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2023年03月23日

人種差別撤廃を世界で初めて提案したのは日本

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この前ある非常に大きな講演会で、まあ1,200人ぐらいいたんですが、非常に若い人で、だいたい35歳ぐらいから50歳ぐらいの人多かったんですが、日本が人種差別をやめようというふうに国際的に発言した最初の国であるということを知ってる人がほとんどいなかったんですよ。
1,200人もおられて、しかも本当に社会で活躍している方でしたね。ですから私はもう非常にちょっとがっかりして、それでまあ少し言葉つきも少し荒くなったような気がいたします。

というのは今日本で人種差別はいいことですか、悪いことですかって言ったら、日本人のほとんど100人が100人、人種差別はそれ良くないって言うでしょうね。それから例えばマスコミとかそういうふうに、普段から良い行為を標榜している人はなおさら「人種差別、そんなことはいけませんよ」って言うでしょうね。

イギリスのエリザベス女王の葬式があり、日本人は何かこう、イギリスに天皇陛下が行かれて、とかいうことを名誉に感じたりしておりました。
一方、イギリスのBBCっていう放送局は、日本のNHKにあたるわけですけども、そのBBCが、アフリカがエリザベス女王の葬式をやる前に、「イギリスは我々に対して謝罪しろ」という声明を出したり、南アフリカだけじゃなくていろんな国が、呻吟してた国がそう言ってるということをBBCが流しました。それは昨日言ったわけですね。私はもちろんそれはですね、日本の放送局っていうのがいかにこの形だけが人種差別であるかと。アフリカの諸国が、「葬式やる前に謝罪が必要だ」と言ったことは、日本は僕、恥だと思ってるんですよ。っていうのは実は第1次世界大戦で日本は連合国側に付いたもんですから、枢軸国側のドイツ、オーストリア、トルコといったところと戦争したわけですね。
現実的には日本は世界の遠くに出ていかないっていうの方針ですから、そこは白人と全然違うんですよ、考え方が。それで近くの中国の遼東半島で、ドイツ軍と戦ったんですよ。
ドイツがその頃遼東半島を占領しておりましたから、ドイツ軍と戦いました。
それから今でいういろんな、皆さん島の名前知ってると思うんですけど、トンガとかそういった南の国ですね、太平洋の小さな島をドイツが全部占領してました。それを全部奪回しました。日本がですね。

日本っていう国はアジア人を攻めたってことはほとんどないんですね。攻められたことが1回、元寇でありますが、攻めたということはこの長い歴史、2,000年の歴史のうち2回しかないんですよ。そういう点では、他の国とは全く違う国なんですね、日本は。日本は他国を責めない国なんです。最も世界で平和な国であったでしょうね。外部の国と戦争しない、戦争した回数が少ないっていうことでは、多分世界一に近いと思います。日本の軍事力から言ってですよ、もちろんその非常に弱い国はもちろん攻められませんから、そんなこと起こらないんですけどね。 中国なんか、中国の悪口は言いたくないんですが、中国なんかはもう、中国の外側に何回も何回も攻めてますからね。時代とともに攻めてるってもいいぐらいですからね。侵略してますから全く違うんですね。日本の考え方が違うんですよ。

それでドイツが負けましてね、第1次世界大戦。日本が戦勝国として1919年のパリ講和条約に行きました。そこでですね、その時代はヨーロッパの白人の数カ国がアジア、アフリカ、南アメリカほぼ全域を植民地にしてたわけですね。
その当時植民地はなかった国っていうのは、その当時のシャム、これはイギリスとフランスの間の植民地に挟まってまして、緩衝地帯として一応残っておりましたが、自分の力で独立したわけじゃありません。それから中国もほとんどの土地を割譲して、そしてなんとか黄河領域で生き延びてたっていうことですね。しかも白人側に寝返りました。
日本だけが自分の国として独立してた。世界で、白人支配にならなかった唯一と言ってもいいかもしれませんね、の国だったわけです。その国がドイツとの戦争に勝ったということで、パリ講和条約に行き、当時西園寺公と牧野前の内閣の外務大臣が行きまして、あろうことに人種差別撤廃条項というのを主張したんですよ。この際人種差別をやめようと、こう言ったわけですね。

日本人は黄色人種だと。人種差別ということはもう不当であると。これ皆さん賛成しますかね、反対しますかね。日本のマスコミの人なんか、文化人なんか、左翼の人、全部賛成すると思いますよ。その人たちは、何で今度声が上げなかったのか。そういう僕がヒバリクラブの人たちに対して、ちょっと胸のつかえをちょっと訴えたいという感じがするんですよね。

その時の西園寺公と牧野元外相の大変さ。大変だったんですよ、それは。周りが全部、28カ国だったかな、周りが全部もう人種差別なんか当たり前じゃないかと。人種差別がなければ植民地全部放棄しなきゃなんないんだから、そんなことできるかと、そういう時代ですよ。 アメリカはもちろん、奴隷は少しずつ解消してましたけど、それでもその途中にありましたし、ヨーロッパのフランスはアルジェリアとかマリあたりから、どこの国もこの奴隷もしくは奴隷に近い人たちがいた時代ですね。
もちろん植民地にするってこと自体が人種差別なんですよ。でも日本もやっぱりアジアの国としてのプライドがあって、人種差別撤廃条項っていうのを出したんですが、もちろんそれはなかなか通ると思ってたわけではないんですよね。とにかくだけど出席する限りは勝ち負けは別にして、自分の国が正しいと思うこと言おうというこの勇気、誠実さ、それは立派なもんですね。

日本人は本当はそうだったんですよ。僕ね、歴史が好きで平安時代とか鎌倉時代とか江戸時代、ずっと見てますとね、本当に日本は気高き民族だったんですよ。もちろんほじくりだせば、100分の1とか100分の5とかはまずいところありますよ、人間だから。だけど平均としては本当に立派な国だったんですよ。それでそのパリ講和条約で頑張って。ウィルソンというアメリカの大統領がもともと主催者だったんですね。

国際連盟というのが戦後できました。第1次世界大戦の後にできましたね。日本も途中で脱退なんかしましたけども、それを作った会議がこの1919年から1920年に渡って行われたパリ講和条約だったわけですから、大変立派だったわけですね。

もちろん有色人種で国際連盟の設立に貢献した国は日本だけですね。で、頑張った。そしていよいよ会議の終わりの方になって、採決が行われた。日本の提案に対して採決をしますとアメリカのウイルソン大統領が言って、賛成16カ国ですよ。反対12カ国。こうなりました。いや全く意外な結果でしたね。

白人が世界中を支配してた時代、人種差別が普通に行われてた時代、その時代にやはり世界の人たちの心の中の本当の心は、損得は別にしたら、本当の心は人間っていうのは肌の色なんかで区別しちゃいけないというふうに思ってたんでしょうね。それでそうなりまして、そしたらウイルソン大統領がこれあまりにすごいから、今人種差別撤廃条項、この国際会議で認めたら植民地全部放さなきゃいけませんからね、それはできないと思って、急遽その時にまあひどい話なんですけど、それまでの議案は全部多数ですやってたのにも関わらず、この人種差別撤廃条項だけはこの条項はあまりにも重要だから、全会一致でなければ可決とは認めないとこう言ったんですね。
確かにそうかもしれません。と言うのはですね、もちろんその会議の規則を破って日本の提案だけが全会一致じゃなくちゃいけないなんていうのは、それは不当ですよ。不当は不当だけども、全世界がもう人種差別で成り立ってる時に、それはちょっとっていう感じも分からないではないけども、しかし同時に各国代表の心の中には、日本というのは気高い民族だな、侮れないなとこういうふうに思ったわけですよ。

それから約100年、日本は2019年も2020年も、パリ講和条約締結記念を祝した祝賀会をやんないじゃないですか。世界に冠たる業績ですよ。人種差別撤廃条項を提案して、多数を取ったということはもう大変なことですよ。その歴史はマスコミとか文化人とかそういう人たちは知ってないんですかね。やっぱり私はね、国っていうのは文化の継承が要りますよ。文明の継承って言いますかね。やっぱり日本人が人種差別というのはいけないことだと、常にやっぱりそう、思ってなきゃいけないということはないですけど、、日本が黄色人種ですから、そのはずなんですよ。
今でも日本人のほとんどは、人種差別がいけないと思ってますよ。特にマスコミとかそう思ってますよ。しかしその時その時に応じて、エリザベス女王の葬式だったらまあいいじゃないかと。アフリカの国が謝罪がなくして何で葬式かと言ってる最中に、その情報も日本のマスコミには入ってるにもかかわらず、そして我々のおじいちゃんおばあちゃんが頑張って世界に対して人種差別に対する、間違っていると言ってパリで頑張ったのにも関わらず、なんでこんな栄光ある、素晴らしい日本人の態度を継承しないんですかね。残念ですね。そしたら日本人は尊敬されます。

やはり人間というのは、大切なのはお金とか地位とか軍事力とか、核爆弾をどのくらい持ってるとか、そういうことじゃなくて、やっぱり日本民族は偉いと。気高いところがあると。歴史も深いと。他人に対して礼儀もちゃんとしてるというふうに思われることですね。それが我々が日本の子供とか孫に送る一番大きな財産ではないかと、こういうふうに思って、非常に残念な気分なもんですから、その1,200人の講演会の時もちょっと言葉が荒くなりました。
しかしこのヒバリクラブの皆さんとは親しいもんですから、一つ僕の気持ちも聞いてもらいたいなと思いまして、今日お話をいたしました。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本は人種差別撤廃を世界で初めて提案した国〜シリーズ「日本」第3章 現代日本13
https://youtu.be/rdNboCb8TeA


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