2023年03月29日
環境と節約と日本人
やはり根が深いですね。こうやって一つ一つきちっと取り上げていきますと、日本がこの30年間衰退してきたっていうのは、非常に深い。ひとつやふたつ、例えばお金の刷り方が少なかったとか、二世議員が多かったとか、そういうことだけではないですね。
コメントに、二世議員が悪いっていう証拠があるのか。世の中ってなかなか難しいんですよ。物事を考える時、きちっとしたデータのあるものと、それから全体として定性的って言うんですけど、私の非常に尊敬してた東大の工学部長がおられるんですけど、昔、私よりかだいぶ年上の方ですが、その人が、「データは大切だが、全てデータに頼ろうとすると間違いも生じる。やはりそうじゃないこともあるんだということをよく考えて、そっちは論理できちっと話をする必要がありますね」と言われたことを今でも思い出しますね。
従って、こういった本当の日本の衰退の原因っていうのをじっくりと見ようとすると、まず枝葉末節にとらわれちゃいけないということと、自分が何かの立場を持っちゃいけないってことと、論理的じゃなくちゃいけない。できればデータに基づかなきゃという、そういうことはあるでしょうね。
今日は、日本が内需拡大、内需が少ないと言われてもうずっと久しいわけですね。これは1980年ぐらい、まだ日本が高度成長の時からですね。輸出ばっかりに頼っちゃダメだと。内需を拡大しなきゃダメだと何度も何度も言われておりまして、それについてはベストセラーの書類もありますしね。
それからいろんな方が、経済の偉い方、それから社会現象の偉い方がみんな言っておられました。ついに日本は内需拡大ができなかったんですね。
それに加えて環境問題というのが出てきて、それにNHKが大きくウソをついたというこの2つの打撃がありましてね。
まあこれは仕方ないっていうか、環境と節約っていうのは、ヨーロッパ人が騙し、日本人が騙されるっていう典型的なものなんですね。
これは先ほどの大東亜戦争で日本が悪い、ヨーロッパ、アメリカがいいっていうのと同じなんですね。
ちょうど日本人の節約に対する心、それから自分を卑下するいい心、そういうのが相まって、トリックに引っかかってしまうんですね。
この環境問題っていうのは、だいたい1972年の石油ショック自身が、国際石油資本の謀略であったってことはもう、分かっておりまして、従って1988年にヨーロッパは全部戦略を変えて、石油は無限にあるから、だから今度は地球温暖化すると言ってきて。この2つは二律背反ですからね。片方しか成立しないんですけども、日本人は石油がなくなるから、もったいないから節約しなきゃいけない。また石油を焚くと温暖化になるからって、2つ引っかかっちゃってるんですね。
メディアは、日本人のそういう特徴をよく知ってますからね、欠点を。欠点じゃないんですよ。質素な生活でも人生は幸福になるっていうのもいい考えですし、それから人のことをよく信じるってのもいいことですし、それから節約をするってこともいいことで、全部いいんですけど、悪い奴がいるということを知っているメディアが、それに乗じて日本人を騙すっていうのは、僕は感心できないと思いますね。
もう一つ、これは日本人側にも問題があると思うんですね。よく考えないで、議論もしないで節約したらいいだろうっていうのがあるんですね。
これの一番ひどい例は水道の節約ですね。水道の節約っていうのは、女性に言わせれば、それは水道代とか下水道代って、あなた知ってんのって言われるんですけども、環境問題ではないんですよ。だからタバコをやめると肺がんが減るというのと同じですね。つまり因果関係と関係なく、お金かなんか。タバコだったら煙が臭いから、それはそういう風に言えばいいんですけど、ちょっとそこんとこは日本人は奥ゆかしいというか、直接的にものを言うのはちょっと恥ずかしいっていうか、そういうとこありましてね。
水道っていうのは全く節約する必要ないんです、環境としては。むしろガンガン使わなきゃいけないんですね。っていうのはどうせ日本には太陽が海水面を照らして、蒸発した水は真水なんですね。海は塩水ですけど蒸発とした水は真水ですね。それが雲になって、毎日毎日自分たち雲を見てると思うんですよね。それが山に引っかかって。日本列島っていうのは中央に山があるんで、どうしても山に引っかかって、それで雨を降らす。それで真水を得るんですね。これが日本の場合膨大でですね。8,000億トンだったですかね。農業用水が600億トンくらいですから、家庭の物っていうのはもう本当に0.01%とかそういったものなんですね。ですから水道行政がしっかりしてて、日本の山の上の方からきれいな水をほとんど浄化なしに、精密濾過ぐらいで我々に供給してくれれば、これはもう本当に豊富な天然資源なんですね。日本は直ちに極楽になりますよ。だってもう、水いくら出したっていいんですからね。ただ高低差で使うだけですから。
まあそれはあんまり無尽蔵って言うと、今度は川なんかも少し干上がっちゃうとかね、魚が困るとかありますから、それはまあ多少の制限はいるんですけども、今はほとんど90%、何も使わずに海に返しちゃってるんですよ。ですから本当に無駄使いというのは、水道を使わない方が無駄遣いなんですね。
ところがどうも私が見てると、このくらい簡単な論理も、日本人の場合は先入観とか自分の心情が先走って、そんなこと言ったって、水道をひねって出してていいんですかと僕にこう来るので、お風呂なんかだって1人入ったら別に流したらいい。あ、これはもうこれは熱がありますね。プールなんかそうかな。流していいんですよ。全然関係ない。その方が有効に使えます。
もしも、もっと水を使えば、真水を使えば、何か我々の生活が良くなるならですよ。ならないなら別ですけど、なるならですね、真水こそ天の恵みなんですよ。何の被害もなく使えるんですね。
昔、クーラーつけるより打ち水した方がいいじゃないかなって小池都知事が言ってましたけど、今やってないと思いますよ。ああいう人たちは、口で言うだけなんですよ。実際にはやらないんですよね。まあこれなんか典型的ですね。
ゴミをリサイクルなんかしたって、使えるものが取れるわけじゃないのに。人間の活動っていうのはエントロピー増大する活動ですから、だからリサイクルも人間がやっちゃダメなんですね。自然界の自然のリサイクルっていうのは成立するんですけど、人間がやるとどうしてもエントロピーが増大します。 石油を地下から持ってきて酸素と結合させて燃やして空気中に出すというのは、むしろこれエントロピーを増やしますんでね。これで大気中にCO2を増やせて、これは完全なリサイクルですからいいんですけどね。これも多分なかなか理解できない。こういうことを理解できないっていうのはやっぱり錯覚がこう頭にあるとか、NHKの間違った放送が頭についてるとかいうことでしょうね。
それからもう一つは、あのこの頃激しいのは命を無視するってことですね。命っていうのは他の生物の命ですね、植物とか動物の命、これはやっぱり環境を守るっていう上じゃ異常に大切なんですよ。
なんか日本人は絶滅する生物はかわいそうだなんてすごく運動するんですけども、日常的な方がもっと命とってるわけですよ。
例えば食べ過ぎてダイエットをする。これなんか私信じられませんね。人間の食べてるものは全部他の生物の命ですから、食べ過ぎてダイエットするっていうほど非道徳的なことありません。環境に悪いことありませんね。
いろんなそういう食べ物系では、我々は昔は、まあ江戸時代と平安時代とか、やっぱり命をいただいてるっていう、食べ物を食べるということは命をいただいてるから感謝して食べなきゃいけないんだという、そういう意識が根底にありましたから、食べ過ぎてね。
だいたい今東京の一流ホテルなんて、食材を買ったら90%捨ててるんですよ。メニューがものすごく多いので、その日のうちに売れるものは限りませんね。ですけど高級ホテルともなればメニューはうんと用意しとかなきゃいけないから、それで新鮮なものを食べさせなきゃいけないから、どんどん捨てるんですね。
で食品をリサイクルするなんてアホなこと言ってますが、こんなことは絶対できません。もうその点で僕は時々セブンイレブンかなんかを非難してるんですけどね。やっぱり大きな会社たるものは道徳的に、していけないことはしていけませんよ。僕はそう思いますね。なんでセブンイレブンを名指しで非難するのか、なんて言ってますけど、コンビニのね、食べ残しの弁当をリサイクルしますなんて、第一リサイクルできないんだからウソだし、それから、鶏肉とか豚肉とかそういうものをリサイクルしたら、狂牛病に類似の病気が出る可能性は非常に高いんですからね。
やっぱり食物の安全っていうのは守る職業的な誠意があればね、コンビニで売れ残った弁当をリサイクルするなんてことはもう口が裂けても言わないと思うんですよね。知識があるわけですから。
そういう意味で最近は命と環境っていうのを、命をもう全く無視してというか、まあしゃべってると気がつきましたけど、むしろ環境も守るって気がないのかもしれないですね、日本人は。
環境を守ると言ってるだけで、守る気はない。命が大切だって言ってるけど、命が大切と思っていない。天然の恵みでいくらでも使える水を節約するっていうのも、そうかもしれませんね。単に見かけだけのことをやろうとしてるような、貧弱な民族になった。それがやっぱり本当のところから外れますので日本の繁栄を阻害しているとも言えないこともないかもしれないです。難しいです。非常に難しいから、一応一通り整理をしてから、絡んだ糸をほぐすように、一つずつ日本が発展する道を探っていきたいと思います。
武田邦彦 ヒバリクラブ
これから日本はどうなるの(6)「環境」と「節約」 令和5年3月6日
https://youtu.be/GO_uKec1lXg
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