なにやってるんすか、
ノルマンディ上陸作戦をリアルに描いたスピルバーグ監督の名作『プライベートライアン』が好きで、ただあまりにリアルすぎる上陸時の殺戮(さつりく)シーンは苦手(にがて)で、高評価にもかかわらず飛ばすことがほとんど・・・観るのはもっぱら、こちらも隠れた名演というか、日本語吹き替えの会話シーンが中心なんやけど、映画の冒頭、アメリカ兵の戦没者慰霊墓地があるかつての激戦地オマハビーチに、年老いたかつてのライアン二等兵が、子や孫を連れて慰霊におとずれる現地ロケのシーンがあって、ためしにMSFS(マイクロソフト・フライトシミュレーター)でに、その上空からオマハビーチを飛んでみたんやけど、そこはただの草むらで、「これはアカンやろ」ってことで
その戦没者慰霊墓地を再現したMOD(モッド)シーナリー(追加作成の風景ソフト)は無いかと、
そしたら、やっぱりあるがな・・・ノルマンディー地方まで検索範囲を広げれば10件近くも・・・内(うち)一件が、アメリカ兵戦没者慰霊墓地のシーナリーを完全再現してくれていて、
フランス人の有志の方が、無償で制作してくれてたんすね、
慰霊墓地のほかにも、ノルマンディ地方のあれこれが再現されていて、その労力を思うと、ほんま、アタマ下がるなあ、
https://jp.flightsim.to/file/23778/omaha-beach-normandy-pack
しかし、自分のパソコンで再現してみると、墓地の中に木がたくさん生えてしまい、これは残念すね、
樹木だけ取り除くやりかたを調べたんやけど、これという策も見つからんし、どうすればええんやろ、
で、とりわけ米兵の犠牲者が多かったオマハビーチですけど、
5つの上陸地点のうち、とりわけこのオマハビーチだけは戦死者が多く、
と言いますと、
上陸する前に、艦砲射撃と空爆で、ドイツ軍の要塞をつぶして、そのあと歩兵が上陸する予定のところ、どちらも完全に的(まと)をはずしてしまい、要塞は完全に無傷、結果、機関銃の射撃訓練の的のように、恐ろしい数のアメリカ兵がオマハビーチで戦死する結果に、
プライベートライアンでは、機関銃以外に88ミリ砲も駆使(くし)とありますが、
もともと、航空機や戦車を破壊するための大砲やけど、これも歩兵に使うからたまったもんやない・・・しかも、同時に上陸するはずの水陸両用戦車もすべて水没・・・歩兵たちは干潮時の伸び切った砂浜の上を海岸線の高台に設けられた要塞に向かって、砂に足を取られながら重装備で進むわけで、
地獄絵図(じごくえず)とはこのことすね、
これで思い出すのは、左右からアメリカ軍の機関銃で撃たれるまま、敵に発砲もすることなく銃剣突撃で、何度も何度もくりかえしムダ死にしていったガダルカナル島の日本兵・・・もっとも、この場合は、作戦らしい作戦もなく、ひたすら精神力で乗り切るべしという軍上層部のアホアホぶりが引き起こした悲劇なんで、もっとひどい話やけど、
けっきょく、戦争でもなんでも、いちばん下っ端(したっぱ)が、多大な犠牲を引き受けることになるんすね、
人によって受け取り方はさまざまやけど、兵士たちが現に置かれた地獄はそっちのけで、南北戦争時代のリンカーンの手紙を読んで、庶民の味方であるかのようにふるまうマーシャル将軍が、偽善者に感じるのは自分だけか・・・もっとも、四人兄弟のうち三人が戦死して、敵がうじゃうじゃいるノルマンディの最前線で戦うライアン二等兵を助けなければ、それはそれで、悔いが残るような気もするし、
その辺については、スピルバーグ監督も、あえて見る側に判断をゆだねてるような、
そう、監督自身もどっちつかずで揺れてるような、
まあ、ともあれ、無事に戦没者慰霊墓地がフライトシミュレーターに組み込まれて良かったですね・・・墓地にムダに生えてくる木は、どうも気になりますけど、
海岸線にそって、のどかな田園地帯が広がる素晴らしいエリアなんで、ほかのシーナリーも入れて、より魅力的なノルマンディ地方を、平和な心で飛んでみたい、
ちなみに「NORMANDY」で検索すると、かようなMODがつぎつぎと・・・
https://jp.flightsim.to/discover/NORMANDY?s=NORMANDY&sort=3&category=0&country=0&tags=0&author=0&compatibility=all