新卒採用について

会社法上で中小企業に分類されない程度の規模の会社で人事として採用活動なんかもやっています。

ですので、就職活動の話を少し。

ニュースでは、新卒内定率が低いとかって言ってる。

実際には以下のありさまである。

2010年12月1日時点での内定率は68.8％
（厚生労働省・文部科学省「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」より）

この数値はここ数年（96年以降）で最低値である。

では、企業はそこまで求人を絞っているのか？

大卒求人倍率を見ると意外と最低ではなかったりするのだ。

2011年3月卒対象では1.28倍なのである。（これも十分低いのだが）

96年卒の1.08倍や、00年卒の0.99倍と比較すれば多いほうである。

また、5000人以上の大企業では前年の0.38倍から0.47倍とわずかながら増えている。

（リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」）

大企業は結構人数を取ってるんじゃないの？って思うところだろう。

ところがぎっちょん、大企業でも採用計画に満たない企業が多いのである。

（株）ディスコ　シニアコンサルタント　恩田氏の言葉を借りると以下の通り。

就職人気企業ランキングで常に上位を占める味の素やソニー、ＪＴＢグループさらには日本ユニシス、エイチ・アイ・エス、ＪＰホールディングスグループ、佐川急便などの有名企業も充足率70％台から80％台で未達企業に名を連ねている。いずれも業界大手や有名企業である。
（https://hclab.jp/opinion/analyse/post-25.phpより引用）

その記事の中で書かれているが、「学生の基礎学力の低さ」と「競争心の薄さ」が採用につながらない原因とのこと。

ＳＰＩの結果があまり良くないとか、志望動機がないとかというが、逆に企業にそれだけの魅力がないからではないだろうか。

今の日本で、夢とか希望を持てといわれても、失われた20年を生きてきた学生達には酷なことではないのだろうか。

そして、やれ語学力の高い学生を求むとか言われても、すぐにそんな力がつくわけじゃないから、大学時代に普通に生活してきた人はかなり厳しいハードルなんじゃないのかなって思う。

逆に採用担当者に聞きたい。

「働くことの素晴らしさ」とは何か。

そんなことを思いながら、採用活動を行う今日この頃であった。

夢も希望もありゃしない事を書いてしまったが、

そんな学生の為にたまには就活のコツなんかも書ければいいかな。