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2020年07月02日

読書の極意と掟 筒井康隆 講談社文庫

高校から大学、社会人の始めの頃まで筒井康隆にかなり凝った。高校一年の時にクラスメイトの西村君に教えてもらってから、古本屋を巡って当時出ていた文庫本はほぼ全て読んだ。そのうちに読むものが無くなって、「虚人たち」「虚航船団」「夢の木坂分岐点」あたりからは、ハードカバーが出版されるのを心待ちにした。

この本は、筒井康隆の読書遍歴の側面から見た自伝で、最後にあるように「筒井康隆のつくり方」だ。読んでいくと、自分が筒井康隆に教わってはまりこんだものたちが登場してくる。大江健三郎、マルケス、山下洋輔、フロイト、パロディ、ナンセンス、スラップスティック、等々。

考えると、自分ができあがってくるのに、かなりの部分を筒井康隆に拠っている。恩人だ。向こうは知ったこっちゃないだろうけど。いや、本当の恩人は、教えてくれた高校のクラスメイトの西村君か。

まさに筒井康隆の種明かし的な本。よくこんな本、出版したなあと思うけど、いやいや、相手は筒井康隆だった。いまだに筒井康隆の掌の上だ。

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