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2014年02月14日

京都府向日市(ムコウシ)自転車散歩(10)「出発点の一文橋へゴール」



b.天満宮とするにはあまりにもキュートで小じんまりしたお宮さん、さてここから南へ向かうわけですが、

a.道なりに良い感じの細道が北真経寺へ向かって伸びている、

b.しかし、北真経寺はもう訪れてますが、

a.そうやなあ、じゃあこうしよう、ここからクキクキと路地を曲がって、

b.どこ行くんすか、そこはヒトんち(=他人様のお家)じゃ、

a.いや、一見そう見えるだけで、じつは道がつながってるんや、

b.ホンマですね、少し広めの車道に出た、地図で見ると番田通ってあるけど、どう読むんかなあ、

a.たぶん「バンダどおり」やないかなあ、

b.そこ渡るとまた細い道、ここも住宅密集地ですけど、どこともちがう雰囲気ですねえ、

a.このあたりは農家らしきお屋敷もあるから、そこで使われなくなった田畑に家が建ってるんかなあ、

b.10メートルそこら先にJR東海道線があるってとても思えない静けさ、

a.ここはJRの列車が整備されたりするんでそれ用の線路が恐ろしくたくさんあって、せやし(=だから)道路はほとんど地下をくぐるんや、

b.番田通りもですか、

a.うん、他にも大小たくさんの道がJRをくぐって向日町を出入りしてる、

「JRくぐるとそこは向日町」、

b.ちょっとくぐってみたいなあ、

a.くぐり道にもそれぞれ個性があって、クルマだらけでちょっと怖いのや、途中で空が見えるやつとか、クルマもバイクも入れないのや、ホント色々あって面白い、

b.じゃあお気に入りのくぐり道はどれすか、

a.そうやなあ、北から順に207号線の陸橋のすぐ南にあるくぐり抜け、ここはとても狭くて、ヒトとチャリしか通れない、次は市民ふれあい広場からセブンイレブンや西松屋を右に見てくぐる道、ここはクルマも行けるけど、ほとんどは地元のヒトが自転車で行き交う程度、ここも好きやなあ、北真経寺(キタシンキョウジ)にも近いし、

b.そのふたつですか、

a.あともう一個、ここはクルマもそこそこ通るけど、JR西日本の総合運転所のヨコからくぐっていく道、路面は悪いけど、いちばん広くてスッキリ走れる、あと、車道より背丈(セタケ)ほど高いとこに付いてる歩道もなんか印象的、JRの本拠地そばの道なんで、くぐり抜けの中でも、いちばんチカラ入ってるんやないかなあ、

b.なるほど、くぐり抜けと言ってもこんだけ、持ち味があるんすねえ、

a.あとはクルマが主導権とってるんで、ちょっとウルサかったり危なかったり、排ガスがにおったり・・・
まあそんなとこや、

b.ところで、今いる場所は、阪急西向日駅前に近いんじゃ、

a.そう、噴水通りのある高級宅街のはずれあたりや、

b.もうここから西の岡の坂が始まってるんかなあ、さっきから右手がそれとなく上り坂やけど、

「それとなく坂が始まる西の岡」、

a.この坂が町をまた魅力的に見せるんやろなあ、

b.そりゃなんで?

a.重力に支配されてるこの星では、垂直の1メートルが水平100メートル分の価値もってるからなあ、

b.たしかに10メートルも高い所にいると、ぜんぜん世界が違って見えます、

a.な、わけで、坂の上の方にある向日町ビバリーヒルズはもう訪れたんで、我々はこのまま坂を上らんと、よりJRぞいに南下(ナンカ)しよう、

b.中筋通りを越えると、これまた少し雰囲気変わったなあ、江戸時代から続いてるような歴史的町並みというか、道もそうとう細いし、クルマの人は出し入れ大変やろなあ、

a.ここの線路わきやのに静かやなあ、

b.それに古い家並みはホッとしますね、なぜか、

a.しかし、すぐその先にはクルマが途切れることのない府道203号線、つまり京都外環状線、

b.じゃあ、我々はもちろん外環(ソトカン)の手前ですね、

a.そうしたいところやが、もうゴールの一文橋がすぐそこなんで、このまま外環の歩道にそってゴールしよう、

b.あれ、焼肉小倉優子、無くなってるなあ、そしてあっけなくゴールの一文橋か、10回連続でようやく一周しましたね、向日町(ムコウマチ)、

a.一周したくらいじゃとてもこの町の魅力は伝えきれないけど、まあその一部でも分かってもらえたらと思う、

b.なんか、住宅密集地ばかりみたいな気もしたんすけど、特に町なかは、

a.確かにそうなんやけど、それぞれの家々がより良く生きようとするその気配みたいなんが、まとまったチカラとなってじわじわっと伝わって来るんや、貧富の格差に関係なく、それはじっさい路地をゆっくり流すと伝わってくると思うけど、

b.まあそりゃ、どの家庭だって幸福がイチバンですもんね、その実現は難しいかもしれんけど、

a.ご近所トラブルもけっこうあるんやろうけど、みんながそんなマイナスを乗り越えて、より良く生きようとしてる、そのオーラがこの町を魅力的に見せてるんとちがうかなあ、

b.それに加えて歴史的な厚みのある魅力も備わってると、

a.じっさいの京都市中心部やと、意外に大企業のビルとかで、古都の印象が薄れてるんやけど、最短の小京都、ここ向日町(ムコウマチ)には昔ながらの細道もしっかり残されてて、そこをチャリンコでゆったり流す心地良さは、やはりここでないと感じられない大きな魅力やと思う、

b.じゃあ、そういうわけで、10回に渡ってお送りした向日町(ムコウマチ)サイクリングをここで終わることにします、

a.これきっかけで、自分なりの向日町(ムコウマチ)マップが作られたら望外の幸せです、


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