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2020年06月28日

スクリャービン 「法悦の詩」

1908年に交響曲第4番として書かれた曲。原題は「The Poem of Ecstasy」。エクスタシーですよ。うふふ、いやーん、って感じ。

一応ソナタ形式だけど、全然交響曲っぽくない。最初から最後までゆらゆらふわふわして、響きを味わう曲。一時は、聴衆の劣情を煽るという理由で上演禁止になったほどなんですが、今聴くと、まあそうかなって感じ。

スクリャービン自身が開発した「神秘和音」なるものが使われていて、それによって独特の雰囲気を醸し出しています。技法的にはドビュッシーと似てるんですが、より偏執狂的なところが表れて、終わりのない世界になっちゃってます。

このスクリャービン、なかなかいっちゃってる人で、家族を捨てて弟子と愛人関係になっちゃうし、哲学に傾倒して自分は超人だとか言い出すし、神秘主義を標榜して独自の世界を突っ走ったり。なかなかに研究肌の人でもあったようで、音と色の関係の研究をしてた時に、弾いた音に対応した色のビームを発するオルガンを開発したりしてたようです。

ピアノが超達者で、10曲あるピアノソナタは名曲揃い。中でもピアノソナタ第1番は後期ロマン派の傑作。

あまりにも独自性が強かったために、その後フォローワーが出てこなかったのが残念と言えば残念。音楽史的にも、片隅に追いやられてる感じでかわいそう。孤高の人って感じですね。

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