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2014年05月22日

コンサルタントの社内就活事情

普通の企業では、定期的に人事異動があり、本人の現在の職種・希望とは全く関係のない部署へ異動・出向することもある。
コンサルタントの人事異動は、プロジェクト毎なのでまず定期的ではない。職位絶対主義のため、プロジェクトがその職位を募集していなければ潔く諦める他ない。
そして、これが非常に他の企業と異なるポイントだと思うが、基本的には本人の希望はかなり優先度の高い要素と認識される。優秀な人材を複数プロジェクトで取り合った場合は、ほぼ、決定権はオファーを受けた個人側にある。欲しければ、プロジェクト側がその人材を口説き落せとばかりに人事は静観を決め込む。


いつまでも学生時代の就活を思い出させる一幕だ。

コンサルタントの個人から見ると、仕事を選ぶ自由がある程度与えられている代わり、自分のキャリア形成も自己責任という少々厳しい世界だ。キャリア形成の悩みは別の機会にまた考えるとして、今日は、コンサルタントの社内就活時の悩みを書き綴ってみる。

@プロジェクト情報がアンダーグラウンド
 完了プロジェクトの情報はデータベースから入手できるが、これから始まるかもしれないプロジェクトの情報はほぼ口伝え。それも個人的な関係で広がっていく情報である。
 OJTが徒弟制度のようなものなので、長く一緒に仕事をやっている上司−部下の関係で先に話をつけてしまうことも珍しくない。やけにオープンに、特にコンサルティング・ファーム内の組織の壁を越えてまで人を募集しているプロジェクトがあったら、それは新規顧客かつなりたてマネージャーのプロジェクト(=かなり厳しいプロジェクト)か、人が居着かないプロジェクト(=マネージャーが原因とは限らないが、チーム・メンバーの相性に問題があった)かと逆に警戒対象になってしまうぐらい、いい情報は個人的な伝手でしか回ってこない。

A個人情報は噂頼み
 OJTが徒弟制度のようなものなので、社内ではコンサルタント個人の評判がかなり気にされる。
 単純に優秀か否かというだけでなく、マネジメントのスタイルや性格も考慮してチームを組まないと、相性によっては仕事に支障が出てしまうためだ。
 しかし、人事評価で優秀か否かは判定されるものの、明確にこの人はこのマネジメント・スタイルをとる、という情報は明文化されていない。このため、酒の席の会話やちょっとした雑談で、マネジメント・スタイルの評価が流布されてしまうというのが現実である。この噂があまりにひどいと、プロジェクトの参加を打診した際に断られてしまうことさえ起こる。
 部下を持つ立場になったコンサルタントの中には、自分の評判を神経質なまでに気にする人もいるが、それはこういう事情のためだ。


Bタイミングはほとんど運
戦略コンサルタントが携わるプロジェクトは、数ヶ月程度の物が多い。コンサルタントは一つのプロジェクトの立ち上げから完了まですべてに参加するため、年に数回程度しか新しいプロジェクトを始めるチャンスはない。
このため、個人的な伝手で人材募集の情報を手に入れても、現在関わっているプロジェクトの関係で参加を断念するというのはよくあることである。


コンサルタント各個人がそれぞれ自主的に動いてバランスを取っているので、実際に大きな問題が起こっているということはない。が、マネジメントが得意なはずのコンサルティング・ファームなのだから、中の人材マネジメント事情ももう少し改善できる気がする。
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