まず第3位の発表から、
ジュニアさんとケンコバさんのしゃべくりが人気の長寿トーク番組「にけつッ」で、アンガールズ田中さんとロッチ中岡さんが登場した神回、
ティーパーティー(紅茶の会)での出来事がきっかけで、ずっと親友だったふたりの仲がグチャグチャになったのを心配したケンコバさんが、2人をトーク番組に呼んで仲直りさせようと、
怒りが収まらない興奮状態の田中さんが登場して、場の空気が一気に盛り上がって、そのあとロッチ中岡さんの登場となって、さらに危険なほど場が荒れてきて、
とくに田中さんの怒りかたは、地上波で放送できたのが不思議なほど、
ただそこは、4人とも逆境を笑いに変えきたベテランの芸人さんたち・・・最後は見事に場を収めて、スッキリした気分で見終わることができて、とても楽しかった、
では、第2位の発表を、
第2位は、YouTube『さまぁ〜ずチャンネル』から、ダイアンさんが登場した複数回のなかでも、とりわけ印象的だったこの2本を、
これを選んだ理由は、
東西を代表するような、息の合ったお笑いコンビが4人もそろえば、おもろくならないわけが無い、という実例のような・・・と同時に東西のお笑いの質感のちがいもそれとなく垣間(かいま)見えて、
それぞれの動画について軽くコメントを、おねがいします、
1本目は、ツッコミ担当の津田さんが、終始ツッコまれ続けるという異色の企画で、ツッコミにツッコミで返していく津田さんの魅力が純粋に味わえる回になってる、
「ツッコミに適した関西弁」それを証明するような津田さんのシンプルかつストレートなツッコミが、つぎつぎと炸裂する気持ち良さ!
2本目は、無名時代にダイアンさんのラジオから元気をもらっていたというヒコロヒーさんを交(まじ)えた回ですが、
ヒコロヒーさんの的確な分析と解説によって、関東エリアでは、まだあまり知られてないダイアン像がクッキリ浮かび上がってくる素晴らしい動画やけど、さまぁ〜ずさんが、ときおり入れてくる気のきいたコメントも、スパイスが効(き)いていて、いちいち盛り上がるし、第3位とは真逆(まぎゃく)な、ずっと安心して見ていられる家庭的な雰囲気がとてもよかった、
5人全員がたがいを認め合っている暖かさがあふれていて、こういうお笑いもまたええもんやなあ・・・
ちなみに、津田さんがいちばん美味しくなるいじり方を熟知した関西芸人にかかると、一気にお笑い無敵状態へ…
では、栄光の第1位、2021年お笑い大賞に輝いた芸人さんは、
極楽とんぼ、山本圭壱さんと とろサーモンの久保田さん・・・かれらが、打ち合わせ無しのぶっつけ本番で作り上げた、テレビでは絶対見ることが出来ない、笑いの暴力性や狂気性まで感じさせてくれた奇跡のYouTube動画を2本・・・これを今年のお笑い大賞にしたいと思います、
テレビなみに規制が厳しくなったYouTubeですけど、これも放送ギリギリのレベルですね、
互いをディスり(ののしり)あう、ラップバトル修行で、毒舌にさらに磨きがかかったとろサーモン久保田さんが、イラッとするコトバをわざと投げかけて、先輩芸人・山本さんの怒りをじょじょに増幅させていって、1本目の動画も中盤あたりから、見てるこっちまでハラハラしてくるような険悪な空気になってきて、
しかも、東京吉本の本社ビル中庭ということもあって、その緊張感はハンパ無いすね、
山本さんも山本さんで、有無を言わさず他人を自分のペースに巻き込んでいく強引さがあって、反感を買いやすいし、とろサーモンの2人も、先輩芸人の山本さんにたいして、まったく遠慮せんと嫌悪感むき出しなんで、衝突は目に見えてるわけで、
しかし、なんか楽しんで見ていられるのは、なんですかね、
3人とも、心の中では「カメラの前ではお笑い」という暗黙の鉄則があるんやろな・・・3人3人とも真剣にムカツキながらも、頭のかたすみでは、カメラの向こう側で見ているお客さんたちに楽しんでもらいたいと・・・そういう怒りと笑いがまぜこぜになったハラハラドキドキ感がスゴく良かった、
クワバタオハラのくわばたさんとからむ回も、彼女の関西ツッコミ芸人としての魅力がフルに引き出されていて、めちゃオモロイ!
で、2本目は、とろサーモン久保田さんのチャンネルに変わるんですが、こちらは、むしろ山本さんオンステージ(独壇場・ワンマンショー)というか、
『山に置き去り企画』というのは、もともと、とろサーモンの村田さんが、相方の久保田さんに二度も仕掛けていて、そちらも素晴らしい出来なんやけど、同時に、狂気や暴力といった笑いの負の側面もあって、好き好きもハッキリ分かれると思うけど、ここまでプラスマイナスひっくるめた笑いの深みに足をツッコんだ企画は無いということで、大賞を差し上げたいと思う、
しかも今回はさらにスケールアップして、あろうことか、大先輩芸人の、極楽とんぼ山本さんに仕掛けるという、危険きわまりない企画、
しかも、笑いの狂気と暴力を感じさすようなこの企画にたいして、山本さんが真っ向(まっこう)勝負で立ち向かってきたんで、今まで見たことないような迫力あるお笑い動画がうまれた、
山本さんも真剣に怒りながら、頭の片すみでは、笑かしてなんぼというプロ意識も火花を散らしてるようで、
「ちくしょう」のさらに上を行く「バッチクショウ」を連呼(れんこ)して、最後は自分のビーサン(ビーチサンダル)で、とろサーモンとそのスタッフに殴りかかるけど、ひとつの番組としてまとめてやろうというコントロールがしっかり効(き)いていて、即興的なお笑いドキュメントとしては、これ以上無いほどの高みに達してると思う、
まさかの先輩芸人に思い切って仕掛けた、とろサーモンもとろサーモンでスゴいですけど、これを真正面から受け止めた山本さんは、もっとスゴイすね、
狂気と暴力を感じさすお笑い企画・・・そこで出される屈辱的なひとつひとつお題を見事にクリアしながら、文字通りカラダをはって、ひとつのお笑い作品にまとめ上げようとする、山本圭壱氏のお笑い芸人としてのスゴさ、もっと言えば人間としての器(うつわ)のデカさが伝わって来て、ホンマにすばらしかった、
野球で鍛えた山本氏の体力も何気にスゴい!