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FXトレーダーの息抜き【3】


KGSという囲碁専門のサイトで囲碁プログラムと対戦しました。
はっきり言ってコンピュータ君は弱いです。
そこで野球で言うと1回表に1点取ってそのまま1−0で逃げ切るみたいな遊びをしてみました。私が黒で0.5目勝ち。

コンピュータ囲碁は開発の歴史が長く、高額賞金の世界選手権も開催されていますが、まだまだ人間のアマチュアにも敵いません。

因みに現時点での各界コンピュータの強さです。偶然に左右されないゲームをやらせるのが条件です。

【オセロコンピュータ】評価★★★★★ 人間の世界王者に勝利。場合の数が少ないので人間のリベンジは不可能。

【チェスコンピュータ】評価★★★★  最近まで世界王者と勝ったり負けたりの互角であったが、現時点ではコンピュータが抜いたと言う評価。

【将棋コンピュータ】評価★★★    チェスコンピュータを追うように強くなった。世界王者(=日本王者)にはまだ分が悪いと言われるが、平均的プロ棋士には互角と言う説もある。

【囲碁コンピュータ】評価★★   数年前まで評価の土俵にも上がれなかったが、近年、世界のプログラマを仰天させるような画期的なアルゴリズムが開発された。ランダム試行と確率を用いたこのアルゴリズムで急速に実力を上げるも、まだまだ人間の敵ではない。

人工知能が得意な思考方法は「しらみつぶし」。つまり全ての変化をゲーム終了まで読んでしまうことです。詰将棋などはこれが威力を発揮してプロ棋士が何時間も悩むような問題も市販PCソフトクラスが一瞬で解いてしまいます。
ただしゲームの中盤では場合の数が多くなりすぎて、ゲーム終了までしらみつぶしをやるのが不可能です。そこで「評価関数」の開発が必要となります。

評価関数とは、ある程度先の手まで読んでみて、その局面がどのくらい有利なのかを数値化させるためのものです。最後まで全ての場合を読むのは不可能なので途中で止めて取り合えず評価する。それから一番高い数値になった局面に導く次の一手を決定するというものです。

囲碁というゲーム性はこの評価関数を作るのが最も難しいとされています。プレーヤーは石の配置を見て「前に似た形を見たことがあるな。次の手は大体あの辺りに打てばそこそこ上手く行くような気がする。」などかなり人間的、抽象的な思考をします。これで何億手も読むコンピュータに勝ってしまうのです。

このようにあいまいで断片的な情報をたくさん集めて脳内で一瞬のうちに補完・統合してひとつの確定情報にしてしまう能力は人間ならではといえます。そう、目の大きさも、おでこの広さも、鼻の形もはっきり覚えてないのに、何年かぶりに顔を見た瞬間に誰と分かるその能力です。

さて、囲碁の局面図を評価して次の一手を捻り出す行為は、FXのチャートを見て次の行動を考えるのと同じです。チャートの動きや出来上がった図を月足、日足、時間足、15分足と、多少あいまいでも良いので頭に放り込んでおくことが大事です。
テクニカルトレードといえども、まだまだ人間はコンピュータには負けません。

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