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2022年10月26日

福島原発事故の本当の原因 科学的哲学的論考で福島原発を考える3

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現在の日本はですね。ウソを言う人が増えたっていうこともあるし、それから科学的哲学的な考えが不足しているということもあって、事実が2度も3度もねじれてるわけですね。今、原発をやるかやらないかという議論があって、原発をやろうという人と、原発は嫌だっていう人がやや、こうなんと言いますか感情的な論争になってて。

この前私、武田先生は原発反対派、いやそんな事言わないで下さいと。私は原発は素晴らしい技術だと思うんだけど、現在の技術がまだ日本で実施するには、技術的に未完成ところがあると。その未完成のところが完成すれば、原発は進めた方がいいと。これは原発反対派ですかと、こういう風に言ったわけですね。つまり現在はマスコミの影響もあるんですけど、なんか賛成派と反対派に分かれてケンカさせようと。しかしそのケンカっていうのはお互いでウソをつくので、あまり実りがないんですよね。あのこれ、錯覚しておりまして、ケンカさせれば分かるだろう、特に学者ですね。学者っていうのは、異論がお互いにないはずなんですね。学問っていうのは議論がなくなって、みんなが納得するところまで行って学問なんであって、そのままではまだ学問ではありません。私たち大学教授が学生に教えるのは、学問として定まっているところまで。議論のあるところは特には教えません。まあ必要があったら若干、こういう考えはあるっていう事は紹介しますけどね。

そういう点で、非常に大きく間違っているのが福島原発爆発の真相ですね。基礎編が終わりまして、ようやく具体編になったんです。
爆発は津波が原因ではない。もうみんなが今でも津波と思ってますし、なにしろメディアが全部、津波だ津波だって言いましたからね。防波堤が5.9mの高さしかない、しかしそれを超えた津波が来た、それは想定外であるから福島原発爆発事故の責任はないと、まあこういう論理なんですね。福島原発爆発事故の責任はないと言ったのは、想定外の事故だから、それは人知の及ばざるところであり、それは誰かが責任を取らない、取ることができない、ってことは補償もしない、また再開もする、ということに繋がるので、そういう筋で、一所懸命メディアの応援もあってですね。メディアとかそういう朝日新聞とかいうのが、なぜこのインチキな原因を支持してるのか、ちょっと分かりませんが。分かりませんがって、私は推察はしてるんですけども、本人たちが発表してないと言う意味ですね。で、なぜ津波じゃないかっていうのを説明いたします。

順序よく聞いてほしいんですが、防波堤っていうのはですね、原子力発電所の前面だけにしかありません。原子力発電所の北側と、まあ福島ですと北と南ですね、福島の県の海岸の北と南には防波堤はありません。それから防波堤もですね、全部を被ってるわけじゃなくて、防波堤の中に船が入っておかなきゃいけないんで、船の入る余地を作ってます。つまり津波の直撃を受けないようにしてるだけで、水位は上がるんですね。防波堤っていうのは、海水面の水位が上がってくるのを防ぐわけじゃないんです。直接的な、まあ物理学でいうと運動量みたいなもんですが。海水がどうと押し寄せてきて、それが直接バーンと民家にぶつかって、で、民家をドンドンドンドン陸地の方に押し寄せて、そこで人も溺れて死ぬっていうのが津波で、それを防ぐのが防波堤なんですね。防波堤はまさに波を防ぐんであって、海水面が上昇することを防ぐことはできません。つまり切れ目があるからですね。防波堤がダブってるところがあって、ダブってるところの間を通って船が中に入れるようになっているのが防波堤ですね。防波堤の構造をご存知無い人は、この際ちょっとネットで調べてもらうと分かります。っていうことは、津波が来ると、水位が上がるんですよ。例えば10メートルの津波が来て、海が5メートル一時的に水が上がりますね。そうしますと、防波堤を越えなくても防波堤の内側の海水面っていうのは5メートル上がります。それから防波堤の北側、防波堤の南側ですね。これも等しくだいたい5メートル位上がります。そうすると5メートル上がると、それが海岸縁には別に防御装置はない、そういう防波堤みたいのがないわけですから、海岸から中に進入しますね。陸地の方に進入します。そういえば例えば仮に、原子力発電所を切れ目のない防波堤で囲ったとしてもですね、両翼つまり北側と南側が開いてますから、そこから海水の水位が上がりますね。そうすると海水の水位が上がると、福島原発は浸水します。浸水しますと、例えばそこまでずいぶん波の高さが減ってですね、例えば海水面から2メートル位、その原発の原発建屋が建ってるところの床面から2メートルぐらいの高さしか来なかったとしますね。それでもですね、ドアが開いてたら、もしくは防水用のドアでなければ、原発の建屋の中にどんどんどんどん海水が入って行けますね。その状態だったんですよ。つまり津波ではないんです。津波ではないというか、防波堤の高さが足りなかったという理由ではないんですね。

何が理由かって言ったら、海水面が上がったことによる単なる水没なんですよ。原子力発電所が単に水没しただけで、津波ではないんですね。津波の動力、運動量が作用したわけじゃないんです。しかしこういうことは一応想定されておりまして、海水面が上がった時に、直ちに原子力発電所が爆発すると困るので、一番可能性が高いのが電源が喪失する、失われてしまうってことですね。電気が来なくなる。そうすると、もうたちまち冷却できないので、爆発的な状態になる。その時の状態、いろいろなんですが、一応爆発的な状態になるわけですね。2011年もそういう状態だったわけです。
それを防ぐためにですね、電源を4種類準備してました。これを多重防御と言うんですね。つまり津波とかその他色々な理由によって海水面が上がるとですね、それによって原子力発電所が浸水する。浸水すると具合の悪いことに、地下に電源が置いてあるんですよ。地下に電源が置いてあるのは何故かと言ったら、安くするためですね。電源を高いところに置いておけば、別にそこは浸水しないんですけども、コストを安くするために地下に電源を置いておきます。これを第1電源というんですね。第1電源が浸水したら、自動的に第2電源に切り替わるようになっています。 この第2電源っていうのは一応電力会社、もしくは原子力関係者が今まで説明してたことはって言ったら、私はそこ明確な文章って見たことないんですが、私なんかの頭に入ってるのはそうだから。第2電源は近くの高台に置くと、こうなってたわけですね。で、まず第1電源が水没しないようにする。本当は地下なんか置いちゃいけないんだけど。水没しないように。だけど、万が一水没したとする。そうすると第2電源が、その原子炉建屋ではないところの、割合と丘に置いてあるので、そっちが生きてるのでそっちを使う。
しかし人間の考えることですから、固定的な電源ですとね、やっぱり危ないかもしれないので、移動できる電源を用意しておく必要がある。これがヂーゼル発電の第3電源ですね。これはトラックの上に乗ってて、それでトラックを移動させることによって、状況によってですね、これは危険が来たと、いろんな危険がありますからね、そのいろんな危険に対して安全な場所まで移動すると。そうするとトラックの上に乗ってなきゃいけないし、トレーラーみたいな大型のトラックの上に乗ってなきゃいけないし、そこからコードの長さが十分に長くなきゃいけないと、こういう問題がありますね。
だけど、それから、全部、第1、第2、第3の発電で供給される電気が止まった場合は、しょうがないから短時間、8時間くらいと言われてるんですが、それをバッテリーで補うと。これが第1、第2、第3、第4の多重防御。

それで今まで原子力発電所が安全であるっていうのは、2つの原理があるからって言ってたんですね。一つが次にご説明しますが、自己的に事故を抑えるという、そういう特性。これは軽水炉の特性ですね。2つ目が人間がやる多重防御。ところが福島原発は第1、第2、第3、第4電源が全部地下にあった。コスト削減のためにウソをついていたわけですね。しかも第4電源のコンセントは入らなかったというか、訓練はしてなかったという話なんですね。これは、その原因追及が甘いから、よく分かってないんですが、そういうことなんですね。つまり福島原発事故の真相はですね、何も想定外じゃなくて、想定されて準備しとかなければいけないことをやってなかったってことなんですよ。したがって、このような体質ですね。つまり設計とか国民に説明したとおりやってなければ、何をやってないか、分かんないですからね。そしたら危険である、という非常に単純なことを示しているわけです。まずこれは非常に重要なことですね。約束を守らなかった。国民にウソをついてたわけですから。ですからこれはもう、大変なことだということになります。

武田邦彦 ヒバリクラブ
【武田邦彦のブログ】2022年3月17日 科学的哲学的論考右向き三角1原発講座(3)福島原発爆発の真相-3爆発は床下浸水が原因だった
https://youtu.be/BxxdpEv8vPE



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