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2014年10月19日

丹波の里のモミジ狩り(5)「奥へ中へ」

b.桂川にそって左へぐるりと蛇行すると、ようやく見えてきやした、ひさびさの町ですぜ、親方、

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a.桂川のむこう岸は京都から日本海へ抜ける主要幹線、国道162号線、別名「周山(しゅうざん)街道」、

b.ここの地名も「周山」やそうです、正確には「京都府京都市右京区京北(けいほく)周山(しゅうざん)」、

a.しばらく進むと、川の三叉路(さんさろ)が・・・桂川はどっちや、

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b.右手へ進むと桂川のさらに上流、左手は支流の弓削(ゆげ)川です、

a.では、なんとなく弓削川にそって進もう、

b.ひなびてますね、同じ右京区なのに、

a.市街地から、いくつも山越えてるしなあ、

b.なんか、さりげなくもドラマチックな坂ですね、ロケに使えそうな、

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a.映画やったらどんな場面になるかなあ、

b.アスファルトやし時代劇は無理ですけど、

a.白いヘルメットを目深(まぶか)にかぶった中学一年の男子生徒がひとり、坂の向こうから立ちこぎしながら自転車で近づいてくる、

b.手前からは?

a.工藤栄一監督の名作テレビドラマ、「祭ばやしが聞こえる」へのオマージュ(敬意)として、乳母車を押すお婆ちゃんを起用しよう、もちろんここで生まれ育った地元の方で、


祭ばやしが聞える ED 投稿者 kkkk12120928

b.ところで、このまま北へ進むと、助け舟の電車もなく、帰りはけっこうしんどくなりますが、

a.そりゃいかん、そろそろ左へ曲がって、それとなくJRエリアへ近づいていこう、

b.わりと小ぶりな峠道に入りました、

a.標高差70mほどの小峠、しかし、そもそも峠の手前で標高260mもあったんか、俺らいつのまに登ってたんや、

b.気づかぬ内にじわじわ登ってたんすね、

a.これが自分で勝手にそう呼ぶ「丹波マジック」か、

b.なんすかそれ、

a.山の民が作った道は、とても上手に作られてるから、つらさを感じないで登ってるんや、

b.峠を越えると、同じ山村でも少し広々してきます、

a.しばらく進むと、左の山ん中へ入ってく細道が見えてくるはず、そこを登っていこう、

b.やっと下り始めたのに、早くも次の峠道か、

a.これは丹波でも10指に入る、拙者(せっしゃ=私)お気に入りの峠でござるよ、

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b.なに峠って言うんすか、

a.とくに名はないけど、場所が日吉(ひよし)町佐々江(ささえ)なんで、佐々江峠にしようか、

b.ズバリ佐々江峠の魅力をひとことで、

a.これから登る北側ルートがとくに素晴らしいんやけど、ウネウネした細道に、古道の風情(ふぜい)が漂(ただよ)って、静かな気持ちになれる、

b.なるほど、こんな古い道しるべも、そのまんま残ってるし、道幅も当時のまんまやな、きっと、

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a.峠を下ると、広い道になるけど、すぐまた右手の細道へ、

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b.そのココロは?

a.細道の方が雰囲気あるし、

b.おお、神社にまとまった紅葉が、ここは自転車降りて鳥居を中を歩くべきでは、

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a.うむ、だあれも居てないな、完全に貸し切り状態や、

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b.静かすぎて、落ち葉を踏みしめる音まで大きく聞こえる、

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a.丹波は杉のエリアが多いけど、神様の森だけは色づく樹木やな、

「神様の 森は色づく 丹波かな」、

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「神様の 目も楽しげな モミジかな」、

b.しかし、なんで色づくか知りませんけど、肌寒いこの季節、この明るい色は元気もらえますねえ、

a.うむ、その神より授(さず)かりし元気をもちいて、次なる峠を登るぜよ、っていうか、もう登ってるぜよ、

b.やれやれ、桂川までなだらかな下りが続いてんのに、なんでまた苦行(くぎょう=苦しい修行)みたいなきつい坂を、

a.桂川ぞいの下の道はもう知ってるし、前から地図見てて気になってたんや、この持越(モチコシ)峠、

b.「なんでまた きつい持越(モチコシ)峠やねん」、



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