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2020年10月26日

シンク

考える、ではなくて流し台の方です。食べ物に関係するところなのですが、水を扱うので湿気が多く、また野菜の切りくずや食料の破片が溜まり、また鍋や食器を洗うと食べ残しが溜まります。

清潔好きやこまめな人は、食事を作りながら、あるいは食器を洗いながら、シンクを綺麗にしていきます。毎回あるいは毎日シンクを洗い残飯処理をします。

ずぼらはシンクに鍋や皿を溜めていきます。しばらくすると嫌な臭いがします。コバエが発生します。パイプから異臭がします。
そうなると益々シンクに近づきたくなくなります。負(腐)のスパイラルです。

これは「割れた窓理論」の心理に近いのかもしれません。
「割れた窓理論」とは、犯罪学者のジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で「−−割れたまま修理されていない窓のそばを通りかかった人は、誰も気にしていないし、誰も責任をとっていないと思うだろう。まもなくほかの窓も割れる。すると無法状態の雰囲気がたちまちそのビルから向かいの通りへと伝わり、ここでは何でも許されるという信号を発しはじめる。都市においては、たとえば落書きや風紀の乱れ、あつかましい物乞いなど、比較的些細な問題のすべてが"割れた窓"と等しく、より深刻な犯罪の呼び水になる。」というものです。

この理論を実際に活用して1990年代のニューヨークの地下鉄ひいてはニューヨーク市の犯罪を劇的に減らしました。地下鉄では、1990年代の初めと終わりでは、重罪事件の発生は75%も減りました。

一体何をしたのか?

犯罪の多発する地下鉄の落書きを徹底的に清掃したのです。路線ごと、車両ごとに計画を立てて清掃していきました。折り返し駅では、清掃基地を設け、もし一台でも車両に落書きがあれば、その場で消すか、その車両を外しました。徹底的に清掃したのでした。
その結果が犯罪率の75%激減です。

犯罪予備軍は激減しなかったかもしれませんが、犯罪を誘発しやすい環境をやりにくい環境に変えてしまったわけです。

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