2023年03月17日
未来の日本のために、バブル崩壊の頃を振り返ってみる
現在の日本は、非常に衰退している。しかし解決策が今、見つからないですね。
ですからこれは本当に、真剣に考える必要があるということで、私もこのヒバリクラブが何日になるとか、そういうケチなこと考えずに、とにかく皆さんと一緒に考えて行きたいと思いまして、このシリーズを始めております。
1日目、2日目が終わりまして、まだ2日目はちょっとしかまだ見てないんですけども、皆さんの反応は非常に前向きで、しかも真剣である。しかも私と意見がかなり違う人も多いということで、よく考えて、少しずつ前進していきたいと思います。
先がないよ、先が見えないよって言われないように、一つ、少しずつ先に行ってみたいと思いますね。
今日は、実態に入ります。
1990年にバブルが、まあ1990年というとバブルの崩壊はもうちょっとずれておりますが、1990年この辺りは、世界的にはまずイランのホメイニさんが亡くなりまして。イランは非常にその時、問題が多かったんですね。それがなんか少しこう時代が変わってきたなっていう雰囲気がありましたね。
それから中国では天安門事件っていう、ものすごく大きな事件がありました。人間っていうのはやはり自由が束縛されると、ある時に爆発するんですね。戦車の前に立ちはだかる青年という写真が世界を駆け巡りました。
中国のことですから実際に天安門事件でどのくらいの人がお亡くなりになったのか、どういう影響があったのか、その後中国政府がどのようにお考えになったのかということは、ほとんど隣の国の日本にも知らされておりません。
中国から言えば、自分の国のことじゃないかと言うかもしれませんが、しかし日本は隣の国ですからね。やはり友好関係があれば、中国の方から日本に十分な情報の提供が望まれるわけですが、今のところあの国はそういうことは不可能ですね。日本の中で靖国神社に誰かが参拝するとすぐ反応しますが、自分たちのことは教えるなというようなタイプですからね。
まあとにかく天安門事件っていうのは、やっぱり共産主義というのは無理だったということを示してますね。
それに前後して、私にとっては、ルーマニアが転覆して、共産主義が転覆して、御殿みたいなところに住んでいたチャウシェスク大統領夫妻が銃殺された。これは私にとっては非常に大きな影響がありました。
私その頃、原子力の研究所の所長だったんですが、直ちにルーマニアの原子力委員会から人が来ましてね。我々は自由になったんだ。そこでまあいろいろ話をしてから、夕方ルーマニアから来た方と日本のお寿司を食べながら、いろいろお話をしました。
こんなんだったのかと。とにかく政府がやることですから、共産主義政府が。例えば研究でプリンターは来るけども、パソコンのデータをプリンターに印刷はできるようになったけど、紙が支給されない。2年間、紙なしで、プリンターだけがあったと、こんなようなことだったらしいんですね。
その他チャウチャスク大統領の悪口って言いますか、それをずっと聞かされました。
そうこうしてるうちにベルリンの壁が崩壊しまして、あっという間に東ヨーロッパの共産主義がなくなりました。
それから続いて少し遅れましたけど、ソビエト、ロシアが崩壊するという驚天動地の事件が起こりました。
だから世界中が、大きな時代の変化の波に飲まれたわけですね。矛盾の解消というのは、そういう形でくるわけです。
中国は非常に、天安門事件で押さえつけましたけども、中国よりかちょっと進んでいる東ヨーロッパがどうしても堪え切れなくて崩壊しますね。共産主義自体がおかしいということは、すでに1990年の時点で明らかになったんでしょうね。それで次々と壊れてきますが、アジアはちょっと遅れてたんでね。まあ文明が遅れてるとやっぱりこういう成果が出ますね。
トルストイの「戦争と平和」なんか読みますとね、人間っていうのはどういうものに支配されるのか。歴史の流れの中で人間とはどう考えるのかということが、トルストイの解釈はよく分かりますね。
したがって我々は、具体的には、東ヨーロッパが崩壊した。ソビエト、ロシアも崩壊した。だけども中国と北朝鮮とカンボジアは共産主義者が残ったやに見えますが、実はこれはやっぱりヨーロッパ文明が先行しているので、矛盾が大きく露呈しますね。
しかしアジアはまだそこまで行ってないので、特に今、日本以外の国は共産主義が崩壊するというところまでは社会が発展していなかったので、天安門事件もギリギリで抑えられるということになったと、歴史的にはそう考えられるでしょうね。
その後の北朝鮮の比較的レベルの低い国の運営、カンボジアのポルポト政権に至っては、国民の約6割が殺害されるというような、大災害が起こりました。
こういった主義主張に基づく、つまり「正義の道は地獄に通じる」という、本当にその言葉がこの通りになったわけであります。
現在でも中国、北朝鮮。相変わらずやや私に言わせれば、幼稚なレベルって言うとまた反撃されちゃいますけどね。他の国に風船を飛ばしたり、あまりやはり感心した上品なやり方ではない。だからって私はヨーロッパ文明を高く買ってるわけじゃないんですが、ヨーロッパ文明よりか日本の方が文明としては優れてると私は思うんですけどね。ちょっと日本人自体に欠陥があるんですね。
これは日本人の欠陥というのは、アジアの国の他の国の欠陥とはちょっと種類が違う。これは民族も違うし気候も違うし歴史も違うので、どうしてもそういう風になりますね。
日本語自体がアジアの諸国とは全く違うということもあってですね、思考方法も変わってくるわけですね。
その1990年に今度日本の方は、金融破綻という形でバブル崩壊が起こりましたね。
このバブル崩壊というのは見かけは金融の破綻ですね。株価が3万8,000円のやつがどかっと2万円ぐらいに下がりまして、その後民主党政権の時には実は7,000円まで下がるということですので、極端に言えば5分の1になってしまうというような大きな変化が起こったわけですね。
この状態をやはり見返して考えていかなきゃいけないと思うんですよ。
これからのことっていうのは、今までの歴史を考えることによって、かなりは推察できるわけですね。
キリスト教で言われるように、「神は人間に未来を考える力を与えていない」というふうに言っておられますが、そういう面もありますけど、一つはそれを補う方法としては、やはり過去を振り返って、過去の状態を見てみるということが大切。簡単にその1990年の日本というのを振り返りますとね、非常に根本的な日本社会の崩壊があったと思います。
第一に、疲れたんですね。日本人は疲れた。とにかく明治維新から頑張りに頑張って日露戦争、それから第1次世界大戦、軍艦の競争、そういうものに戦って、ついに最後に大東亜戦争。これで第一に疲れ切り、そしてそれからの高度成長で、もう1回疲れ切って、とにかく簡単に言えば朝の6時から夜の10時まで働きづめに働いたって感じなんですね。
それで1990年頃には疲れたんですよ。もう疲れたと。
私はその時にちょうど社会の中核におりましてね。飛行機に1年に300回乗るとか、夕方に電話がかかってきて、ちょっと明日パリに行ってくれないか。それから家に飛び帰って準備をして、朝の5時に出るって、そういう生活でしたからね、やっぱ疲れますよ。
それからもう一つは、やっぱり日本人特有の、もうこれで十分じゃないか。
これはその当時、「タンスがいっぱいだ」という表現で言われましたね。もうタンスにはものがいっぱいだ。だけどたかがね、家電製品がいっぱいあるとか、テレビがあるとか、お風呂がついたとか、その程度だったんですけどね。だけど日本人はもうそれで十分。「足るを知る」なんて言うんで、みんなが感激した時代ですね。
足るを知る。本当に足るを知ると言うのは立派な言葉ですよ。立派な言葉ですが、自分たちが何をしようとしてるのかっていうことと繋がってないってことですね。
それから未来が見えなかったというのがありますね。これは私自身も反省しておりますが、ちょうど1990年ぐらいに厚い、インターネット、あの頃インターネットっていうの、分かんなかったんですよ。ありませんでしたからね。その本を買いましてね。こう読みました。アメリカ人が書いた本でしたね。自分は遅れてるなぁと思いましたね。
その後5年経った1995年。今言うGAFAですね。GoogleとかAmazonとか。そういうものがアメリカで創業期を迎えたってことは、私の頭脳がいかに遅れてたかというふうに思いますね。
それから最後に、それらをより悪い方向にした反日勢力ですね。朝日新聞、NHK、その他、文化人と称する人たち、自民党の利権派。こういった人たちが、日本を引き摺りおろすということに全力を注ぎました。
これが相まって、ずるずるずるずるとこの30年間後退して行く。
従って我々は1990年における我々の気分、気持ちというのをもう1回考えないと、また同じことが繰り返されるというふうに私は思います。
今日はちょっと中途半端でしたけども、皆さんも、もしお年を召してる方でしたら、1990年に自分たちはどういう選択をしたのか。それがもちろん30年間の決定的材料との原因になりましたからね。少し思いを馳せていただければと思います。
武田邦彦 ヒバリクラブ
これから日本はどうなるの(3)「お金の出し方に問題があった?」 令和5年3月3日
https://youtu.be/bHrzBrOXeAY
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日本には外国製のものが溢れています。安くて品質もそれほど悪くない。
でも、外国製のものを買っても日本にお金が落ちないから、日本の経済は回らないんですよね。だから日本人の給料が上がらない。
ひどい話になると、ニセコみたいに、外国人に土地を買われ、経営者もお客さんも外国人で、日本にとっていいことが何もない。
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