2020年06月30日
私を知らないで 白河三兎 集英社文庫
設定やストーリー展開に無理があるわりにはすんなり読める。それは誰もが考えたことがあるからだろう。私は何?自分と他者との境界って?
子供にとって最初に出会う他者は親だ。他者である親との差異を認識することによって自分を個化してゆく。学校というのは、その子供たちが親ではない他者と出会う場だ。子供同士のお互いの差異の認識や、親との関係によって自分を獲得した者としての連帯感、それらを通して社会性を身に付けていく。
この物語は、自分を獲得しそこなった中学生の物語だ。なので、悲しくも清々しい。自分を獲得しそこなったことを特権的に振る舞うのではなく、傷として静かに抱えている。
残念なのは、ラストで最終的に他者によって救済されてしまったことだ。自分でなんとかするしかないのに。誰も救いの手なんか差しのべてくれない。最終章がなければもっと余韻を残したはずなのに。残念。
子供にとって最初に出会う他者は親だ。他者である親との差異を認識することによって自分を個化してゆく。学校というのは、その子供たちが親ではない他者と出会う場だ。子供同士のお互いの差異の認識や、親との関係によって自分を獲得した者としての連帯感、それらを通して社会性を身に付けていく。
この物語は、自分を獲得しそこなった中学生の物語だ。なので、悲しくも清々しい。自分を獲得しそこなったことを特権的に振る舞うのではなく、傷として静かに抱えている。
残念なのは、ラストで最終的に他者によって救済されてしまったことだ。自分でなんとかするしかないのに。誰も救いの手なんか差しのべてくれない。最終章がなければもっと余韻を残したはずなのに。残念。
価格:715円 |
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