b.コレくぐったら、どうなるんすか、
a.この穴をくぐって、おぬしもオトナになるのじゃ、
b.もう50過ぎのオッサンなんすけど、
a.じゃあ、青春のころにもどれるのじゃ、
b.ただのJRくぐり抜けみたいなんすけど・・・
a.数年前まで、新聞配達の原付バイクとか平気で乗り入れてたから、排ガスや騒音ひどくてなあ、
b.せまいトンネルだから、音も空気もこもりますねえ、
a.そんなせまいトンネルをくぐり抜けると、何となく世界が変わったような気がしないか、逆峠というか、
「トンネルを降りて登って逆峠」、
b.確かにトンネルの前後って景色や気分、変わりますもんね、
a.さあココからようやく最初の小京都と言われる向日市(ムコウシ)である、
b.だれが言ってるんすか、「最初の小京都」って、
a.いや、数日前に勝手に思いついた、だってあまりに、名前が可哀想(カワイソウ)やろ、「向日市(ムコウシ)」じゃ、
b.そうすか、お日様に向かうって事で、シンボルマークも向日葵(ひまわり)の花で、良いと思うけどなあ、
a.そんあことあるかい、それは後付けで仕方なくこじつけたわけで、元々は京都の川向こうの町ってほどの意味、
b.むこうの町かあ、そりゃなんとなく自主性に欠けますなあ、向日市から見たら、逆に京都が川向こうの町だし、
a.そやろ、力関係で圧倒的に優位なおとなり京都市、その上から目線で、むこう町、向日市(ムコウシ)って言われてるんやで、
b.でも、誰もそんなこと気にしてないんじゃないすか、
a.そうかなあ、向日市(ムコウシ)の熱烈なファンとしては、市の名称を1から考え直したいほどなんだが、
b.じゃあどんな名前にしますか、長岡京市はおとなりがもう使ってるし、
a.そうやなあ、どうしよう、「小京都市」もまぎらわしいし、
b.京都向日市激辛商店街のマスコット、カラッキーにちなむとか、
京都向日市(ムコウシ)激辛商店街のホームページ、YouTubeもあるでよ!
http://www.kyoto-gekikara.com/topics.php
a.「カラッキー市」、言いにくいわ、
b.カラッキーは唐辛子のキャラなんで、唐辛市(トウガラシ)とか、
a.それ言いやすいけど、ダジャレっていうのもなあ、ふつう通らんやろ、
b.まあ、それは置いとくとして、先へ進みませんか、
a.そうやった、そんなカラッキーの大きな像が出迎えてくれるJR向日町(ムコウマチ)駅前はクルマが多いから、こちら永田通を進もう、と見せかけて最初の細道すぐ左折、瓜生(ウリュウ)から山縄手(ヤマナワテ)の住宅街へまぎれ込もう、
b.すごい数の家ですねえ、
a.地図で上から見てもスゴい数って分かる、
b.それにいろんなヒトが行き交(カ)ってますね、
a.それとなく実は都会なんだなあ、
b.それに道の複雑さもハンパないっすね、
a.初めてこのエリアに踏み込んだときのクラクラする感じは今でも新鮮に覚えてる、
b.どんな感じですか、
a.あまりに路地が多く入り組んでて、しまいに、この町から抜け出せなくなるような不安、と同時にウキウキするような楽しさ、
b.矛盾してるようだけど、
a.どう言えばいいんだろう、わざと迷路の中に身を置いて、そこから出口を見つけていく面白さっていうか、
b.じゃあそれが向日市(ムコウシ)の魅力なんすか、
a.そう、細い迷路の町なんだ、戦後びっしり家が建てられて、多くの路地が生まれ、古代からじっくり熟成された細道がこれと合わさって深みやバリエーションが生まれ、走っててこれほど面白い町も珍しい、
b.ところで、我々はこの迷路のような住宅街をどこに向かってるんすか、
a.このまま自然と阪急京都線の踏切に出くわすことになるんだが、どう進もうか、写真館や銭湯のある阪急の駅裏も渋いけど、まずは直球勝負で、丸山酒店を右に見ながらまっすぐ道なりに踏切を渡ろう、
b.しかし、ときどき小川が流れてますね、
a.嵐山の数キロ下流の桂川から取り込まれた農業用水路やけど、ゲリラ豪雨や台風のたびにあふれ出して困るんで、近くに雨水を一時的に貯める巨大な地下トンネルを作ったらしい、「いろは呑龍(ドンリュウ)トンネル」っていう、
「呑龍(ドンリュウ)はゲリラ豪雨も一気飲み」、
b.このキャラクター良いっすねえ、「呑龍(ドンリュウ)君」っていうのかなあ、
「いろは呑龍(ドンリュウ)トンネル」(京都府のホームページから)
http://www.pref.kyoto.jp/gesuido/16400045.html
a.この呑龍君もカラッキーといっしょにJR駅前に飾ればいいのになあ、この雨水トンネルで向日市もえらい平和に暮らせるんやし、
b.そうっすね、こんな事きっかけで、府政と市政の垣根も無くなれば一石二鳥、
「カラッキー、呑龍(どんりゅう)君のツートップ」、
より大きな地図で JRをくぐり抜けて阪急の踏切へ を表示
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