2020年07月02日
レプリカたちの夜 一條次郎 新潮文庫
これは凄い。なにが凄いって、最初から最後まで、なにがなにやらなんにもわからない。
工員の往本は、残業していた工場でシロクマを見る。どうやらそのシロクマは生きているらしい。生きているシロクマが何故ここに。それから往本のまわりでは、不可解な事がなんの脈絡も無く起こり始める。
とりあえず新潮ミステリー大賞の受賞作だということで、ミステリーとして読み始めるものの、全く要領を得ない。まあ確かに、帯に「ミステリーかどうかはともかく」とか書いてあるんだけど。
じゃあ、幻想小説かというと、いろいろ辻褄が合ってない、というか、合わせようとしてない。幻想小説は、その世界が無矛盾でないといけないからね。
かと言って、カフカ的不条理世界かといえば、細部では不条理なことは何も起こらない。奇抜な状況に陥ったとしても、読者が「あ、こういうことなんじゃね?」と読み進めるだけの情報が、あらかじめ提示されている。
作為が有り余りすぎて、全体として作為を感じないという、落語の一席のような一冊。この作者、要チェックですぞ。
工員の往本は、残業していた工場でシロクマを見る。どうやらそのシロクマは生きているらしい。生きているシロクマが何故ここに。それから往本のまわりでは、不可解な事がなんの脈絡も無く起こり始める。
とりあえず新潮ミステリー大賞の受賞作だということで、ミステリーとして読み始めるものの、全く要領を得ない。まあ確かに、帯に「ミステリーかどうかはともかく」とか書いてあるんだけど。
じゃあ、幻想小説かというと、いろいろ辻褄が合ってない、というか、合わせようとしてない。幻想小説は、その世界が無矛盾でないといけないからね。
かと言って、カフカ的不条理世界かといえば、細部では不条理なことは何も起こらない。奇抜な状況に陥ったとしても、読者が「あ、こういうことなんじゃね?」と読み進めるだけの情報が、あらかじめ提示されている。
作為が有り余りすぎて、全体として作為を感じないという、落語の一席のような一冊。この作者、要チェックですぞ。
価格:605円 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9993909
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック