● 2月29日は「4年に1度」…?
ご存知の様に本年はオリンピックイヤーであり、「閏年」(うるうどし・じゅんねん)であります。 そして本日(これを書いている)は2/29日、 そこで今回は、折角なのでその辺りに関わるお話をひとつ…。
■ そもそも閏年とはなんなのか…?
「閏」とは元来「余分」と言う様な意味だそうで、 これを「うるう」と読み下すのは、「潤」(こちらはつまり水(氵)気が余ってるって言う事ですね)との(意図的な?)混同から来ているのだとか何とか…。 それは兎も角、 何故こんなものが必要なのかと言えば、 先ず現在一般に採用されている「グレゴリオ暦」は太陽暦でありますが、 1太陽日を1日とした場合の1太陽年(平たく言えば地球が太陽の周りを1週する周期)は、 約365.2422日となって居ります。 即ち我々の採用している暦では、0.2422日/1年の誤差が生じるワケです。 これは単純に4倍すれば、0.9688≒1となります。
然し、ご覧の通り、カッキリ1となるワケではありませんので、 当然ながら、その分の誤差はこのままではどんどん積み重なって行って仕舞います。 実は、結論から言えば、現在広く採用されている「グレゴリオ暦」では、 一般に考えられて居る様に「四年に一度、2月が29日ある閏年が来る」のではなく、 「400年の中に97回の閏年を置く(置閏)」のです。
■ グレゴリオ暦の置閏法
この「400年に97回」と言うのは如何なることか?と言いますと、 この暦の基となった「ユリウス暦」(その名の通り、 ユーリウス・カエサルにより制定されたものです)では1太陽年を365.25日として居たそうで、 これだと誤差はカッキリ4年で-1日となりますね。即ち400年に100回の閏年が置かれる事になります。 この定義の太陽年と、現実の太陽年との誤差は、0.25 - 0.2422 = 0.0078、 400倍すると3.12≒3となる訳です。
では実際どの様に置閏するのか? と、言う事ですが、 例えば2000〜2399年の400年間を例に考えてみましょう。※
この400年間の中に…
- 4で割り切れる年は閏年とする(2000、2004…2396) = 100
- 但し、その中100で割り切れる年は平年とする(2000、2100…2300) = 4
- 然し、400で割り切れる年は閏年とする(2000) = 1
即ち、100 - 4 + 1 = 97 となります。 それにしても、上手い事考えるもんですねぇ…。
で、閏年に2月が1日増えるのは、勿論元々2月が他の「小の月」以上に短いから、なのでしょうが、 ではそもそも何故2月は28日しかないのか?と言うハナシになりますが… まあ、それは暦法とは直接関係ない話でありますので、また別の機会に。
※上記「グレゴリオ暦の置閏法」ですが、 具体例について、結果として帳尻は合っていたものの、 正確ではない記述をして居りましたので訂正致しました。