2020年08月04日
あの家に暮らす四人の女
いつも思うけど、三浦しをん、タイトルを付けるのが上手い。
あの家に暮らす四人の女。「あの」という指示語が使われている。視点から物理的な距離があるのか、それとも時間的な距離なのか。その距離がある家で暮らす「四人の女」。男がいないのか、いても無視されているのか。情報量が多すぎる。
で、読んでみると、その疑問全ての答えがある。見事だ。
刺繍作家の佐知とおっとりとした母親・鶴代、佐知の友人・雪乃と雪乃の後輩の多恵美が暮らす古い洋館。そして敷地内に何故か居ついている老人・山田。シェアハウス系のテレビドラマみたいな展開は無い。あくまでもゆったりと時間が流れてゆく。その中で、現代の家族が抱える状況や問題が浮かび沈みする。
なんていうことのない日常から、典型的な事柄を切り取って、それを普遍的なものに昇華させる。本当に、三浦しをん、上手い。
軽く読めるし、タイトルを含めた謎解きみたいなものが楽しいし、読んで損はありません。
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