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2019年02月17日

2月17日は何に陽(ひ)が当たったか?

 1600年2月17日は、イタリア出身のドミニコ会修道士で哲学者、ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)の没年月日です。

 イタリアでは偉大な哲学者が宗教裁判所(異端審問所)に告発されていました(1592)。この哲学者がジョルダーノ・ブルーノです。ブルーノはヴェネツィアで、汎神論(はんしんろん)を唱えていました。汎神論は物体も精神も神のもっている性質のあらわれであり、神と万物は同一であるという考え方でしたので、神は超越的存在であるとして信奉するキリスト教会から異端視されていたのです。また地動説(地球の自転と公転を認める説。カトリック教会では定説とされていた地球中心に宇宙が動いている天動説を正しいとし、地動説を否定していました)を唱えたポーランドの天文学者コペルニクス(1473-1543)や、コペルニクス以前に地球の自転を承認したとされるドイツ学者ニコラウス・クザーヌス(1401-64)を信奉していたブルーノは、『無限な宇宙と諸世界について』などを著し、無限の宇宙の中には、絶えず生成と死滅を繰り返す無限の世界(太陽系のこと)があると主張し、地球だけが宇宙の中で唯一生命がある星であるという当時のキリスト教会の世界観とは全く対照的でした。ブルーノの世界観は汎神論と地動説を源流としていることで、反カトリックの危険人物として警戒されていました。

 ブルーノは異端者として逮捕後ローマに護送され、7年間、尋問と拷問を受けていました。そして判決が下り、ブルーノの焚刑(火刑)が決まりました。焚刑を目前にして、ブルーノは「判決を受ける私よりも、判決を言い渡したあなたたち(審問官)の方が真理の前に怖れおののいているではないか」と発し、苦痛の声ひとつあげず火中に消えていったとされています。

引用文献『世界史の目 第106話』より

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