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2023年01月20日

かつて880%成長した日本が20年間マイナス成長した理由を考える。

IMG_3047_2.JPG

今日はですね、奇妙なグラフを見ていただいて、いろいろ考えを巡らしていただければと思うんですね。
このグラフの解釈は非常に難しいので、これはこうであるということは、ほとんど言えないと思いますね。
graph.png
このグラフは、1995年から2015年の間の20年間の、世界各国の成長率ランキングです。
国家というのはですね、自分がより豊かになるように努力するんですね。もちろん住んでいる国民も豊かになりたいと思って努力しますし、政府も豊かになりたいと思ってやるんですね。ですからその結果として、成長率は違っても、プラスにはなるんです。しかも1年2年はマイナスになることがあっても、20年の長きに渡って平均がマイナスになるなんてことは、普通起こりえないんですね。

で、日本の場合非常に特殊なんですね。このグラフの最初の方っていうか左端というか、そこに長い赤い線を引きましたが、1960年から1990年の間の、いわゆる高度成長期の、日本のGDPの増大は880%、8.8倍でしたね。
従ってちょっと控えめに、定義が少し違うこともあるんで少し控えめに、だいたい700%から800%ぐらいのところに赤い線を引きました。
つまり日本はこの統計の期間の前30年は、実は世界で一番成長率が高かったんですね。これはジャパンアズナンバーワンと言われたように、奇跡の経済成長だったわけですね。

もちろんこれは偶然ではなく、朝鮮戦争で弾みがついたことはありますが、やはり本田宗一郎とか松下幸之助とか、そういう人たちが活躍しですね、日本人の勤勉さ、それから努力。私もまあ後半にはですね、産業界に入ってやってましたけどね。

私も1年間に300回以上飛行機に乗りまして、外国と日本と半々というぐらいの頑張り方だったんですね。
世界に冠たるある技術を作ったんですが、まあそういうことだったから非常に伸びたわけですね。

しかしその国が1990年から、このグラフは1995年からなんですけど、すっかりダメになりまして。実に世界で唯一マイナス20%になっちゃったんですね。
で、プラス880%の国がマイナス20%となるっていうのはどうしてかってことなんですね。

私の見るところ、私が30、40歳のですね、880%の時とですよ、現在と日本人の働き方はほとんど変わりません。
もちろん進歩してますね。
あの頃はただ、がむしゃらに働きましたが、現在の勤務の仕方なり、会社の運営なり、研究の仕方なり、若い人の能力なり、明らかに上がってますね。ただ一部、だからこれは原因があるんですよね、必ず。原因は今度は少し詳しくやりますけどね。

経済の話をすると、とにかくお前は知らない、お前は知らないって罵倒してくるんで、そんなことにいちいち私は反論しませんが、きちっとした話をしないとですね、経済については素人の人が私を罵倒するもんですから、ややこしくなってですね、そこんとこ、しっかりやろうと思ってますが、経済的な問題としてはやはり均衡財政っていうかね、必要に応じてお金を刷らなかったという問題があります。
これはその現在のMMTとかそういったことを採用してる人、こういう考え方についても若干私の考えは後に述べますが、とにかく金融が問題だったと、金融政策が問題だったんだという人もいます。

それから外資にお金を出し過ぎちゃったんだと。外資導入、外資導入って言いますからね。
現在でも東京証券取引所はそういう政策をとってますから。外資導入ってことは、外国のお金持ちは、お金だけ出して何のメリットもない時は、お金を出しません。
簡単に言うと外資が入って来れば、半分入って来れば、我々が働いた分の利益の半分は外国に行くってことなんですね。ですからそれは、今まで100%日本に来てたものが、50%外国に取られれば、それはマイナスになることもありますね。
必要な金を刷らなかったとか、外国の資本を入れたから、まあ世の中にはよく竹中平蔵さんとか小泉さんとか言われますけどね、犯人探し。そんなのは僕どうでもいいんですが。

それから女性の進出ですね。
女性の進出は別に、男女なんてのはなんにも僕は区別してなくて、僕は女性の方が男性より偉いと思うんですよ。どう見ても偉いですよ。子供を産みますしね。赤ちゃん、ちゃんと育てますしね。家のことはきちっとしますしね。行き届いてますよ。それから見れば男性は汚いしね。突撃力ありますよ。突撃力があるだけで、人間として立派なんてことはありませんからね。
ただ女性はですね、機械、電気が弱いんですよ。で、機械とか電気をですね、高等学校時代に女子高校生で取る人ってほとんどいないんです。
日本が今まで儲けてたのは、発展したのは、機械と電気が他国よりか圧倒的に優れてたんですね。化学、科学工業というのはダメなんですよ。建築もダメなんですね。最近では情報工学みたいなソフトも、やっぱりダメなんですね。情報工学だとやっぱりちょっと、インドに負けますね。
それから化学、科学系ですと、ちょっとヨーロッパに負けますね。
ただ機械と電気は強いんですよ。だからほとんど今までの日本のGDPの発展っていうのは、機械と電気なんです。まあ簡単に言えば。ですから女性の職場進出によって、もしくは男性の女性化というかね、気分が女性化したわけじゃなくて、仕事が女性化しましたからね。
赤ちゃんが生まれたら休暇取らなきゃいけないとかね。そういうことがあって、これいい悪いじゃないんですよ。間違えないでくださいね。

こういうふうに言うとすぐ、お前は女性だって。いや違うんです。私は事実の整理だけしてるんですね。
日本が儲けてきた鉄鋼にしても、自動車にしてもですね、電気産業にしても電子産業にしても、いずれにしても、物理と機械と電気だったんですよ。それがやっぱりどんどんどんどん衰退しましたからね。やっぱりそれはダメになるわけですね。これ事実としてそう。そういう方針がいいかもしれません。つまり金融を、インフレにならないように、あんまりお札を刷り過ぎないというのもいいかもしれません。これ、ひとつひとつ後で解析していきますけどね。

それから外国資本を入れるというのも、いいかもしれません。それから女性を職場進出させて、男性をやや女性的な仕事にして、機械、電気で儲けた産業を潰してしまうというのもいいかもしれません。いい悪いは今ここで言っておりません。

いずれにしても、こんなことは世界で唯一ですからね。
プラス880%が次のジェネレーションというか世代にはマイナス20%になる。日本だけですよ。これ見れば分かりますわね。
ということだったので、この理由は判明しなきゃいけないと思いますね。

もうひとつ私が思うのはね、日本人の道徳感が特別なんですね。
まあこれは正月から言ってるんですけども、1月1日から言ってるんですが、日本人だけが世界でお金のために働かないっていう特殊な民族なんですよね。
他の民族は、口では道徳的なこと言うんだけども、狙いはお金なんですね。お金を稼ぐということは、嘘を言っても正義であるということですね。
だから最初に言って、例えば最近私が言ってるのは、無農薬農業はいいよって言って、これは自分がそう思ってなくてもですよ。無農薬農業のことを悪いって言ってるんじゃないんですよ。いい悪いじゃないんですよ。はっきりしていただきたいと思うんですが。無農薬農業がいい、いいって言って、実は無農薬農業なんかどうでもいいっていうのが白人なんですよ。それで、これでみんなが無農薬農業はいいなと思ってたら、生産量が減るから食料価格が上がりますよね。そこで食料に手がけると。
片や、まあ念が入っていればね、遺伝子作物を認めさせて表示しないようにして、それで遺伝子作物を作って、害虫に強くして、そして生産量を上げてボロ儲けする。これは白人の考え方ですね。
日本人は無農薬野菜が無農薬農業が本当に日本人のためにいいと思って、心から思ってやってるんです。 この純情さ加減が、こういうひどいことになったとも考えられるんですね。

例えば1990年にはリサイクル、リサイクルってみんなが言ってましたよ。
ヨーロッパはリサイクルをやってんだ。これからはリサイクルなんだって、みんなが頭がカッカしちゃったね。
ところが僕はその頃ドイツに行きまして、一番リサイクルしているような地域は、だいたいリサイクル率が8%。
その次はイギリスでした。イギリスが2.5%ぐらいでしたか。
見かけ上リサイクルをやってるというスタンスは取ってるけども、現実では全然リサイクルしてませんでした。

これは今の温暖化もそうなんですけどね。で、1990年の前半は、日本はリサイクルだとか温暖化だとかダイオキシンだとか、全部ヨーロッパに騙されてましたね。
ヨーロッパは何にもやっていません。ヨーロッパはその頃ね、ダイオキシンで日本でものすごく騒いでた頃に、ヨーロッパの学会でちょうど昼休みに、ちょっとワインが出ましてね。まあそれを飲みながら立ち話するっていうのがあったんで、私はヨーロッパの人に、会う人ごとに聞いたんですよ。日本ではダイオキシンが毒物だって大騒ぎしてるけど、ヨーロッパも結構騒いでるようですけど、どうですかって聞いたらね、それは政治的なものですよと言ったのが20人中18人でしたね。
だからヨーロッパ人というものはそもそもですね、自分がダイオキシンが危ないって、心の中からダイオキシンが危ないと思ってる人はいないわけです。

だからまあこの原因なんですけどね。
880%の日本だけがマイナス20%。ちょっと極端過ぎますよ、日本人はね、少し。この極端な理由は、まあお札を刷らなかったからという説もあるし、外資を導入し過ぎちゃったからっていうのもあるし、男性が女性の仕事をし過ぎて機械、電気が全然ダメになっちゃったとも考えられるし、それから日本人の気質がですね、あまりにも真正面過ぎるんだってことも考えられますし、それ以外にも考えられるでしょうね。

しかしこれはあまりいいことじゃありませんよ。まあね、880%も良くないんですね。
あまりに日本が頑張りすぎて、他国の産業を壊したということもあるんですね。
ですから、できれば順調にですね、まあ30年で所得が倍になると。3倍になるとかいうぐらいに抑えて、順調に発展していくと。
あまり日本人だけがカッカしてですね、急激な変化をしないっていうのは、世界の情勢としては大切なことだと私は思います。
その点では私も含めて皆さんで考えてですね、もうちょっと世界の仲間入りをするということが必要なんじゃないかと思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(13)「頭を回そうB:後先を考える」令和5年1月13日
https://youtu.be/GtgELrDQWJc

データ出典
京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室
https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/archives/1912
※ライン等を加筆



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