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2020年07月02日

模倣の殺意 中町信 創元推理文庫

1973年の作品。作中に携帯電話が登場しないなど、やはり時代は感じさせるが、この頃に日本人がこんな作品を書いていたことに驚く。

読み進むうちに小さな違和感達が溜まっていき、ラストでそれらが一気に解消される。推理小説の醍醐味。

推理小説の難しいところは、一度トリックやプロットが使われると、公然のものになってその後で使いにくくなるということ。解説によると、このプロットを使った日本人はこの作者が初めてとのこと。

中学生の時に、赤川次郎や鮎川哲也なんかを読んでいたが、日本人の作品でこんなに硬質な物を読んだことがなかった。それも道理で、1973年に単行本として出版されてすぐに評判を呼び、そのまま品切れ入手困難になり「幻の名作」となったらしい。再び陽の目を見るのは1987年に文庫化されてから。そんな経緯の一冊。

いやー、いい物を読ませてもらいました。

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感想(14件)


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