2016年04月10日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part60 止まらぬ勢い
神奈川 19
秋田 10
第2Qも神奈川の先制で始まった。
河田「深津。俺に回せ。一本返させろ。」
河田はいつもそうだった。決められるとやり返し、嫌なムードを払拭するのが自分の役目であることを理解していた。
しかし、なかなか神奈川のディフェンスもタイトにあたっていったため、深津もラストパスを出し損ねていた。
中山「こっちです。深津さん。」
積極的に中山が動いた。しかし、流川はマークを外さなかった。が、それがあだとなり花形と流川が衝突した。
流川「・・・!?」
その瞬間、深津から野辺へパスが通った。一瞬赤木がフォローに入ろうとしたタイミングで野辺から河田へワンバウンドパスが通った。
河田「ナイス!」
フリーとなった河田がすさまじい勢いでダンクを決めた。
神奈川 19
秋田 12
観客「おおっーー。秋田は河田一人気をはいているなぁ。」
弥生「確かに、河田君でチームが支えられているわね。河田君、野辺君がリバウンドをしっかりものにしているから印象程点差が離れていないわ。」
中村「しっかり河田君は決めてきますね。」
弥生「(しかし、花形君が入りインサイドも神奈川は強化してきている。意外と神奈川も選手層が厚いわ。)」
三井から藤真へボールが回った。
三井「神奈川のガードは牧だけじゃないところを見せてやらないとな。」
宮城「ピクッ!!」
藤真「さぁ、いくぞ。」
藤真はドリブルで秋田陣営までもっていった。が、そこで急にストップしたのだ。
深津「なにっ!?」
ゾーンで組んでいる秋田ディフェンス陣をあざ笑うかのように、3Pラインからきれいな放物線を描いたシュートが放たれた。
ここまで藤真は牧の代わりに試合に出てはいたが、チームプレイに徹しており、一本もスリーポイントを見せていなかった。
(パスッ!!)
神奈川 22
秋田 12
藤真「さぁ、どんどん突き放すぞ。神奈川の底力を見せてやる。」
クールな藤真が全国の大舞台で燃えていた。
深津「スリーもあるのか。」
松本「なかなかしんどい相手だな。面白くなってきた。」
松本は深津が落ち込んでいないかと気軽に声をかけたのもあるが本音でもあった。
いつしか山王のメンバーは、勝って当たり前で湘北に負けるまでバスケを楽しむ余裕などなかったのだ。
それが湘北に負けて互角に戦えるチームがあることをしったため、練習も楽しめるようになったのだ。当然苦しい練習だが。
深津も燃えていた。
深津は、松本を経由して再度ボールをもらった。
宮城「深津はスリーもあるぞ!!」
藤真は、ケアしていたつもりだったが、深津のスリーは想像以上に早いタイミングで放たれた。
(バッシィィィィ)
しかし、そのボールはすぐさまはじかれた。
三井「藤真よ。あっさりとシュートを打たすんじゃねぇ。」
三井が深津のシュートを完全に読んでいた。
深津「(コイツ・・・)」
三井がはじいたボールが流川の元へ転がった。
観客「は、速いぞ。」
流川は単独で切れ込み、シュートを放とうとしたところへ松本がケアしてきた。
しかし、流川はお構いなしで松本をワンフェイクで交わし切ってダンクを決めた。
神奈川 24
秋田 12
観客「お、おい。このまま神奈川がぶっちぎりそうな勢いだぞ。」
観客「すげぇな。あの三井っていうやつ。あのタイミングのシュートを横からはじきやがった。」
観客「あの流川ってのは夏に沢北といい勝負してたやつだ。さすがに強いぞ。」
観客がざわつき始めてきた。それほど神奈川の勢いが出てきた感じがあった。
(続く)
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