b.舗装されてるけど、じわじわ足にくる三国越(ミクニゴエ)林道、しかし童仙房(ドウセンボウ)をすぎてやっとこさ下りばかりに、
a.ありがたい、オマケに和束町(ワヅカチョウ)の茶畑も見えてきた、ヒトがたくさん住んでる証拠や、
b.この林道走ってると、なぜだか人恋しくなりますね、
a.ひとりは平気なほうやけど、この林道は孤独になるなあ、歴史が新しいせいかなあ、
b.そう言えば、童仙房(ドウセンボウ)は武士が明治維新になって開拓した村とか、
a.神社やお寺が見当たらないせいか、世の中から置き去り(オキザリ)にされてるような気分、
b.だからときおり遠くが見晴らせるとよけいホッとしますね、
a.もう茶畑も見えたしこっちのもんやで、下りっぱなしや、
b.そうかなあ、下りきってからも、まだそうとうあると思うけど、
a.見えてきたぞ、マンションが二棟(ニトウ)、左手に、
b.ああ、久々の町やなあ、あすこへ降りてくんすか、
a.あのあたりにJR関西本線の加茂駅がある、
b.だったら、あの駅から京都へ帰れるんじゃ、
a.そうなんやけど、JR奈良線に乗りついでから果てしなく長いでなあ、
b.でも、都路(ミヤコジ)快速っていうのもあるけど、
a.それはいつも混んでて、まず座れない、
b.じゃあやっぱり近鉄特急か、わざわざ奈良中心部まで走って、
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a.特急なら京都まで至福の35分やさけえなあ、静かで、すいてて、なめらかで、
「奈良京都、至福の35分かな」、
b.と、そろそろ本格的に茶畑エリアに突入ですぜ、親方、
a.しかし、芸術的やなあ、いつ見ても茶畑は、
「茶畑は芸術的な畑やなあ」、
b.そのまんまやないすか、
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a.ミルフィーユみたいな茶畑にまぶされた粉砂糖みたいな落ち葉、
b.抹茶ケーキみたいや、
a.ハラへったなあ、
b.たしか、和束町(ワヅカチョウ)の中心部にローソンがありました、
a.「からあげくん」食べたいなあ、辛いの、コーヒーやカレーパンも、
b.果肉いっぱいのイチゴヨーグルトドリンクも飲みたいなあ、
a.ここへ来て、ようやくハッキリした人生の目標を見いだした気がする、
b.空走(クウソウ=ペダルこがずに走行)してカラダも冷えきってますが、この坂下ればあったかい店内にピリ辛のからあげくんが待ってんのか・・・
(そして20分後)
a.さあ、食べたら元気になった、
b.今回も最短距離の県道5号線は使わずか・・・
a.苦労かけるのう、どうしてもあのクルマだらけの幹線道路を走る気がおこらんのや、クネクネとアップダウン繰り返すけど、クルマが嫌がる茶畑ロードをつきあってほしい、
b.まあ、食べて元気になったし、道からのながめも良いし、かまいませんよ、
a.そう言ってもらうとありがてえ、
b.しかし、これで茶畑ともお別れかと思うと名残惜しいっす、
a.こんなユニークな景色、なかなか無いしなあ、
b.じゃあ道なりに恭仁京(クニキョウ)の大極殿跡地でひと休みしましょう、
a.うむ、疲れもたまってるから、休み休みだましだまし行こう、
b.やはり歴史ある空間のなかにいると安心しますね、
a.国分寺も置かれてたんやなあ、パワースポットの証(アカシ)やなあ、
「それぞれのこれという地に国分寺」、
b.ちなみにここは山城の国に置かれたそれか、
a.知らんかったけど、奈良の東大寺って、国分寺のボスなんやなあ、
b.へえ、そうなんか、そんで大仏さんもあんなデカイんすね、
「国分寺、ボスは大和(ヤマト)の巨大仏」、
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