2022年10月19日
古代の日本について
今、子どもたちが教えてもらう歴史って、本当にかわいそうですよね。日本人はどこから来たのか、日本語はなぜできているのか、日本にはなぜ国家が少し遅れたのか、全然そういうことに対する本質的な説明がないわけですね。いつも中国はこう、中国はこうって習うわけですね。しかし日本、日本人は日本がルーツです。日本列島に住んでた人が日本人の最初です。日本語っていうのは、他の言葉と違う言葉で、これも日本列島に住んでる人たちが作った言葉ですね。非常に食べ物が豊富で、稲作なんかも古くから出来ていたので、争いがなかったわけですね。大体は食べ物に対する争いが普通なんですね。争いが少ないってことは、殺し合いが少ない。殺し合いが少ないということは、多くの人を集めなくていい。っていうことは国家も少ない。それから広い土地を占領する必要がないので、文字もいらないということになって、日本列島の中で穏やかな文化ができるですね。本当に理想的な文化ですね。自分たちの民族、自分たちの言葉、みんなで協力して食べていくシステム。上下関係もないし、戦いもないっていう、こういうのがだいたい今から2、3000年前にできた日本だったわけですね。外国から騎馬民族が入ってくるとか、そんなこと全くなくて。少人数の人たちがたまに入ってくると、じゃあまあ、どうぞどうぞ、一緒に生活していきましょう、っていうぐらいの余裕が最後まであった。そこで古代日本に入るんですね。
明治維新の時もそうなんですけど、どうもこの頃日本人はですね、軍事が強いとか、武力が強いとか、集団が大きいということを立派だと思うらしいんですね。歴史学者は少なくとも。社会学者そうですけどね、僕はそんなことじゃないと思いますね。人間の偉さっていうのは力が強いとか、金を持ってるとか、組織が大きいとか、皇帝であるとかそういうことじゃなくて、一人一人の人間が人間として立派であるか、かけがえのない人であるか、人格が立派かっていうことですから。それが文化なわけですね。明治時代でも、ヨーロッパの文明と日本の文明と比べますと、当時の日本の文明の方がずっとずっとレベルが高いですよ。それはもう全然話になりませんね。これはヨーロッパから日本に来た人たちが揃って言ってますよ。明治維新の時ですね、徳川の末とか。果たしてこの日本という国に西洋文明を持ってくることが、この人たちの幸福になるかどうか。まさに不幸なわけですよ。あの時に文明開化といったのが大きな間違いで、軍事力が強いところを真似たというだけですからね。軍事力が文明なんでしょうかね。僕は軍事力は文明じゃないと思います。
ともかくそういうことで、古代日本が始まりますね。古代日本の始まりってのは、あんまり議論をする必要ないんですよ。例えば紀元2600年なんていうのを採用している人は今から2500年前っていうし、一番左翼系で反日系の歴史学者ですと、300年くらいから日本国ができたっていうんで、今は1700年とか言いますけど、だいたい2000年プラスマイナス300年とか400年のところですよね。いろんな証拠はこれから少しずつ集まるわけで、分からないところは分からないで置いておけばいいわけですから。紀元あたりで、プラスマイナス300年、500年はあるでしょうということで、進めていきたいと思います。そうするとですね。民族は日本民族であると。言語は日本言語であると。食べ物は豊富で殺し合う必要がないと。大規模な火山は姶良火山が最後に、紀元前1万年に爆発してからはそれほどない、というようなことでしたから、非常に穏やかなところで、まぁいわば地上の楽園みたいなところで住んでたわけですね。そうするとここで社会制度を作ろうということになると、あまり大きな上下組織は要らないわけですね。アイヌがそうだったんですが、ここで度々アイヌの事をお話するので、最近のアイヌ嫌いみたいな、変なアイヌ法とかいう変な法律だったかなんか、全然見当違いのところで議論になって、なんか憎々しげにアイヌのことを言う人もいるんですけど、僕はそういうような感情は全然持ってない。アイヌは階級制が2階級だったですね。酋長さんと普通の人っていう2階級ですね。だいたい世界のところを見ても、原始的なところじゃない、平和のところが2階級ですね。ですから日本では天皇陛下と国民という2階級を作ったんでしょうね。これが天皇陛下ができた理由だと思うんですね。あとは、奴隷をできるだけ作らない、できるだけ差別をしない、神様は置かない、軍隊はできるだけ少ない方がいい。 今でも平和がいい、平和がいいって言ってるような人がよく、ヨーロッパ文化がいいなあって言う。ヨーロッパ文化っていうのは階級制と軍隊の文化ですから、全然違うんですけど。
それを非常に穏やかな、そして村は割合大きくない、防備も遺跡とか作らなくていい。遺跡になるようなお城っていうとね、ペルセポリスとか、清のいろんな造作物とか、いうふうにゴツイものができるわけですね。やっぱりデカい軍隊が攻めてきたり、殺し合いしたりしますので、それを防御しなきゃならない。それが全然なければ、なんてことないんで、別に普通の農道があってですね、畑があって、のんびりと子供たちが遊んでいると。夕方になると夕焼けがあって、カラスが森に帰るなんてもんですからね。ですから穏やかな日本っていうのができたんです。私は環境の関係で、色々日本の古代衛生というのを調べたことがあるんですが、非常に衛生関係は整ってますね。ナイル川は非常に汚かったし、ヨーロッパなんかその文化を受けてですね、ローマの的には一時下水道が発達しましたが、パリなんかだって18世紀ぐらいまで汚い水を使ってたんですが、日本は歴史を見ても、だいたい飛鳥時代ぐらいにはもう用水なんかが整っておりますし、下水なんかも整っております。そういう意味では、水が豊富なこともあってですね、衛生環境は非常に良かったですね。
元々、これもどこで発生したかって、民間の場合は難しいんですけれども、家の中は靴を(脱いでから)上ってやるとかですね、日本は湿気が多かったので、カビが敵だったんですね。そうしますとやっぱり、家の中をきれいにしておくとか、焼く文化が発達するんですね。これは日本ではリサイクル騒動の時に、えらくそういう歴史を知らない人が多くてですね、間違ったこと言っておりましたが、日本はほとんどが焼くんですよ。もちろん死体も焼きますしね。昔は家も焼いたんですね。例えばそこの主人が死ぬと、家を焼いたりしてた。それもやっぱり何かそういう不吉なことが起こるということは、やっぱりバイキンなんかがあるからということですね。
建築の関係で僕はドクター論文、博士論文の審査をしたことがあるんですけど、一回レンガ造りの日本の建設物に対する博士論文を審査した時に、本当にそう思ったんですけど、綿密な研究をしていただいた人だったんでね。日本にレンガ造りの家っていうのが、なかなか定着しなかった。3回、あっちこっちから入ってきてるんですけども、定着しない。それは湿気の問題なんですね。地震の問題だっていうんじゃないんですね。地震に対して、レンガ組みをどう組めば、日本のように震度6ぐらいの地震までは大丈夫だってことも古代で分かっておりました。少なくても中世でははっきり分かっておりますが、そういうことはしないんですね。これはやっぱり日本の衛生環境が非常に良かった、下水道も非常に良かった。これは後にですね、日本には流行病があまりないということもあります。従って多分ですね、今から2000年ぐらい前の住居っていうのは、竪穴住居で、集落の周りとか家族の家の周りにですね、簡単な溝があると。それを水田用の水として使ったり、一般的な用水に使ったり、下水に使ったりして、非常に環境の良い状態で住めました。それは栽培と、自然に生育する植物、それから小動物を狩る。それから少し良くなりますと、そういった穀物を貯めておく高床式の建物。それに猫とか犬といったですね、極めて牧歌的なところでやってきたという素晴らしい日本っていうのが思い浮かびますね。そうしますと階級制はいらないわけです。
それから文字もいらないし、大きな軍隊とかお城とかいうのはいりませんね。お城はついに日本は大きなお城はなかったんですね。っていうのはこれは僕はよく日本の話の時にするんですけれども、日本のお城っていうのはお殿様とか重臣とか関係者が住んでいるだけなんですね。ところが日本以外、中国の北京城、南京城、中東のイスラムのコンスタンティノープルの大城壁、それからパリのお城、これがみんなですね、市民をお城の中に入れるんですね。つまり奴隷を取り合うというような文化があるところ、それから皆殺しをするという文化のあるところは、国民を囲わなければいけないですね。ところが日本の場合は、その外側が海で、しかも日本列島の中での殺し合いがないものですから、だから大きな建物は発生しないんです。せいぜい物見櫓的なものの大きいものとか。防御系の、石を組んで防御したりっていうようなことはあまりないんですね。日本に石がないかとそんなことないんですよ。それは戦国時代のお城を見ればいいんで、十分な石材はあるんですけども、縄文時代からですね、歴史時代に渡るところの建物には大体はお堀があって、木の柵があるぐらいなんですね。これはいかに日本っていうのが平和だったか、階級制がなかったか、ってことを示しているわけで、日本人としてはそれは誇りにすべきものですね。
何か、日本人は文化が劣ってた、なぜかと言ったら兵馬が少ないからとか、大きな建造物がないからとか、秦の始皇帝の時にはまだ日本は小さい集落だったから(っていう人がいるが)、小さい集落の方が文化が進んでるんですよ。小さい集落のまま何の問題もなく、生活ができるっていう事が素晴らしい文化なんであって。 殺し合いがあるから力の強い方がいい、だから国家がどんどん大きくなって、1万人の国家よりか2万人の国家がいい、2万人の国家よりか10万人の国家がいいって、どんどんどんどん大きくなって、中国を統一しなきゃならなくなったわけですけれども、別に中国みたいな大きなところを統一する必要なんか、全くありませんからね、戦争がなければ。血生臭いから大きな国家ができる。そうすると遠くまで、いろいろな通達だとか、通行手形なんか必要ですから、文字がいる。だから文字も発達する。つまり戦争、血なまぐさいから進む文化は、本当の文化じゃないですよ。血生臭くない文化が本当の文化ですからね。
その意味では天皇陛下、天皇制ができて、国民がみんな一緒ですので、仁徳天皇の言ったといわれる、こういう歴史的な言葉ってのは、本当かどうか聞く必要ないんですね、象徴的なっていうだけなんですが、「民のかまどは賑わいにけり」こんなのは秦の始皇帝の言葉としては有り得ませんよ。自分だけが良ければいい。不死の薬を探してこいとかなんか、そんな自分が生き延びれればいいと言うね。あの仁徳天皇の「民のかまどは賑わいにけり」。自分の健康とかそういう問題じゃない。日本国民が豊かであれば、自分は満足だっていうのは、180度違いますねぇ。それからほとんど戦争がありませんね。聖徳太子の頃の大化の改新とか、蘇我氏の滅亡だって、だいたい数人ぐらいでやってますよ。まあ多くても2、30人だったんでしょうね。ですから日本の古代っていうのは、非常に穏やかだった。その中で神話が生まれ、文化が生まれ、都市はあまりうまれない。うまれる必要がなかったっていうことですね。素晴らしい国がスタートで出来たというのが、古代日本の第一歩であったと。これはもう今までの歴史が、日本人は外から来たんじゃないか、日本語はどこから来たんだ、中国にはあんな大きな国があったのに、なんで日本にはなかったのか、っていうそういう軍事優先、戦争優先の思想でできた歴史科学から、できるだけ離れて日本を考えなければいけないと思います。
武田邦彦 ヒバリクラブ
【武田邦彦のブログ】2022年8月4日 シリーズ「日本」第三章 古代日本 @
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