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2020年06月30日

るり姉 椰月美智子 双葉文庫

イノセンスな人たちによるイノセンスな物語。だが、なんだろう、この居心地の良さと悪さの同居は。…と考えながら読んでいて、はたと気付いた。これはサザエさんの世界観だ。しかもアニメ版の。

漫画版のサザエさんは、世相を反映したブラックなところもあるものだが(もともと新聞漫画だからね)、アニメ版のサザエさんにはそういう毒がない。言い換えれば登場人物が見事にステレオタイプのキャラクターを演じきっているわけだ。例えば、マスオが青春期に太宰治にかぶれて(これはありそう(笑))自殺未遂をおこして居たたまれなくなって故郷を後にしようが、ワカメの下の弟が池にはまって死んだ時にそばにいながら見捨てたことがカツオのトラウマになっていようが、そんなことはサザエさんの世界観には必要がない。

るり姉が登場する。物語が進むにつれてるり姉の過去も明らかにされてゆくが、それが本質的にキャラクターに影響を与えることはない。また、主要な登場人物がるり姉の夫であるカイカイを除いて全て女性であるという特異な状況にあるにも関わらず、皆がまるでテレビの前の視聴者の期待を裏切ることを恐れるかのように自らのキャラクターを演じきっている。そして、その裏側を読み取ることを禁止しているのが居心地の悪さの原因だ。

まあ、ストレートに家族小説や青春小説として読めば面白いと思います。だって、サザエさんってやっぱり面白いもん(笑)。

るり姉 (双葉文庫) [ 椰月美智子 ]

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