しかし、田舎にすっこもってから、まったく輪行しなくなりましたけど、
最初はあちこち試してみたけど、ある日、気づいたんや、「京都とちがって、どこもだいたい同じ景色やなあ」と、
どういうことすか、
日本でも、京都の町は、とりわけ異様なほど古くから滅びることなく、さまざまな要素が積み重なって来てるんで、その内側も外側も、ちょっとの移動で風景が劇変する・・・それにくらべて、地方都市は、どこもだいたい同じような風景がずっと広がるばかりで、よほど遠くまで行かんと変化は感じられんし、それなら近所をつぶさに見て回るほうがええかもしれんなあと・・・もちろん、それぞれの田舎に、それぞれ特有の美しさがあって、それは京都も地方も関係ないんやけど…
京都の町っていうのは、やはりなんかスゴいんすね、その周辺地域もふくめて、
「京の町 離れてわかる スゴさかな」・・・というわけで、京都近辺に住まわれてる場合は、ぜひとも、その近隣エリア、びわ湖や丹波なんかにもどんどん出向いてほしい・・・自転車程度のわずかな移動で、映画のロケ地めぐりをするようなドラマッチックな体験が待ってるんで、
じゃあ、田舎でカメラふり回してもオモロないんとちゃいます、
一見そう思えるんやけど、じっさい田舎で同じ景色を何度も写していくあいだに、日々の平凡な風景を、より新鮮に感じるためのカメラなんやって分かってきた、
どういうことすか、
たとえば、ある日、自分が欲しかったカメラが手に入ったとする・・・その次の日の生活から、それを持ってるだけで、平凡な日々の風景は変わり始めるんや、
写さないでも持ってるだけで変わるんすか、
そう、通勤バッグにカメラが新たに加わって、ほんのちょっとだけ重く感じる、それだけで、見慣れた風景が少しだけ新鮮に見えてくる・・・ここをこう写すとどう写るだろう・・・急いでるし恥ずかしいし、カメラは取り出したくない・・・この時点で、心はじゅうぶん撮影モードに入ってるし、暮らしは、より良く変わり始めてるんや、
なるほどねえ、なんか映画の出だしに使えそうな話ですけど、
いや、じっさいそう思うことがあって、同じ景色をいろんな角度から何枚も写してると、けっきょくこの作業って映画のロケハンみたいやなあと、
ロケハンってなんすか、
ロケーション・ハンティング、つまり、映画製作の下準備として、映画で使えそうなシーンを探すために、カメラであちこち写していく作業、
その結果、自分なりの映画が出来てくと、
完成まで行かないかもしれないし、観客は自分ひとりかもしれない・・・でも、見慣れた街が、そんなふうに見えてきたら、素晴らしいと思わへんか、
ズームレンズのフルサイズ換算35oで、タテ位置撮影をRAWで6枚、雲がクッキリ浮かび上がるよう PENTAX一眼レフに付属するソフトで赤外線風モノクロで仕上げたのち、月額料金不要な Zoner Photo Studio 18 PRO でパノラマ化。もし同じ作業を、フィルム時代にやったら、確実に寿命が10年以上すり減るはず!
ところで、カメラつながりで話は変わりますけど、予約の始まったRICHO GRVx(ジイアールスリーエックス)どうしますの、
ここんとこずっと一眼レフばかりなんで、ひさびさの高級コンデジ RX-100も、ファインダーはのぞけないし、ボディもボタンもダイアル類もすべて小さすぎるし、センサーゴミも、一眼レフみたいには簡単に取れへんし・・・だもんで、しばらくは一眼レフだけで・・・それにそろそろ節約もしたいから、ほぼ同じ画角のオールドレンズなんかがええんやないかと、
なるほど、それなら10数万円の話が、一気に1万円前後の話になりますしね・・・で、どんなレンズにしますの、
PENTAXのマウントは半世紀も共通なんで、アダプターをかまさんでも、新旧さまざまなレンズが、そのまま装着できてうれしい・・・できればRICHOのリケノン28oがええねんけど、
APS-Cの一眼レフにつけると、1.5倍で42o、GRVxの40oとほぼ同じ画角になりますね、しかし、フィルム時代は、RICOHさんからも、PENTAXと同じマウントのレンズが出てたんすね、
今や知るヒトも少なくなったけど、レンズだけでなく、ボディも自社製があったんやで、
じゃあ、リコーとペンタックスの合併というのは、それなりの歴史があってのことなんすね、
それで、ちょっと話は変わるんやけど、前回、SONY RX-100と、PENTAXのリミテッドレンズ70oを撮(と)り比べたけど、露出もまちまちだったんで、もう一回、露出を合わせて比較したら、ずいぶんと印象が変わって、
RX-100の望遠端100o(オートホワイトバランスを使用)
HD PENTAX-DA 70mm(フルサイズ換算105o)F2.4 Limited(ボディは KPで記憶色を強調するPENTAX独自のCTEというホワイトバランスを使用)
前回のハッキリした曇り空とくらべて、青空もチラッと見えるうす曇(ぐも)りという、オートホワイトバランスには、きびしい条件も影響してるとは思いますけど、これだけ色味が変わるんすね、
あとハッキリわかったけど、じぶんのRX-100は、故障と思えるほどRAWが黄色かぶりしてるんで、それも確実に影響してるはず、
それでもここまで写るというのは、やはり恐るべしRX-100ですし、PENTAXのほうも、さすが小型高性能の望遠リミテッドレンズ、といったところですか、
PENTAXは、リミテッドレンズもそうやけど、ボディのほうも一眼レフとしては意外なほど小型なんで、手の大きい男性なら、こっちの選択肢も大いにあると思うんやけどなあ、
リミテッドシリーズ唯一の2倍ズームレンズは別として、あとはすべて、フード込(こ)みで軽量コンパクトにまとめてますしね、
しかも、SMCからHDへと、より逆光に強いコーティングに変わってるし、その日の気分に合った画角の単焦点レンズを選ぶ楽しみもあるし、
ピッチャーでも、その日その日で、調子の良い球種が変わるように、カメラレンズも、その日その日の調子に合わせて、いちばん自分にピッタリ来る画角で外出できたら、より楽しいすね、
PENTAXの一眼レフとレンズで撮影後、最新バージョンよりも軽快な VEGAS Pro 15 で編集。演奏は、Amazon MUSIC Unlimited で、あれこれ聞きくらべた結果、チェリストとしても有名なイタリア人、アントニオ・ヤニグロが指揮するザグレブ室内合奏団を選択。1960年ごろの録音なので、少し聞きづらいし、無骨(ぶこつ)なほど角張(かくば)った演奏ですが、チェリストらしく、低音部の動きがしっかりと聞こえて、ここでしか味わえない独特な魅力をはなっています。