b.オーケストラ・コンサート直前の音合わせ、騒然と期待高まるノイズかな、
a.これから感動的な音楽が鳴り響く、そのまえの心地よい混沌と緊張・・・もう何年行ってないんだ、コンサート、
b.しかし、お父さんは生前、しょっちゅうコンサート行ってましたねえ、
a.クルマの免許持ってなかったから、路線バスでわざわざ都会へ出向いて、
b.そのなかでも、ピカイチ・コンサートは、
a.今でも、ちょっと羨ましいのは、倉敷の大原美術館で開かれた、マイスキーって世界的に有名なチェリストのコンサート、マイスキーと差し向かいで聴いたぞって自慢してた、
b.ってことは、名画の飾られた美術館のなかでコンサート開くんすか、
a.人数も入れないし元取れないと思うんだけど、採算度外視でやってんだろうか、一体いくらしたんだ、チケット代、
b.もしかしたら、インターネット検索で出てくるやも・・・ありやしたぜ親方、1992年10月4日、伴奏のピアニストと一緒に来てます、大原ギャラリー・コンサートの10周年記念企画って事のようで、大物を呼んだんすね、きっと、
a.しかし、毎回そうとうな豪華メンバーでやってるなあ、岡山の地方都市でこんな贅沢な宴(ウタゲ)を開いていたとは・・・オイチャン知らんかったわ、ビックリ・クリクリ・クリックリッ、君もやりたまえ、これを最低二回繰り返すと心身共リフレッシュするし、
b.断ってもどうせやらされるし、思い切ってやるっす、「ビックリ・クリクリ・クリックリッ、ビックリ・クリクリ・クリックリッ」これでいいんすか、
a.嫌々やってもダメだ、いずれ君にもこのフレーズを心から叫びたくなる瞬間がきっと訪れる、そのときまで大事にとっておきたまえ、くれぐれもホントに驚いた瞬間だけだ、つかうのは、
b.で、今でもやってるんすか、この大原美術館のギャラリーコンサート、
a.さっそく調べてみよう、今でもやってるわ、思ったほどでもないなあ、全席自由で4千円、学割だとなんと30席限定で、驚きの1000円ポッキリ!
b.いいんすか、北さん、これじゃ赤字じゃないすか、
a.いやあ、みなさんに喜んでいただけたらって、ハア〜、オマケにこの絵画もお付けしようかって、
b.北さんそれ、大原美術館の名画っすよ、いいんすか、そんなの出してきて、
a.いや〜、複製なんすけど、これだったらどうにか、で、今回、「エル・グレコの受胎告知」、ギリギリなんすけど、コレ、特別にお付けして、29万8千円、
b.エ〜、チケット代入れても30万しないの、大丈夫?、北社長、
a.いや、もう〜、ほんと、ギリギリってことで、
b.で、話しの腰折って悪いんすけど、大原美術館のギャラリーコンサート、次回は4月20日(土)の夕方6時半開演、え〜「チェロ・ピアノ・メゾソプラノ3名によるブラームスのゆうべ、ココロに染み入る数々の小品をとりそろえ、みなさまのお越しをお待ち申しあげております」、
a.よく言えたなあ、大原美術館の職員たるもの、言葉づかいもキッチリせんといかん、
b.「まことに御来館ありがとうございます、みなさまのまたのお越しを、一同心よりお待ち申し上げております」、
a.でも、なんか堅苦しいし、そのへんでエエわ、
b.で、なんすか、
a.なにやってたんや、
b.お父さんが路線バスに乗って都会に出向いて、
a.そうか、まあそういうことや、今回は、
b.そういうことって、どういうことっすか、
a.きょうはコレで終わりや、なんか文句あんのか、
b.ビックリ・クリクリ・クリックリ、ビックリ・クリクリ・クリックリ、
a.おお、やっと出たか、ココロの叫び、
マイスキーではないけれど、父親といえばこの一枚を思い出す。しょっちゅうとなりの部屋からもれ聞こえて、けっきょく自分も覚えてしまった、シューベルト作曲「アルペジオーネ・ソナタ」。お母さんみたいな優しいピアノに導かれながら悩める青春って感じのチェロが歌いだす、小品だけど繰り返し演奏されてる永遠の名曲っす。
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ シューマン:民謡風の5つの小品 ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 [ ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ ] 価格:1,600円 |
これと同じ音源、
第一楽章だけならYOUTUBEでも聴けます、
http://www.youtube.com/watch?v=GN6XCbu7Sj8
日本人コンビなら、やはりYOUTUBEで全曲公開されてます、すごい時代だなあ、
http://www.youtube.com/watch?v=8sdFfx3VNCk
マイスキー盤は聴いてないので批評できないんすけど、悪かろうはずもないので、一応、
【送料無料】 CD/ミッシャ・マイスキー/シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ シューマン:幻想小曲集/民謡風の5つの小品/UCCD-2134 価格:1,600円 |
ほんまもんの「受胎告知」は大原美術館でどうぞ!
http://www.ohara.or.jp/201001/jp/C/C3a03.html