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2023年03月16日

世界第2位だった日本が30位になった理由

世界最下位の主犯
1.世襲議員
2.政局報道
3.小物経営者
4.小さなウソ

本当にダメになっちゃったわけですね30年間。経済成長だけがもちろん国の力でも文化でもないんですが、世界最下位っていうのは、これも相当なもんでですね。
世界第2位だった日本は、みるみるうちに落ちて、今30位かな。もうどこまで落ちてるか、あんまり見たくないっていう感じなんですね。

もう平均賃金で台湾人、韓国人に負けておりまして、さらにどんどん下に行くと思いますね。そういうことで我々はお金が少なくなるというか、むしろ我々の子供たちの将来がすごく心配ですね。
心配っていうか、今でももうダメだっていう感じなんですね。
一所懸命、純情で小さな子供たちが勉強してる姿を見ますと、僕なんかもうかわいそうでしょうがないですね。
そういう風になりました。

それでそれを何とかして、我々大人としての責任ですね、考えてみようっていうのがこの3月、私が決意してることでありますが、2回目は表面的に考えて、これが原因というものですね。
人間ですから30年間に渡って、何か改善できるわけですが、改善を怠ったっていう点ですね。

経済学者の多くはお金を刷らなかったんだという風に言っておりますし、その他の専門の人も自分の専門の範囲で色々と言っておりますが、私はもう少し根が深いような気がするんですね、この問題は。それで単に、お金をどんどん刷った場合にどうなっただろうかというようなことも、一つ一つ検証していきます。

何においても非常に重要なことなので、あまり直感的に、あれがってそれに決めつけるって事は、もう1回失敗することの原因にもなります。
そこで最初は、その前提としまして、そういうような原因に気が付いたら改善できるのは、まずは政治家なんですね。ですから政治家に問題がなかったか、から入りたいと思います。

これ政治家に全責任があるってわけじゃないんですよ。
政治家はあることに気が付いたら、例えばお金の刷り方が足りないと思ったら、刷ることもできるし、いろいろ産業の転換なんかもできるんで、まあそういう点でまずは政治家が大丈夫だったのかなっていう点から見ます。

世襲議員が一番大きな問題でしたと思います。1990年代はいろんな党ができました。だから自民党に、ある意味での限界が来たっていうことは、みんなも感じていた。そこでさきがけができたり新進党ができたり、色んな党ができて、かわりばんこに政権を担いましたけども、問題はそういうところになかった。大きなところにありました。それでその大きなところの社会の変化を打破するということは、この2世議員、世襲議員ではやっぱりちょっと無理だったわけですね。

それでずるずると、小泉さんももちろん世襲議員ですし、安倍さんも麻生さんも福田さんもそうだ。そうこうしてるうちに民主党になり、これも鳩山さんも世襲議員だし、小沢さんも世襲議員だ。ずらずらと並んでおりまして。そして安倍さんが復帰したんですが、うまくいかずについに今日に至ってしまった。

岸田さんも世襲議員だということで、世襲議員がこれだけ続いて。
封建主義の時には殿様がおりまして、だいたい殿様の息子が世襲殿様としてやってたわけですが、それがやっぱり具合悪いから、民主主義選挙制度に変えたにも関わらず全然それが身にならなかったっていうところが、まあ世襲議員という点での問題点ですね。

それからもう一つは政局報道。これはマスコミの方に原因があるんですが、政策報道ではなくて、政局報道に終始した。これは、政治家側の劣化と報道側の劣化と、2つの問題がありましたね。

かつては池田勇人首相に代表されるようにですね、所得倍増計画という政策を主として訴え、みんなも池田勇人といえば所得倍増だということが分かっている、そういうようなですね、形で進んできたわけですね。
ですから彼が口を開けば所得倍増計画であり、まあ貧乏人は麦を食え、なんちゅう乱暴なことも言いましたけども、今だったらもうそれだけで火がついて2年ぐらい審議が止まっちゃうんですけれども、正しいことをがっちり言うと、もちろんそういう風に言いますとね、人間ですから多少の失言もあるんですが。もちろん貧乏人は麦を食えってのは失言ですよ。失言ですけどね、それを乗り越えて政策をやっていくだけの日本社会の力があった。
ところがまあ芸能人が多少力をつけてきた、みたいなこともありますし、テレビが視聴率をあまりにも注意しすぎたというようなこともあって、それで政局報道になりましたね。選局報道ってのは、誰がどうしたというのは、まあ言えば世話話ですよ。井戸端会議ですね。安倍さんの時は一番ひどかったですね。政策が中国政策から経済政策から山ほど政策議論が必要な時に、モリカケとか、それから桜の問題なんかをずっと3年間、5年間ぐらいやってたんですね。

こういう問題が別につまらない問題じゃありません。ただすべてのことはそれを片付けなければってのはちょっと言い過ぎで、これが判断のミスですね。やはり衆議院なり参議院に特別委員会を作ってそういった政治の腐敗の問題があれば政治の場合の問題っていうのは国民が非常に大切に思ってる政策、どういう風に政策戦略をやるかという問題をあくまでも中心にしてね、議論しなければいけなかったんですが、まあとにかく、週刊誌は政局報道、誰がどうしたでいいんですけど、ただそうじゃなくて、がっちりとした難しいやっぱり政策議論をですねやらなきゃいけないですね。

私はアメリカとかそういうとこ、あんまり好きじゃないんですが、やはり政策議論が多いのは確かです。政治はやっぱり政策。政策の前に、まず全体の構想があり、それから戦略がありまして、それから戦術があって、そこで具体的な政策が出てくるわけですから、本当は一番上から首相とか閣僚であれば、順序よくきちっと自分の信念と、行く方向を話さなければいけませんが、それは全くなかったですね。

これは主にはマスコミに責任がありましたけれども、やっぱり世襲議員による政策欠如が政局報道につながってしまった。それを一番代表したのが、安倍政権のモリカケサクラの問題であったということは言えますね。

それから経済界でも問題がありまして、経済界の問題をまた別に経済界の問題としてお話ししますが、しかし経済界が政治にかなりの影響を及ぼしてることも確かなんですね。

例えば経団連ってのがあって、昔だったら土光さんみたいな大物がいて、土光臨調っていうのでは、まあ大いに政治的な力を発揮した。自分ご自身自身は朝、奥さんと一緒にメザシと白いご飯とお味噌汁を食べて、そして出てって日本全体の問題をやる。奥さんの方もしっかりした奥さんで、家の方は私が節約しますけれども、社会は節約したらダメですよ、なんて言ったり、相当な力を持ったご夫婦だったですね。

しかしその経営者はみんな小物になりました。ちょうど私その頃産業界にいたもんですから、経営者が小物になっていく過程を、ずっと現場にいて見ましたけど、原子力にしても会社経営にしても、新しい仕事をやるときの心構えをしても、どんどんどんどん小物に移っていきました。

大学もそうでした。私の一つ前の大学教授はみんな一家言あって、少し頑固だったけども、自分の学問分野でやることを本当に良く分かっておりましてね。そういう立派な先生に、大学の中でお会いしますと、廊下でお会いしたら向こうから、武田先生、武田先生、いやこれはこうなんで、と思うんですけど、なんて熱心に話しかけていただきましたね。
官僚臭とか保身するってなことはほとんど感じられなくて、その先生の学問的な情熱を感じたものでありますが、経営上の情熱、学問的な情熱が、どんどんどんどん1980年代に崩れていったということが感じられます。

それから環境問題を主にして、ウソを非常につくようになったんですね。これはどういう感じのウソかと言いますと、この前私ANAの飛行機に乗りましたらね、これANAの制作じゃないと思います。旅客の協会の制作したビデオだと思いますが、マスクをかけてる方がウイルスの拡散が少ないというまず映像が出まして、コンピューターシミュレーションの映像が出ました。それからしばらく経つと、機内の気流の状態を示す画面が出ましたね。そうするとね、これやっぱり小さいウソなんですよ。多分そうだと思います。
今度旅客業界に聞いてみようと思ってるんですが、このシミュレーションには機内の気流が入ってないと思うんですね。そうしますと、本当に機内の気流の動きも入ったマスクの効果を計算したら効果がなかったかもしれないんですね。僕はないんじゃないかと思うんですね。ところがそのマスクをかけさせるということが目的になると、こういうのテレコって言うんですけど、数値計算は気流のないところのウイルスの飛散を映して、それからさらに機内はこういう気流がありますからという説明して、1個1個は正しいんですけど総合して編集されたものには大きなウソがあるってことなんですね。これも今はものすごく多いんですよ。こういうものが社会に蔓延してきた時期でもあります。

これもですね、社会の大きな変化が起こったわけですが、これに対してやっぱり世襲議員のような方々、それから小さい小物の経営者の方々は、それを処理できなかったってことも起こっておりまして、その点ではやはり少し厄介ですけども、これからの日本のことを考えますと、どうしても総合的にきちっと考えて、これは自分で言うのは非常におこがましいんですが、極めて精緻に複雑に正しく論理的に高度に考えていかなきゃいけないと思いますね。
だからこのところは、ヒバリクラブご覧の皆さんも少し面倒くさいと思うかもしれませんが、我々の子供のために、我々自身のさらなるレベルアップのために、ご一緒にいろいろ考えてみたい。コメントにも寄せられていただければ、私もそれを見てさらに深く考えていきたいと思っております。

武田邦彦 ヒバリクラブ
これから日本はどうなるの(2)「世界最下位の主犯」 令和5年3月2日
https://youtu.be/SFuPlKQzYrc



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