2023年03月31日
日本の現状
どうも、今の日本っていうのは何かの歯車が狂ったわけですが、なぜ狂ったか。またその本質が分かっていかないと分からないんですけども、とにかくほとんどの話が、本質ではなくて、枝葉末節に流れるんですね。
例えば具体的に少子化としますと、少子化、80万人を切って大変だ、これは危機的状態だとかいうことを専門家が盛んに言ってるんですが、まあだいたいこれからは長寿化しますからね。長寿化するってことは悪いことだという人はいないでしょうね。ボケて、もう死んでるように生きてるってはいけませんけどね。ピンピンコロリで100歳ぐらいっていうのが一応の目安でしょうね。
現在でももうすでに、50歳を超えた人の平均余命が50年を超えてるんですから、そういう意味では100歳人生ってのはすぐそこまで来てるんですね。
で将来設計といったら、やっぱり100歳ぐらいを目処にしなきゃ将来設計できませんよね。それで日本の人口はどのくらいが適切かっていうと、明治の始め、4,000万人ですよ。それが戦争で必要で産めよ増やせよで、ここまで来たんですが、どんなに考えても、別にヨーロッパとかそういうものを真似るとかそうじゃなくて、通常に考えたら現在の日本の37万平方km、可住可の面積率というのはだいたいまあ大きく見ても40%、まあ30と言っていいぐらいなんですね。それから見ると、密集度その他災害、皆さんがよく希望しておられる自然との共存とか、そういうのをずっと入れますと、まあ多くて6,000万人、最適は4,000万人ぐらいですからね。
6,000万人でも100歳まで生きるとすると、1年に60万人ですよ。ですからまあそれ急激に落とすことは問題なんですが、80万人という今の数は非常にいい状態ですね。80万人でしばらく続けて、段階の世代の人たちがそろそろご引退なさりますのでね、そうしますとだいたい正常な人口分布になる。なのに80万人で危機的状態と言ってる理由をさらに調べますと、まあいろんな意見があるんですね。
年金が困るですとか、それは定年とかそれちょっと触ればいいわけで、もちろん今までのように55歳、60歳が定年の時代と、100歳までみんなが生きるっていう時代と、それは社会構造を変えなきゃいけないのは決まってますよ。
それは当たり前のことで、それを全く考慮しないで、まあ国民を脅かすために、一人の老人を支えるのに何人かなんて昔の議論をやってるわけですよ。
こういうこと言いますと、また変な横やりっていうのは、これまた癖があるんですね。なんか揚げ足を取るっていうのかな。
ものの本質を議論したいわけです。こういう考え方はいいだろうか。それに対する真正面からの反論というの、ほとんどないんです。コメント欄にもありませんでした。そうは言ったってこうとかね。
それはそうなんです。ただ全体として、その人が将来の姿として、どういう姿がいいかっていうご意見を寄せてくれるんじゃなくて、非常に部分的なところで、まあそうも言えるよと。
それは世の中ですから。例えば人間を論じたって人間にもいいところもあるし悪いところもあるし、社会はもちろん人間の集合体ですからね。それがこう変化していくわけですよ。だからそれはもう総合的に考えなきゃいけないんですけどね。
とにかく枝葉末節なんです。軍事費なんか面白いですよね。5兆円を7兆円にするっていうので、一所懸命議論してる。だけど、例えば中国が攻めている時に、どう守るか、それが先ですよね。どう守るかによってどのくらいお金がいるかになるわけですよ。7兆円だから守れる、5兆円だから守れないってないんですけども、そういう議論にならないんですよ。7兆円がいいかどうかなんて議論なわけ。
それより、もっとひどいのは、政治も芸術も、それから社会も、ほとんど全部人の、ほとんど全部って言うと、またコメントで「全部じゃないだろう90%だろう」って言うかもしれないですけど、そういうことじゃなくて、多くがスキャンダルとか、誰がこう言ったとか、もうそういうことに満ち満ちてるんですよ。
例えば今、国会だったら、林外務大臣がG20に出なかった。これも大きなことですよ。大きなことですが、それと並行して、やはり、どうやったら日本国を守れるのか。どうやったらこの30年間、要するに日本が世界で最低になっちゃったのかという議論が国会で行われていて、それが主力で、それから外務大臣に「一体何ですか、あのG20に出ないっていうのは失態を起こして」って言うならいいんですよ。
つまり大きなことと小さなことが分かんなくなっちゃって、逆転しちゃってですね。
芸能界のテレビなんか、私ね、テレビなんか見ると、素晴らしい作品、これだとかいうの全くないんですよ。最近のテレビで、新しい基軸で、これはとても面白かった、着想もいいし俳優も良かった、どういうとこが良かったなんていうのは全くなくて、誰が子供何人目産んだとか、誰と誰が不倫したとか、そんなことばっかなんですよ。そればっかというとまた怒られちゃうんですけどね、それが90%ぐらいなんですね。
だからといってすぐ、日本人が根本的なこと考えられなくなったと即断することはできないと思うんですね。
僕は今日快適な目覚めをしたのは、昨日お会いした人で、根本的なことを考えてる人がすごく多いんだということが分かったわけですよ。
それがだけど社会の表面に出てこないんです。何で出てこないのかって言ったら、私がへこたれるのと一緒なんですね。そんな細かいことばかり言ってもらったら、例えば私がこう今後の日本はこうするべきだって言ったとすると、どういう感じかっていうとですよ。
僕が出かける時に、「先生あの、靴が少し汚れてます」とか、「そんな汚れた靴で歩いてて、天下国家を論じられるんですか」って、まあそんな感じなんですよ。ちょっと気合がくじかれてしまうって言うんですかね。だからこれ、気合いをくじくのが、例えばとにかくどんなに俳優がどんなにいい演技しても、誰かその俳優の子供の一人がなんか学校でどうしたなんてことやられると、いやちょっと待ってくださいと。それはそれで、まあ私生活でも俳優ですから、私生活も少しは関係あるけど、やっぱり私の演技とか本業の方で、一ついろいろご批判をいただいたり、褒めていただいたりしてほしいという感じになると思うんですよね。
それはスポーツでもそうでね。野球なんかでも、プレイ自身の解説って、このごろほとんどないんですよ。これまでこの選手はこういうボールは打てなかったけども、それをどういう工夫をしてどこの筋肉を、昔はまだありましたよ。王選手がホームランをどんどん量産し始めた時に、一本足にしていく。そうすると重心がどうなる、踏み出す時どうなる。これを克服するためにどういう練習をしてるっていうような、言ってみれば野球自身の解説だったんですよ。ところが最近では、あの誰がなんかに出るとか出ないとか。そういうようなプレイとほとんど関係ない。
学者もそうなんですよ。学者もなんかこういう風な立派な発見をしたとか、演説をしたとかそうじゃなくて、なんだか。だから学者はほとんど今出てきませんよね。
政治家も、もうスキャンダルだけ。芸能人もスキャンダルだけと限らないんですよ。テレビだって。やっぱりテレビの放送内容とか、そういうのに対してきちっとお互いに議論する。まあここでもNHKのことずいぶんやってますけども、NHKから全く反応ないですもんね。つまり中心的なことは誰も議論しないんですよ。
それで、やるとすぐ末端。例えば僕がNHKの、例えば報道のことを事実をあげて質問すると、多分まあ、あいつはNHKに出さないとかね。それから武田のこれがおかしいとかいった、なんか変なところにこう議論を持っていくんじゃないかと思うんですね。
江戸の仇は長崎っていうのは愚劣な例なんですけどね。日本がなぜそれがねじれてしまったのか。やっぱりここをやらないと、ちゃんとした議論もできないし、いくらこれからの日本はどうなるのなんてやって議論して解決策を示しても、実施できないですよ。だって揚げ足だけ取るのいるから。 それじゃあやってもしょうがないなと思いましたね。それも私のコメントだけがそうなら、それはまあ、そういう意見の方もあるって事で、これいいんですけど。それをそう思って僕がもう1回見直してみたんですよ。国会議論だとか、報道とかネットの議論。ネットもね、確かに本質をついたこともありますけど、まあ枝葉末節がものすごく多いですね。枝葉末節の中に、わずかに本質が覗かれるって感じなんですよ。
それでちょっと今日は思い直しまして、今日はちょっと今から出かけるもんですから、出かけてる間は電車乗ったりなんかして、考える時間が長いんで、一体この枝葉末節になるのはなぜか。なぜ、特に人のスキャンダルとか言い方とか、そういうことになっちゃう。それも大切ですけど、僕の言ってるのは、それは大切だけど、安倍さんの時と同じですよね。確かにモリカケも大切だったでしょう。桜も大切だったかもしれません。しかしそれと日本全体をどっちの方向に向けて行かなきゃ。どんどんどんどん国力が落ちて、脅威が増えてるのに、それは全く議論しない。それはちょっといくらなんでもおかしいと。どうしてもそっちに引き摺られます。そこで引き摺られるので、それをちょっと考え直して、明日からまた心機一転、全然違うスタイルで、つまり私としては枝葉末節にならないで、本質の議論になるような方向うを探っていきたいと思います。
武田邦彦 ヒバリクラブ
これから日本はどうなるの(7)「少し考えてみた・・・」 令和5年3月9日
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