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2014年12月28日

ふたたび丹波の紅葉へ(5)「こんで近畿ともお別れや」

b.親方、コレで近畿ともお別れいう最後のブログ投稿やっちゅうのに、今いてる場所も分からへんて、しゃんとして下さいよう、ええかげん、

a.ほんまや、前回、ショルティー・シカゴの第九でくっちゃべったら知らんまにえらい遠くまで来てんなあ、

b.ここどこすか、

a.覚えとるか、昨年10月19日の投稿でおとずれた日吉神社や、京都市右京区京北(けいほく)西町の、

b.日吉神社って、他にもあったような、

a.12月16日のそれはまた別の場所や、

b.ややこしいなあ、

a.まあともかく今いてる場所は、丹波の奥のほう、ていうか、一般車両もあまり通らへんずいぶん入り組んだ山あいの小さな神社、

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「とりどりの 落ち葉ふまれず 神の森」、

b.たしかに、色とりどりの落ち葉がまったくそのまんまや、

a.京都中心部じゃありへん光景や、

b.よく見るとずいぶん前の落ち葉もそのまんま積もってる、

a.少子高齢化で掃除する村人も居てへんのか・・・

b.しかし、見事ですねここの色づきも、

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a.ヒトが見てようが見ていまいが、毎年こうやってけなげに色づいてるんやなあ、

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「人知れず 年々赤き モミジやな」、

b.そういえば前回の旅は持越(モチコシ)峠に登ったんすね、こっからヒイヒイ言いもって、

a.ヒイヒイだけ余計や、今回はすんなり通常ルートで南に下るで、

b.ということは、もう帰路(きろ)に就(つ)くってことか、

a.うむ、最短ルートで紅葉峠を下って、JR嵯峨野線の某(ぼう=とある)駅を目指すぜよ、

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b.いわゆる北山杉をバックに何の木かなあ、見事に色づいてる、形も丸っこくていいなあ、右すみの小ぶりな木の色づきも良いアクセントになってる、

a.ああ、しかし、これでブログ上でも近畿圏を去るわけやなあ、なんか寂しいなあ、丹波・近江・斑鳩・そして京都の街路のすみずみまで、自分のカラダの大事な一部分やしなあ、

b.自分の体の一部か、ちょっと大げさなんちゃいます?

a.自転車で同じ道を何度も走って、おまけにお気に入りの風景で立ち止まって何枚も写してるから、愛着がハンパない、お金にゆとりさえあれば、ひと月ごとに近畿と岡山を住み分けたいくらいや、

b.年老いたおっ母さんのお世話はどうするんすか、

a.いかん、忘れとった、いちばん身近な肉親を、

b.ひでえな、

a.そんで、スムーズに坂を下って出てきた国道477号線、ここは桂川にそってすこし谷も広がった場所、でも橋渡ったらすぐまた山ん中や、

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b.国道とは思えないほどくねくね細い道が渓流ぞいをゆるく登ってく、クルマもそんな多くないしエエ感じやなあ、

a.右手の千歳山のふもとにそって味のある集落が固まってるし、ここいらで国道と分かれ細道に入ろ、

b.これかあ、ちょっと高台にあるんすね、村全体、見晴らしがええわけや、

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a.京都府南丹市八木町神吉(カミヨシ)地区や、何度ここ通り過ぎてカメラ構えたことやろ、ああ今にも飛んで行きたいくらいや、

b.今ごろは雪降ってるんかなあ、

a.積もるほどは降らんはずやけど、今年はとりわけ寒波きついしなあ、

b.ここから紅葉峠はすぐそこ、

a.何年も前に峠の手前でちらっと見かけた猫ちゃんは、捨て猫やったんかなあ、今ごろ元気にしてるかなあ、それともお星様(=天に召されてる)かなあ、

b.紅葉峠も名峠ですね、丹波ゆび折りの、

a.このながめを何度写したことやろう、今にも飛んで行きたいくらいや、

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b.大丈夫すか、3分前おなし(=同じ)こと言うてましたよ、

a.ええやないけ、こんで関西ともお別れなんやし、

b.ブレーキレバーにぎる以外まったく筋肉休めて、うねうね下って、ああラクや、

a.ここも、ひとひねり入れて、池にそった細道を下っていこう、

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b.作りかけの遊歩道みたいなんが・・・

a.この木に会いたかった、この周辺の自治会長みたいな樹木や、

b.お、一陣の風に揺られて自治会長から落ち葉がたくさん舞い落ちて来やしたぜ、親方、

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a.落ち葉の乾いたエエ音や、ああなんか祝福されてるようで心がありがたいなあ、

「主(ぬし)の木の わかれの落ち葉 ふりそそぐ」、

b.ところで、帰りはどの駅から、

a.最寄(もよ)りは八木駅やけど、吉富(よしとみ)にしよう、

b.ホンマに吉富駅が好きなんすね、

a.なんか落ち着くんや、タクシーやバス居てないし、中二階みたいやし、郵便局とか入ってるし、

b.最後の一枚はえらい逆光ですけど、

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a.川むこうの山すそあたりに見えてるやろ、

b.男前豆腐本社工場すか、

a.そりゃさっき通り過ぎたやん、ありゃ雪印メグミルク京都工場や、

b.駅はあの工場の右奥、国道9号線ぞいか、

a.ほなICOCA(イコカ)で行こか、

b.そのまえに向かいのローソンでおいしいコーシイ(コーヒー)飲みたいなあ、

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2014年12月24日

ふたたび丹波の紅葉へ(4)「ショルティの青くて硬き第九かな」

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b.旅の途中ですが、12月は第九の季節、親方イチ押しのCDを一枚あげるとすれば、

a.意外なんやけど、ショルティーがシカゴ交響楽団と1972年に入れたやつ、

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b.デジタル録音でも入れ直してますね、

a.うむ、しかし楽団がうまくなった分、かえってつまらなくなってる、それよりこっちのアナログ録音のほうが、硬くて青くていい、

b.青くて硬いのに、なんで良いんすか、

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a.たしか、オーボエとクラリネットの首席奏者が犬猿の仲で、それが元で楽団が全くまとまらなくなってたシカゴ交響楽団、そこへ常任指揮者としてヨーロッパから招かれたゲオルグ・ショルティー、

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b.最悪の状況やったんか、当時のシカゴは、

a.そこで、就任に当たってこんなんじゃとても音楽にならない、二人が完全に和解できなきゃこの楽団を引き受けないとまで言い出して、最終的に二人は和解して、ショルティーの方も今まで仕事してたヨーロッパの音に負けない楽団づくりを始めた、そんな矢先の第九なんで、とっても気持ちがこもってる、楽団員が新たな気持ちで世界的なオーケストラに上り詰めていこうとする本気が伝わってくる、ガチガチに緊張してるさまがかえって好感を呼ぶんや、

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b.リズムは前のめりやし、ティンパニーも他の音に溶け込ますだけの余裕もなく、妙に目立ってる、それでも良いんすか、

a.うむ、全体から漂ってくる新鮮なやる気がとってもええんや、フルトヴェングラーみたいな深みはないかも知れないけど、これはこれで青春ドラマみたいなひたむきさがあって、

b.そういえば、弦楽器を高価なのに入れ替えて、それまで仕事してたウィーンフィルの音に近づけたとか、

a.そう、それが独特の新鮮な響きになってて、つまり柔らかくてウィーンフィルっぽいんやけど、それとはまったく別の美しさがあって、

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b.どんな美しさですか、

a.ウィーンフィルの音を歴史ある古い町並みとしたら、シカゴの方はニュータウンが持ってる上品で新鮮なさわやかさっていうか、これはこれでとても良い音なんや、熟成と対極にあるような、

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b.出だしがまたユニークですね、

a.弦の刻みが1音1音克明に聞こえてくる、CD化されて少し濁ったけど、レコードで初めて聞いたときはぶっ飛んだなあ、

b.録音技術のせいかなあ、

a.それもあるけど、それ以上に、音符をすべてバカ正直なほど鳴らし切ろうとする直球勝負な感じ、これが曲全体にみなぎっていてココロを打つんや、

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b.で、楽章ごとにはどうなんすか、

a.第一楽章がいちばん良いんちゃうかなあ、っていうか、もはやベートーベンのシンフォニーは第九の第1楽章以外興味が持てなくなっちまった、

b.たしかに、ここ赤磐市では毎朝7時に防災無線から歓喜の歌が流れるし、歳末大売り出しも第九の終楽章やたら使うし・・・

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坂崎;ひどいもんや、クラシック音楽の頂点をなんや思うとんねん、赤磐市と企業を相手取って7億円の損害賠償請求や、ふざけたらあきまへん、あかん、あかん、ふざけたらあきまへん、

カイジ;オッチャン、いきなりケンカ腰でどうする、仲間だろ、オレたちは、

遠藤;なかま?

カイジ;そうさ、沼攻略の厚い壁はこの三人で突破する!!

意味不明の読者は18分20秒から参照のこと!!


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2014年12月16日

ふたたび丹波の紅葉へ(3)「原神社から細野川へ」

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a.原神社があんまり心地よいし、もうしばらく眺めていよう、

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b.けっこうみんな素通りなんすね、クルマもバイクも自転車も、

a.どっかのブログで読んだことあるけど、立ち止まってカメラを構えることが、怠けてるみたいに感じる人も居てるそうや、自転車乗りのなかには、

b.たしかに、こんなきつい山ん中とか、一心不乱にこぎ続けてる人の方が多いような、

a.それに、グループで走ると、いちいち自分の都合で止まれへんしなあ、

b.しかし、何度かこの神社で休んでるけど、今回がイチバンすね、

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a.うむ、青いモミジもええけど、

「そりゃそうや やっぱりモミジ 赤がエエ(=良い)」、

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b.そんじゃ名残惜しいけど、そろそろ行きますか、

a.少し進むと越畑(こしはた)っていうこのあたりでいちばん人の多く住む集落、

b.ここからの棚田のながめも格別ですね、今回は写真ないけど、

a.「開墾(かいこん)の 谷を見おろす 道すがら」、

b.その集落もじき途絶え、下り坂を降りてくと、こちら古民家とイチョウのセットメニューになりますが、

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a.明治天皇を診察するほどの名医が住んでたそうや、

b.名医ならふつう町中やないすか、ここやったら里から遠くて急病人とか診(み)れないっすよ、

a.もしかして、忙しいの嫌(いや)やったんかなあ、ここなら救急で夜中にたたき起こされる心配もないし、

b.今は誰が住んでるんすか、

a.裏千家かなんかに出入りしてる謎のカナダ人が住んでるとか、住んでないとか・・・くわしくはウェブで、

b.めぐり田池、ずいぶん干上がってますね、水で見えなかった地形が優美な曲線をあらわに、

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a.バウムクーヘンみたいやな、ユーハイムの、

b.なんでユーハイムなんすか、

a.さあ、枕詞(まくらことば)ちゃうか、

「ユーハイム バウムのまくら コトバかな」、

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b.神吉(カミヨシ)小学校のとなり、村の小さな神社ですけどスゴイやないすか、この色づき、

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a.こんだけ素晴らしい紅葉、なんでみんな無視して素通りするんや、怒るでホンマに、

b.背景の民家の連なりまで絵画的ですね、

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「神吉(かみよし)は On Parade(オン・パレード=総出演)や 暖色の」、

a.で、今回も国道471を使うことなく、右に分かれてゆるやかに下る府道363で細野川をなぞろう、

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b.この辺一帯は釘(くぎ)の森、いや杉の森、

a.銀玉をはじく気まぐれな門番を通過すると、いよいよこの台の目玉、3段クルーンや、

b.ひと玉(たま)4千円の一発台、大当たりが出れば、今なら6億から7億か、

a.悪魔のモンスターマシン「沼」、「人食い沼だよ、こいつは」、

b.坂崎さん、目ぇ覚まして下さいよう、ここは帝愛の裏カジノちゃいますよ、

a.いかん、YouTubeいや白昼夢や、

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2014年12月04日

ふたたび丹波の紅葉へ(2)「ゆずの里から原神社へ」

b.あんな深い谷の底で、誰かたき火を、

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a.畑かなあ、日ぃ当たんのか、

b.こっちはしっかり日を浴びてまるまる太った商売モンのユズ、

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a.さて、スギの森をひたすら登って10数分、次の休憩ポイントや、

b.また休憩すか、

a.ここだけなぜか木立が途切れて見晴らせるんや、なもんで、いつも立ち止まって下の池見ながらカロリーメイトかじったりする、休憩ってほどでもないけど、

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b.霧がハンパないっす、

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a.亀岡盆地が丸ごと霧んなかや、

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b.あの霧がおいしい野菜を作るんすね、

a.うむ、「ふかい霧、うまい野菜は、丹波やで」、

b.さて次の休憩ポイントはこの神社、

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a.棚田、ここは鎧田(ヨロイダ)って呼んでるけど、神社の石段からぼんやりながめるんが好きや、

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b.さっきから休み過ぎちゃいますか、

a.紅葉がきれいやし、こんでええんや、トレーニングちゃうし(=じゃないし)、

b.すっきりした日差しをあびて、壮麗ですね、

a.壮麗とは、

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b.鮮やかさに加えてスケールが大きい、

a.神社に生えてるせいか、神々(こうごう)しいなあ、

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b.神々しい?

a.親しみよりも恐れに近いような素晴らしさ、

b.しかし、みごとに枝垂(しだ)れてますね、ふつうやったら、道にかぶさるほど伸びてたらバッサリ切られるけど、

a.神社に生えてるせいか、美観を重んじるせいか、ともかくこうやって目が楽しいんがありがたい、

b.ところで、いま何時すか、

a.10時すぎ、出発してまだ2時間や、

b.こんだけ休み休みやと、さすがに楽ですね、あれほど登って来たのに、

a.うむ、だから冬場は逆に体温があまり上がらんし、汗も冷えるし、ラクなはずの下りが苦行のようや、

b.ウインドブレーカー着ててもですか、

a.あまり関係ない、ありとあらゆる隙間から冷気が入りこんで、汗ばんだ皮膚の上をはいまわるサマを想像したまえ、

b.そんな寒いのに、なんでわざわざ、

a.なんでやろ、景色の移り変わりが劇的で、ドラマの主役になりきれるんやないかなあ、時間の密度が濃いいというか、劇空間というか、

b.観るというより演じる側すか、

a.そう、自分の足で進む分、演じる側やろなあ、、


2014年12月01日

ふたたび丹波の紅葉へ(1)「嵯峨野から保津峡へ」

b.近畿シリーズ最後の旅をお願いします、

a.いろいろあって迷うけど、紅葉の季節でもあるし、前々回とかぶるけど、丹波の紅葉を見納めにもう一度、

b.コースもカメラも自転車も、

a.10〜11月に6回連続させた、丹波の里のモミジ狩りとほぼ同じや、

b.よほど好きなんすか、このきっつい登りが、

a.いや、たぶんいちばん気に入ってるのは、おとなり滋賀県のびわ湖まわりの広がりとか街道筋の旅情なんかやけど、この修行のようなきつい山道も独特の魅力があってなあ、

b.きつい坂を登りきる達成感とか、

a.それもあるし、だんだん高度を上げるにつれてココロがきれいになるというか、むだなノイズが消えていって静かな気持ちになれる、

b.じゃあ、まいりましょうか、

a.2010年11月21日午前8時、嵐山の自宅を出発、渡月橋からの紅葉はなぜかカメラに収めることなく亀山公園へ、

b.亀山公園って自転車で登れたっけ、

a.最初に少し石段があって、ここはかついで登るけど、あとは大河内山(おおこうち)荘までなめらかな上り坂や、

b.ここもしっかり色づいてるなあ、

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a.ここも手入れがしっかりされてるんで、四季それぞれの色が楽しめる、

b.で、いつもどおり念仏寺へむかう石だたみの地味きつい坂道へ、

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a.午前8時半やとさすがに人気(ヒトケ)もない、

b.六丁峠の入り口へやってきました、

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a.これ嵯峨菊ちゃうか(=じゃないのか)、

b.花弁がほっそりして、いかにも京都って感じですね、

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「冬ちかく ほっそりならぶ 茶屋の菊」、

a.昨年もほぼ同じアングルで写した鳥居のモミジ、

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b.この日は晴天かと思ったら、けっこう霧深いんすね、

a.保津峡の霧に出会うのはホントまれなんで、こりゃ秋のボーナスやな、

b.ふだんでもけわしい渓谷がなおさら深くみえる、

a.保津峡駅の自販機でホットコーヒー飲みたなった、

b.駅へ回り込むことで、いま走った崖(がけ)の道が、

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a.あの白いガードレールか、スゲエとこ走ってたんやなあ、

b.好きでないと来れない場所ですね、

a.たしかに、好き嫌いハッキリ分かれるやろなあ、

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b.さて、一服したし水尾の里へ登っていきましょうか、

a.霧はますます深く、夢の中みたいや、

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b.蟲師(ムシシ)の実写版みたいっす、

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a.水尾の里はゆずの里、そういえば、こわいほど深い谷を往復するんがおっくうで、いつも道しるべを見るだけの清和天皇陵も近くにあったなあ、

b.行ってみますか、

a.今回もパスや、ご縁のある方に訪ねてもらおう、

b.水尾では珍しい水平な駐車場に到着、霧もだんだん晴れてまいりました、

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a.ていうより、オレらが霧より高いとこに登って来たんやろ、

b.さらに集落を抜けて高度をかせぎ、水尾の里のいちばん端っこにやって来ました、ふりかえると今のぼってきた谷が一望できます、

a.あの霧のなかを登ってきたんか、絵になるなあ、

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b.ここがもしかして、いちばんお気に入りの休憩ポイントなんすか、

a.うむ、何度ここでゆっくりしたやろう・・・見晴らしも良いし、ゆずの里とスギの森の境目にあって、ちょうど気分もひと区切りついて、なんか落ち着くなあ、

b.ヒトによれば、登り切るまで、休まず一気にっていう、

a.体育会系の若者なら、それもいいかしれんな、楽しみ方はヒトそれぞれや、


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