奴が、地熱発電なんてありましてね。まあ確かに日本は温泉が多いですしね。それから地下に行けば、ものすごく熱いマグマなんかがありますから、そのマグマを利用して、発電するって言やあ、普通の人は、ちょっとうっかり引っかかっちゃうんですけどね。発電というのは、高い温度があったからってダメなんですよね。温度差が必要ですから。だから高い温度と低い温度の両方なきゃ、いけないんですね。ですから、例えば一時有名になりましたが、原子力発電の冷却水、原子力発電所の近くには温排水が出るから、温排水公害なんて言われましたけどね。
なんで原子力発電所に温排水がつきものかっていったら、もちろんウランを燃やして高い熱が出る。高い熱が出て発電できるんじゃないんですよね。高い熱と低い熱が必要ですから。低い熱というのは海の水をくみ上げたり、川の水を利用して、そこで熱の流れを作る。そんな熱の流れを作るから、そこから電気が取れるっていう、まあそういうことですね。
だけどこういうやつはね、まあ私の経験ですと、市民グループとかが悪いわけじゃないですよ。そういうことじゃなくて、まぁそういう人たちを、だますの簡単なんですよ。
ですからまあ、日本にこれだけ地下資源があるのに、なんで利用してないんだ、なんて言う人がいるんですけど、日本は火山国だから、地熱発電の宝庫じゃないか、日本にはエネルギー資源がないっていうのウソじゃないか、って
こんなのウソなんですよ。例えばその時に、また専門家がねぇ、随分これ前ですけど、20年くらい前に地熱発電で金をもらってる専門家が何て言っていたかというと、アイスランドを見ろと。アイスランドはほとんど地熱発電でやってるじゃないかって言うんですよ。
あそこは人口が30万人ですから。30万人くらいだったらね、日本でもできます。ですけどそれ以上ね、ダメなんですよ。それで一回、私、地熱発電の国家の、何か委員会かなんかに呼ばれて出てですね。そこで、ある大学の先生が、まぁ名前言ってもいいんですけど、そんなことが目的じゃないんで言いませんが、得々として地熱発電を説明してる。役人も感心してる。そこんとこでOKされたら、なんか少し税金が出るわけですよ。補助金とかね、研究費とか。僕は一つ質問しましたよ。このままですと、すぐ周りの岩の温度が上がっちゃいますが、それはどうしたらいいんでしょうかと。岩は、熱伝導が低いですからね、と、こう言ったら、その先生、説明ができなくなって、黒板の前で立ち往生ですよ。そのくらいのレベルなんですよね。まあ大学の先生なんて威張ってますけれども、金に目がくらんでますからね。
で、この際皆さんに考えて頂きたいのは、太陽光発電と聞いた瞬間に、あ、これは危ないなぁと思う感覚がいるんですね。ここちょっとあの水力発電が出ましたが。昔はね、水力発電が環境にいい、なんつってた時代があるんですよ。今から40年ぐらい前なんですね。
それで、これはもちろん問題なんですよ。川が流れるエネルギーを人間が横取りするんですから。そうしたら、川はまあ全滅しちゃうんですよ。そのいい例が、日本では黒部ダム、世界的にはアスワンハイダム、ナイルもですね。黒部ダムの下流なんか見ればわかるんですよ。ダムから下を見れば。ダムでエネルギー取っちゃいますからね。
下の川はもう荒れ放題。時々ゲートを開けてですね、ダムに溜まった汚い水を流すと、黒部ダムの下流は全滅。
富山湾も、1回、1/3くらい全部ダメになったことがありましたね。それは当然で、個別にはそのゲートの開け方をどうするとか言ってますが、そういう問題じゃないんですよ。川の流れるエネルギーを横取りしたら、どうなるかっていう問題なんですね。
アスワンハイダムの方がよく分かりますよ。あんな何千年も使ってきたナイルの流れで一番大きかったのは、やっぱりみなさんも学校で習ったように、流れてくるその土砂が、ある時氾濫して、畑に散らばる。そしたらそれが肥沃な大地となって、また耕作ができるっていうのを、繰り返してきたわけですね。
ところは上から流れてくる川のエネルギーが減りましたから、海の水が上がってくるんですよ。それは当たり前ですよね。エネルギーバランスで決まりますから。河口の状態っていうのは。それで塩害でですね、全滅しましたね、畑。
川に発電所を作る時に、電力会社とか経済産業省は公聴会を開きますよ。付近の住民を呼びますね。僕は40代ぐらい前ね、僕も言い方が極端だからすぐ誤解されるんですが、公聴会に付近住民を呼んじゃダメだって言ったんですよ。呼ぶのは、魚のお母さんだ。魚のお母さんを呼んで、今度人間は、テレビをつけて見たいというので、電気が必要だから、ダムを作りたい。そうなると、あなたが今育ててる2匹の子供さんは、2匹とも死にますと。よろしいですかと言ったらですね、魚のお母さんは、人間はテレビを見たいかもしれないけど、私たちは命がかかってんだから、自然のままの川を残してくれると言うでしょうね。
そこなんですよ。つまりこの太陽光発電もそうです。水力発電も風力発電もそうなんですが、自然に手をつけるということが、どういうことかということを考えて、エネルギー問題を議論したりするということがですね、大切で。我々はどういう社会に住みたいのか、人間だけがいて、今のエネルギーの倍使う、そういう人生を送りたいのかね。それともエネルギーを少し我慢しても、やはり生物のいる海とか山とか川も、元気よく流れている、そういう中で人生を過ごしたいのか。それはやっぱり考えるのは、日本国民が考えなきゃなんないエネルギー問題であって、太陽光がいいとか原子力がいいとか石油がいいとか、いうことを考えるのは、それは専門家であるというふうに私は思っています。
武田邦彦 ヒバリクラブ
自然エネルギーは人間だけのもの?【武田邦彦の科学教室I】
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