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2019年06月09日
交流分析(Transactional Analysis)をご存知でしょうか?
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
交流分析(Transactional Analysis)をご存知でしょうか?
学生の頃、診療内科の日本での創始者である
池見 酉次郎 (いけみ ゆうじろう)先生の著書と巡り会い、交流分析という手法を知りました。
池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう、大正4年(1915年)6月12日 - 平成11年(1999年)6月25日)は
日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。
福岡県糟屋郡粕屋町生まれ。甥は臨床心理学者の池見陽。
旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。
戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。
昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のメイヨー・クリニックに留学し、
帰国後、日野原重明、三浦岱栄らと共に
昭和35年(1960年)日本心身医学会を設立し、初代理事長になる。
翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体医学研究施設(現在の心療内科に当たる)
教授に就任し、内科疾患を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法を体系化、実用化に尽力した。
交流分析(Transactional Analysis)は、
精神分析に基礎を置く力動的視点を持ち、観察できる行動に焦点を当て、
人間学的心理学の哲学を持った統合的な心理療法です。
1950年代にアメリカの精神科医、エリック・バーン博士により創始され、
人間の変化と成長のための心理学理論と技法として発展してきました。
交流分析はわかりやすい言葉と図示による分析が特徴ですが、
学ぶほどに奥が深く、応用の範囲も多岐にわたっています。
分析の対象は“交流”であり、構造分析、やり取り分析、ゲーム分析、脚本分析の4つを基本理論にしています。また、その基礎にはストローク理論があります。
1. 構造分析
私たちの心を、3つの「自我状態」(自分のあり方)に分けて理解します。
今の自分の特定の自我状態に気づくことで、自我状態を自発的に切り替え、
過去に縛られない、自律的な自分を再発見していきます。
2. やり取り分析
自分と同じように、相手の心を自我状態として理解することができます。
両者の間では、ある自我状態からメッセージを出し、
ある自我状態で受け取っているという「やり取り」が行われています。
それらを矢印で表し、繋がる交流、途絶える交流、裏のある交流として分析して、
自律的なやり取りを行うようにします。
3. ゲーム分析
何度も繰り返され最後には嫌な気分で終わる、こじれる関係の進行を「ゲーム」と呼びます。
このゲームに気づくことで、複雑な人間関係のからくりについて理解を深め、
ゲームを手放した有意義な時間をすごしていきます。
4. 脚本分析
人は、子どものころに描いた人生のシナリオ(脚本)に沿って生きています。
行き詰まりを感じる時には、知らず知らずのうちに自分を縛りつけ、駆り立てていることが多いものです。
それらに気づき、否定的な脚本を手放すことにより、
自分の本当の力を発揮した自律的な人生を見つけることができるでしょう。
5. ストローク
人と人とが関わるとき、人間が生きるために必要な心の栄養「ストローク」が交換されています。
ストロークには、受け取ると心地のよいプラスのストロークと、
嫌な気分になるマイナスのストロークがありますが、
ストロークが足りないと、人間は心身の健康を保つことができません。
そのとき人は、ゲームなどのマイナスのやり取りをすることで人と関わり、
ストロークを得ようとするのです。
このマイナスのやり取りの多くは、生きるために身につけた脚本に基づいています。
交流分析を学ぶことで、プラスのストロークを交換する適切なやり取りを行い、
否定的な脚本を手放し、親密で協働できる温かい人間関係を築いていくことができます。
日本交流分析学会HPより転写 http://www.js-ta.jp/analysis.html
交流分析(Transactional Analysis)をご存知でしょうか?
学生の頃、診療内科の日本での創始者である
池見 酉次郎 (いけみ ゆうじろう)先生の著書と巡り会い、交流分析という手法を知りました。
池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう、大正4年(1915年)6月12日 - 平成11年(1999年)6月25日)は
日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。
福岡県糟屋郡粕屋町生まれ。甥は臨床心理学者の池見陽。
旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。
戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。
昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のメイヨー・クリニックに留学し、
帰国後、日野原重明、三浦岱栄らと共に
昭和35年(1960年)日本心身医学会を設立し、初代理事長になる。
翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体医学研究施設(現在の心療内科に当たる)
教授に就任し、内科疾患を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法を体系化、実用化に尽力した。
交流分析(Transactional Analysis)は、
精神分析に基礎を置く力動的視点を持ち、観察できる行動に焦点を当て、
人間学的心理学の哲学を持った統合的な心理療法です。
1950年代にアメリカの精神科医、エリック・バーン博士により創始され、
人間の変化と成長のための心理学理論と技法として発展してきました。
交流分析はわかりやすい言葉と図示による分析が特徴ですが、
学ぶほどに奥が深く、応用の範囲も多岐にわたっています。
分析の対象は“交流”であり、構造分析、やり取り分析、ゲーム分析、脚本分析の4つを基本理論にしています。また、その基礎にはストローク理論があります。
1. 構造分析
私たちの心を、3つの「自我状態」(自分のあり方)に分けて理解します。
今の自分の特定の自我状態に気づくことで、自我状態を自発的に切り替え、
過去に縛られない、自律的な自分を再発見していきます。
2. やり取り分析
自分と同じように、相手の心を自我状態として理解することができます。
両者の間では、ある自我状態からメッセージを出し、
ある自我状態で受け取っているという「やり取り」が行われています。
それらを矢印で表し、繋がる交流、途絶える交流、裏のある交流として分析して、
自律的なやり取りを行うようにします。
3. ゲーム分析
何度も繰り返され最後には嫌な気分で終わる、こじれる関係の進行を「ゲーム」と呼びます。
このゲームに気づくことで、複雑な人間関係のからくりについて理解を深め、
ゲームを手放した有意義な時間をすごしていきます。
4. 脚本分析
人は、子どものころに描いた人生のシナリオ(脚本)に沿って生きています。
行き詰まりを感じる時には、知らず知らずのうちに自分を縛りつけ、駆り立てていることが多いものです。
それらに気づき、否定的な脚本を手放すことにより、
自分の本当の力を発揮した自律的な人生を見つけることができるでしょう。
5. ストローク
人と人とが関わるとき、人間が生きるために必要な心の栄養「ストローク」が交換されています。
ストロークには、受け取ると心地のよいプラスのストロークと、
嫌な気分になるマイナスのストロークがありますが、
ストロークが足りないと、人間は心身の健康を保つことができません。
そのとき人は、ゲームなどのマイナスのやり取りをすることで人と関わり、
ストロークを得ようとするのです。
このマイナスのやり取りの多くは、生きるために身につけた脚本に基づいています。
交流分析を学ぶことで、プラスのストロークを交換する適切なやり取りを行い、
否定的な脚本を手放し、親密で協働できる温かい人間関係を築いていくことができます。
日本交流分析学会HPより転写 http://www.js-ta.jp/analysis.html
2019年06月08日
EQ(心の知能指数)とは?
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
EQ(心の知能指数)とは?cocoiro https://cocoiro.me/article/12852から
EQとは、喜怒哀楽さまざまな感情を自分でうまくコントロールできる能力の高さのことを言います。
EQが高い、低いといった表現をすることが多く、「心の知能指数」と呼ばれています。
EQが高い人ほど、相手を思いやることができるため、
周囲から好かれやすく、広い人脈を形成することができます。
そのため、EQが高い子供ほど、同じ年代の友達と良好な関係を築きやすい傾向があります。
ポジティブなときは、周囲の人にも思いやりを持って接することができるもの。
しかし、宿題をせずに母親に叱られて落ち込んだり、
友達ができていることを自分だけできなくて悔しい思いをすることもあるでしょう。
そうしたネガティブな状況でも、
受け止めて前向きな思考に切り替えられる人は
一般的にEQが高いと言われています。
EQが高い人の特徴とは?
EQが高い人が持つ特徴を紹介します。
以下のような特徴に当てはまる人は、EQが高い人と言えます。
人は人、自分は自分と考えられる
EQが高い人は、人は人、自分は自分と考えられる傾向があります。
自分の価値観が他人に当てはまるとは限らないし、
他人の価値観が自分に当てはまるとは限らないことを理解しています。
人と自分を切り離して考えられるので、
落ち込むことがあっても気持ちを切り替えて物事をポジティブに考えることができます。
例えば、自分の行動を否定されたり間違いを指摘されたりしても、
「なるほど、そういう見方もあるのか」
と捉えて冷静に対処することができます。
感情的になって反発をしたり、言い訳をしたり、嘘をついたりしても、
人間関係が悪化するばかりか、「自分の間違いを素直に受け入れられない人」
と思われて信用をなくすことを知っているのです。
聞き上手でオープンマインド
EQが高い人は聞き上手でオープンマインドな傾向があります。
そのため、コミュニケーション能力が高い印象を相手に与えることが多いです。
EQが高い人は、相手を知るためには
自分を開示することが大切だと考えているため、
積極的に自己開示します。
また、相手が自己開示してくれた際には真剣に話を聞くので、
話した相手は「自分の話を真剣に聞いてくれた」と感じ、
「何か困ることや悩み事があったら相談しよう」と信頼してくれるようになります。
言い訳をせず、自分の責任を認める
EQの高い人は、言い訳をせず、自分の責任を認めることができます。
自分に非があると感じたことは、
年上だろうと年下であろうと謝ることのできる素直さを持っています。
EQが高い人は他人と自分の責任範囲の中でミスが起きた場合には素直に謝罪します。
EQの高い子どもであれば、テストで低い点数を取ってしまったとき、
友達が大切にしているものを誤って壊してしまったとき、
きちんと自分が悪かったと認めることができるでしょう。
EQが低い人の特徴とは?
続いて、EQが低い人が多く持つ特徴を紹介します。
感情的になりやすい
EQが低い人は感情的になりやすい傾向があります。
自分や他人の感情を認識することが苦手なので、
「今、自分は怒っている」
「これを言ったら悪印象を与えてしまう」
などに気づくことが苦手です。
キレやすかったり、
場の雰囲気や相手の感情を考えない場面が多く見受けられる場合には、
子どものEQが低い可能性があります。
自分勝手な言動が多い
EQが低い人は自分勝手な言動が多い傾向があります。
チームで必要な作業を面倒だからと断ったり、
自分に非がないことを証明するために平気で嘘をついたりします。
「誠実さ」や「思いやりの心」が欠けていると、
長期的に良好な人間関係を築くことが難しくなります。
他人に対して厳しい
EQが低い人は他人に対して厳しい傾向があります。
他人の状況や感情を読み取ることが苦手なので、
自分に不都合が生じた場合は、必要以上に相手を責めます。
自分の非をなくすことが目的なので、
決して相手を攻撃したいわけではありませんが、
攻撃された側は精神的ストレスを抱えてしまうことになるでしょう。
EQを高めるために必要な4つの能力とは?
いつもは素直で優しくて良い人なのに、
自分の思いどおりにいかなくなるとすぐ不機嫌になったり八つ当たりする人は、
子供だけでなく大人にもいます。
自分の感情を優先してばかりいると
「ちょっと関わりづらい子」と思われてしまうかもしれません。
自分の子供を、本来持っている良さを最大限に引き出して
魅力的な「大人」に成長させていくためには、日々の訓練が必要です。
そのために重要となるのが、以下に挙げる4つの能力です。
感情を「識別」する能力
「怒っている」
「悲しんでいる」
など自分の今の感情を知って、
相手の感情を汲み取ろうとする能力です。
「自分は今どのような感情が強い状態なのか」
「相手は今どんな感情を持っているのか」など、
双方の感情を分けて考えることで、
次にどんな言葉をかければ良いのか、
どんなアクションを起こせば良いのかを自然と判断できるようになっていきます。
感情を「利用」する能力
相手のニーズに応えられるために必要な感情を自分で作り出す能力です。
「感情の識別」で理解した自分と相手の感情をもとに、
相手の悩みや課題を解決するためにどんな行動を起こすべきなのか、
常に人の気持ちを考えた行動ができるようになります。
感情を「理解」する能力
自分の言動によって相手がどう思うかを深く考えてシミュレーションする能力です。
自分の言動によってなぜこの状況が生まれているのか、
どんな対応をすれば良いのか。
その感情に行き着いた理由を自分の頭で理解することで、
次に発生するであろう感情を推測することができます。
落ち込んでいる友達にどんな言葉をかけたら良いのか、
この言葉を発したら相手はどんな気持ちになるのか、
というように感情の変化をシミュレーションするのです。
感情を「調整」する能力
相手が求める感情を引き出すために、自分の感情をきちんとコントロールする能力です。
この能力が高いと、
「識別」「利用」「理解」を自分の中で整理しながら、
相手の望む反応につながる行動を選択できるようになります。
テストで満点をとって喜んでいる友人に
「おめでとう! 私も頑張る!」と言える人と
「よかったね」で終わってしまう人の違いは、ここにあるのかもしれません。
親子でEQを測定してみよう!(無料)
ここまでEQの意味や重要性について解説してきましたが、
自分の子供のEQが高いのか低いのか気になった方も多いでしょう。
そこで、無料で簡単にできるEQテストをいくつかご紹介します。
シーズ株式会社のEQ測定テストhttps://www.okajob.com/seedsjp/htdocs/EQ/eq_freetest/form_01.html
「シーズ株式会社のEQ測定」は、
「×:ほとんど当てはまらない」
「△:やや当てはまらない」
「○:やや当てはまる」
「◎:かなり当てはまる」の4択で、
25個の質問にチェックしていくという回答スタイルです。
評価結果には、
自分が周囲からどのような人間に見えているのかを知ろうとする「社会的自己意識」や、
自分の感情をどれだけコントロールできるかを示した「自己コントロール」などが
パラメータとして表示されます。
チェックをつけた25項目について5点満点で点数をつけながらアドバイスをしてくれます。
最後の質問「ライ・スケール」では、
すべての質問に素直に答えられているかを評価してくれます。
包み隠さず正直な気持ちを答えましょう。
A Real MeのEQ測定テストhttps://www.arealme.com/eq/ja/
「A Real MeのEQ測定テスト」は、
1問2点の質問に100問回答し、トータル200点満点で診断してくれます。
1つの質問の下に表示される4つの選択肢にチェックを入れて進めていく形式です。
また、EQのほかにIQの診断もできるので、
EQと一緒にIQも知りたいときは試してみてください。
あなたの心の知能指数(EQ)の高さはどのくらいですか?https://ja.what-character-are-you.com/d/ja/2185/0.html
「あなたの心の知能指数(EQ)の高さはどのくらいですか?」は、
画面に表示されている人物の表情が選択肢のうち、
何に1番当てはまるのかを選択するというユニークな診断スタイルのEQ測定テストです。
相手の表情から意図を読み取れるか、
という診断結果からEQの高さを測定しています。
時間があるときに、子供と一緒にしてみてください。親子のスキンシップにもなるでしょう。
EQとIQの関係性
EQとIQの違い
知能指数であるIQは聞き覚えがある方がいるかもしれません。
近年では、IQだけでなくEQも重視する場面が増えてきています。
実際に、『求人での「人物重視」で、企業が求めていることとは一体なんだ!』によると、
コミュニケーション力や人間性、人柄が重要視されるようになってきています。
その背景には、時代の影響も少なからずあります。
高度経済成長時代は生産能力をあげるのに社会が知力を必要としだしたため、
IQの方が重要とされていました。
しかし、現在の第三次産業(サービス産業)や第四次産業(消費産業)では、
消費者の欲求や価値観に応える必要があります。
そのためには、高い感性や想像力、創造力が必要になることもあるため、
IQよりもEQが重要とされているのです。
IQを生かすにはEQも必要https://cocoiro.me/article/12860
現代社会では人と関わりながら活動することが多いため、
IQを生かすためにはEQも必要となることがあります。
IQだけが高くEQが低い場合、条件が揃うと高い能力を発揮できますが、
条件が揃わないと全く能力を発揮できないこともあります。
高いIQを無駄にしないためにも、
IQだけでなくEQを伸ばすことも意識しましょう。
EQ(心の知能指数)とは?cocoiro https://cocoiro.me/article/12852から
EQとは、喜怒哀楽さまざまな感情を自分でうまくコントロールできる能力の高さのことを言います。
EQが高い、低いといった表現をすることが多く、「心の知能指数」と呼ばれています。
EQが高い人ほど、相手を思いやることができるため、
周囲から好かれやすく、広い人脈を形成することができます。
そのため、EQが高い子供ほど、同じ年代の友達と良好な関係を築きやすい傾向があります。
ポジティブなときは、周囲の人にも思いやりを持って接することができるもの。
しかし、宿題をせずに母親に叱られて落ち込んだり、
友達ができていることを自分だけできなくて悔しい思いをすることもあるでしょう。
そうしたネガティブな状況でも、
受け止めて前向きな思考に切り替えられる人は
一般的にEQが高いと言われています。
EQが高い人の特徴とは?
EQが高い人が持つ特徴を紹介します。
以下のような特徴に当てはまる人は、EQが高い人と言えます。
人は人、自分は自分と考えられる
EQが高い人は、人は人、自分は自分と考えられる傾向があります。
自分の価値観が他人に当てはまるとは限らないし、
他人の価値観が自分に当てはまるとは限らないことを理解しています。
人と自分を切り離して考えられるので、
落ち込むことがあっても気持ちを切り替えて物事をポジティブに考えることができます。
例えば、自分の行動を否定されたり間違いを指摘されたりしても、
「なるほど、そういう見方もあるのか」
と捉えて冷静に対処することができます。
感情的になって反発をしたり、言い訳をしたり、嘘をついたりしても、
人間関係が悪化するばかりか、「自分の間違いを素直に受け入れられない人」
と思われて信用をなくすことを知っているのです。
聞き上手でオープンマインド
EQが高い人は聞き上手でオープンマインドな傾向があります。
そのため、コミュニケーション能力が高い印象を相手に与えることが多いです。
EQが高い人は、相手を知るためには
自分を開示することが大切だと考えているため、
積極的に自己開示します。
また、相手が自己開示してくれた際には真剣に話を聞くので、
話した相手は「自分の話を真剣に聞いてくれた」と感じ、
「何か困ることや悩み事があったら相談しよう」と信頼してくれるようになります。
言い訳をせず、自分の責任を認める
EQの高い人は、言い訳をせず、自分の責任を認めることができます。
自分に非があると感じたことは、
年上だろうと年下であろうと謝ることのできる素直さを持っています。
EQが高い人は他人と自分の責任範囲の中でミスが起きた場合には素直に謝罪します。
EQの高い子どもであれば、テストで低い点数を取ってしまったとき、
友達が大切にしているものを誤って壊してしまったとき、
きちんと自分が悪かったと認めることができるでしょう。
EQが低い人の特徴とは?
続いて、EQが低い人が多く持つ特徴を紹介します。
感情的になりやすい
EQが低い人は感情的になりやすい傾向があります。
自分や他人の感情を認識することが苦手なので、
「今、自分は怒っている」
「これを言ったら悪印象を与えてしまう」
などに気づくことが苦手です。
キレやすかったり、
場の雰囲気や相手の感情を考えない場面が多く見受けられる場合には、
子どものEQが低い可能性があります。
自分勝手な言動が多い
EQが低い人は自分勝手な言動が多い傾向があります。
チームで必要な作業を面倒だからと断ったり、
自分に非がないことを証明するために平気で嘘をついたりします。
「誠実さ」や「思いやりの心」が欠けていると、
長期的に良好な人間関係を築くことが難しくなります。
他人に対して厳しい
EQが低い人は他人に対して厳しい傾向があります。
他人の状況や感情を読み取ることが苦手なので、
自分に不都合が生じた場合は、必要以上に相手を責めます。
自分の非をなくすことが目的なので、
決して相手を攻撃したいわけではありませんが、
攻撃された側は精神的ストレスを抱えてしまうことになるでしょう。
EQを高めるために必要な4つの能力とは?
いつもは素直で優しくて良い人なのに、
自分の思いどおりにいかなくなるとすぐ不機嫌になったり八つ当たりする人は、
子供だけでなく大人にもいます。
自分の感情を優先してばかりいると
「ちょっと関わりづらい子」と思われてしまうかもしれません。
自分の子供を、本来持っている良さを最大限に引き出して
魅力的な「大人」に成長させていくためには、日々の訓練が必要です。
そのために重要となるのが、以下に挙げる4つの能力です。
感情を「識別」する能力
「怒っている」
「悲しんでいる」
など自分の今の感情を知って、
相手の感情を汲み取ろうとする能力です。
「自分は今どのような感情が強い状態なのか」
「相手は今どんな感情を持っているのか」など、
双方の感情を分けて考えることで、
次にどんな言葉をかければ良いのか、
どんなアクションを起こせば良いのかを自然と判断できるようになっていきます。
感情を「利用」する能力
相手のニーズに応えられるために必要な感情を自分で作り出す能力です。
「感情の識別」で理解した自分と相手の感情をもとに、
相手の悩みや課題を解決するためにどんな行動を起こすべきなのか、
常に人の気持ちを考えた行動ができるようになります。
感情を「理解」する能力
自分の言動によって相手がどう思うかを深く考えてシミュレーションする能力です。
自分の言動によってなぜこの状況が生まれているのか、
どんな対応をすれば良いのか。
その感情に行き着いた理由を自分の頭で理解することで、
次に発生するであろう感情を推測することができます。
落ち込んでいる友達にどんな言葉をかけたら良いのか、
この言葉を発したら相手はどんな気持ちになるのか、
というように感情の変化をシミュレーションするのです。
感情を「調整」する能力
相手が求める感情を引き出すために、自分の感情をきちんとコントロールする能力です。
この能力が高いと、
「識別」「利用」「理解」を自分の中で整理しながら、
相手の望む反応につながる行動を選択できるようになります。
テストで満点をとって喜んでいる友人に
「おめでとう! 私も頑張る!」と言える人と
「よかったね」で終わってしまう人の違いは、ここにあるのかもしれません。
親子でEQを測定してみよう!(無料)
ここまでEQの意味や重要性について解説してきましたが、
自分の子供のEQが高いのか低いのか気になった方も多いでしょう。
そこで、無料で簡単にできるEQテストをいくつかご紹介します。
シーズ株式会社のEQ測定テストhttps://www.okajob.com/seedsjp/htdocs/EQ/eq_freetest/form_01.html
「シーズ株式会社のEQ測定」は、
「×:ほとんど当てはまらない」
「△:やや当てはまらない」
「○:やや当てはまる」
「◎:かなり当てはまる」の4択で、
25個の質問にチェックしていくという回答スタイルです。
評価結果には、
自分が周囲からどのような人間に見えているのかを知ろうとする「社会的自己意識」や、
自分の感情をどれだけコントロールできるかを示した「自己コントロール」などが
パラメータとして表示されます。
チェックをつけた25項目について5点満点で点数をつけながらアドバイスをしてくれます。
最後の質問「ライ・スケール」では、
すべての質問に素直に答えられているかを評価してくれます。
包み隠さず正直な気持ちを答えましょう。
A Real MeのEQ測定テストhttps://www.arealme.com/eq/ja/
「A Real MeのEQ測定テスト」は、
1問2点の質問に100問回答し、トータル200点満点で診断してくれます。
1つの質問の下に表示される4つの選択肢にチェックを入れて進めていく形式です。
また、EQのほかにIQの診断もできるので、
EQと一緒にIQも知りたいときは試してみてください。
あなたの心の知能指数(EQ)の高さはどのくらいですか?https://ja.what-character-are-you.com/d/ja/2185/0.html
「あなたの心の知能指数(EQ)の高さはどのくらいですか?」は、
画面に表示されている人物の表情が選択肢のうち、
何に1番当てはまるのかを選択するというユニークな診断スタイルのEQ測定テストです。
相手の表情から意図を読み取れるか、
という診断結果からEQの高さを測定しています。
時間があるときに、子供と一緒にしてみてください。親子のスキンシップにもなるでしょう。
EQとIQの関係性
EQとIQの違い
知能指数であるIQは聞き覚えがある方がいるかもしれません。
近年では、IQだけでなくEQも重視する場面が増えてきています。
実際に、『求人での「人物重視」で、企業が求めていることとは一体なんだ!』によると、
コミュニケーション力や人間性、人柄が重要視されるようになってきています。
その背景には、時代の影響も少なからずあります。
高度経済成長時代は生産能力をあげるのに社会が知力を必要としだしたため、
IQの方が重要とされていました。
しかし、現在の第三次産業(サービス産業)や第四次産業(消費産業)では、
消費者の欲求や価値観に応える必要があります。
そのためには、高い感性や想像力、創造力が必要になることもあるため、
IQよりもEQが重要とされているのです。
IQを生かすにはEQも必要https://cocoiro.me/article/12860
現代社会では人と関わりながら活動することが多いため、
IQを生かすためにはEQも必要となることがあります。
IQだけが高くEQが低い場合、条件が揃うと高い能力を発揮できますが、
条件が揃わないと全く能力を発揮できないこともあります。
高いIQを無駄にしないためにも、
IQだけでなくEQを伸ばすことも意識しましょう。
2019年06月07日
社会的成功に不可欠なEQ(心の知能指数)も前頭葉と深い 関係がある!
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
社会的成功に不可欠なEQ(心の知能指数)も前頭葉と深い
関係がある!/「感情に振りまわされない人」の脳の使い
方 和田秀樹(わだ・ひでき)著から
前頭葉の老化をスローダウンさせる、あるいは働きをよくすることで
感情の不安定や痛みなどの人間にとって不快なことを取り除くことができる。
さらにいうと、前頭葉の働きがよくなればプラス要因を生み出すこともできるのです。
仕事の能力として必要なクリエイティブな発想や柔軟な考え方、
鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力なども、
前頭葉の働きによるものだからです。
このうち「鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力」は
EQと呼ばれるようになっています。
EQはもともと
アメリカのイエール大学心理学部のピーター・サロヴェイ学長と、
ニューハンプシャー大学心理学部のジョン・メイヤー教授によって提唱された概念です。
この説を、心理学者でビジネス・コンサルタントのダニエル・ゴールマン博士がまとめて
『EmotionalIntelligence』という本を1995年に出版しました。
これが全米で100万部の大ベストセラーとなり、
その1年後に日本でも『EQ ― こころの知能指数』というタイトルで発売されて
日本人の多くの人が知るところとなりました。
しかし、熱しやすく冷めやすい日本人の国民性なのか、
EQの表面的なものだけが紹介されるにとどまり、
あまり応用されたり、実用化されたりしていませんし、
またいくつかの続編も多くの人には読まれていないのが現状です。
さて、EQは「心の知能指数」として、
IQ(Intelligence Quotient:知能指数)では測れない能力を示すものとして紹介されたものです。
IQは高いのに社会で成功できない人がいるのはなぜかと考えたとき、
こういう人たちは別の能力が低いからではないかと仮説が立てられ、
調査研究がなされました。
IQが高いことは成功するための必要条件ではあるが十分条件ではない、
EQも高いレベルで備わっていなければならない、
というのがアメリカでの考え方です。
現在では、ハーバード大学のビジネススクールなどエリート教育のなかで
EQ教育的なものが導入されています。
IQだけを重視するのではなく、
その土台の上にEQも高めていこうというのが
アメリカのエリート教育の考え方です。
IQは脳の側頭葉や頭頂葉の機能を測るものですが、
EQは前頭葉の働きを表すもので、
たしかにクリエイティビティだとか、
ものの考え方の柔軟性、
考え方の切り替えの能力によい影響を与えています。
すなわち、ルーティン・ワークを行うときには側頭葉と頭頂葉しか使わないのですが、
新しい状況に適応するとか、
これまでにないものを生み出していくというときは、
前頭葉を使うと考えられているのです。
昔のようにルーティン・ワークを効率的にこなすことで
大きな利益を得られていた時代にはIQだけが高い人でも仕事で成果を手にすることができました。
しかし、現在のように簡単にモノは売れず、
時代の変化のスピードも非常に速い成熟経済においては
クリエイティブな発想や柔軟な考え方、
鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力などが高い人のほうが結果を出しやすいのです。
現在においてはIQだけでなく、EQが高い人のほうが成功しやすい。
そして、EQは前頭葉の働きがよい人ほどそのレベルが高いとされています。
和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科助手、
米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。
エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。
国際医療福祉大学大学院教授、
一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、
川崎幸病院精神科顧問。
老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。
著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。
社会的成功に不可欠なEQ(心の知能指数)も前頭葉と深い
関係がある!/「感情に振りまわされない人」の脳の使い
方 和田秀樹(わだ・ひでき)著から
前頭葉の老化をスローダウンさせる、あるいは働きをよくすることで
感情の不安定や痛みなどの人間にとって不快なことを取り除くことができる。
さらにいうと、前頭葉の働きがよくなればプラス要因を生み出すこともできるのです。
仕事の能力として必要なクリエイティブな発想や柔軟な考え方、
鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力なども、
前頭葉の働きによるものだからです。
このうち「鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力」は
EQと呼ばれるようになっています。
EQはもともと
アメリカのイエール大学心理学部のピーター・サロヴェイ学長と、
ニューハンプシャー大学心理学部のジョン・メイヤー教授によって提唱された概念です。
この説を、心理学者でビジネス・コンサルタントのダニエル・ゴールマン博士がまとめて
『EmotionalIntelligence』という本を1995年に出版しました。
これが全米で100万部の大ベストセラーとなり、
その1年後に日本でも『EQ ― こころの知能指数』というタイトルで発売されて
日本人の多くの人が知るところとなりました。
しかし、熱しやすく冷めやすい日本人の国民性なのか、
EQの表面的なものだけが紹介されるにとどまり、
あまり応用されたり、実用化されたりしていませんし、
またいくつかの続編も多くの人には読まれていないのが現状です。
さて、EQは「心の知能指数」として、
IQ(Intelligence Quotient:知能指数)では測れない能力を示すものとして紹介されたものです。
IQは高いのに社会で成功できない人がいるのはなぜかと考えたとき、
こういう人たちは別の能力が低いからではないかと仮説が立てられ、
調査研究がなされました。
IQが高いことは成功するための必要条件ではあるが十分条件ではない、
EQも高いレベルで備わっていなければならない、
というのがアメリカでの考え方です。
現在では、ハーバード大学のビジネススクールなどエリート教育のなかで
EQ教育的なものが導入されています。
IQだけを重視するのではなく、
その土台の上にEQも高めていこうというのが
アメリカのエリート教育の考え方です。
IQは脳の側頭葉や頭頂葉の機能を測るものですが、
EQは前頭葉の働きを表すもので、
たしかにクリエイティビティだとか、
ものの考え方の柔軟性、
考え方の切り替えの能力によい影響を与えています。
すなわち、ルーティン・ワークを行うときには側頭葉と頭頂葉しか使わないのですが、
新しい状況に適応するとか、
これまでにないものを生み出していくというときは、
前頭葉を使うと考えられているのです。
昔のようにルーティン・ワークを効率的にこなすことで
大きな利益を得られていた時代にはIQだけが高い人でも仕事で成果を手にすることができました。
しかし、現在のように簡単にモノは売れず、
時代の変化のスピードも非常に速い成熟経済においては
クリエイティブな発想や柔軟な考え方、
鋭敏な感性や人間関係を円滑に行う感情を読み取る力などが高い人のほうが結果を出しやすいのです。
現在においてはIQだけでなく、EQが高い人のほうが成功しやすい。
そして、EQは前頭葉の働きがよい人ほどそのレベルが高いとされています。
和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科助手、
米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。
エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。
国際医療福祉大学大学院教授、
一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、
川崎幸病院精神科顧問。
老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。
著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。
2019年06月06日
EQ(読み)いーきゅー 情動の知能指数
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
EQ(読み)いーきゅー
ASCII.jpデジタル用語辞典の解説から
情動の知能指数
IQがおもに「知能」の発達速度を示すのに対して、
EQは仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から測定する指数。
社会的に成功する者の多くは、情動を調整する能力に長けているとされるが、
EQでは問題処理能力や事務処理能力に加え、
環境に適応する能力や仕事に対するモチベーションをコントロールする力など、
知能を多面的にとらえたより実質的な判断基準として、
企業の採用や人材育成などの判断材料となっている。
イー‐キュー【EQ】[emotional quotient]情動指数。感情指数。
実社会の人間関係の中で重要な一種の知性として、
米国の心理学者ダニエル・ゴールドマンDaniel Goldmanが,
著書《Emotional Intelligence》の中で提唱したことがきっかけとなって広まった概念。
同書は1996年日本でも《EQ》(土屋京子訳)というタイトルで翻訳出版された。
EQは日本では〈こころの知能指数〉〈感じる知性〉などと訳される。
EQとは,物事を適切かつ正確に処理することができる知的な能力を示すIQ(知能指数)に対抗して考え出されたもの。
〈感情面や情緒面において健康で,かつ人間関係を適切にこなせる人格的能力〉と定義される。
EQは
(1)セルフ・コンセプト(心内知性),
(2)ソーシャル・スキル(対人間関係知性),
(3)自分と他者の状態を同時に認知できるモニタリング能力(状況判断知性)
の3つの知性によって構成される。
これらの3つの知性をそれぞれどのくらい備え,
バランスよく持っているかによって,EQの高さが決まる。
心内知性とは,自分自身で自分の心理的状態を捉えることができる知性のこと。
これによって,自分の感情をコントロールできることを意味する。
EQのもっとも基本となる知性である。
次の対人間関係知性とは,他者に適切かつ効率的に働きかけることができる知性のこと。
他の人に対応する際に発揮される一種の技能である。
最後の状況判断知性とは,
相手の様子を理解し,相手を受け入れ,
そのうえで,相手と自分との関係を客観的に判断する能力のこと。
EQの高さは,
特に企業内や職場において有効とされ,
職場でEQが不足すると,
生産能力の低下や納期の遅れ,事故の発生や人材の流出が起きやすいともいわれる。
このため,EQを測定する検査を人材の選別や教育の現場に導入している企業が急増している。
EQ(読み)いーきゅー
ASCII.jpデジタル用語辞典の解説から
情動の知能指数
IQがおもに「知能」の発達速度を示すのに対して、
EQは仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から測定する指数。
社会的に成功する者の多くは、情動を調整する能力に長けているとされるが、
EQでは問題処理能力や事務処理能力に加え、
環境に適応する能力や仕事に対するモチベーションをコントロールする力など、
知能を多面的にとらえたより実質的な判断基準として、
企業の採用や人材育成などの判断材料となっている。
イー‐キュー【EQ】[emotional quotient]情動指数。感情指数。
実社会の人間関係の中で重要な一種の知性として、
米国の心理学者ダニエル・ゴールドマンDaniel Goldmanが,
著書《Emotional Intelligence》の中で提唱したことがきっかけとなって広まった概念。
同書は1996年日本でも《EQ》(土屋京子訳)というタイトルで翻訳出版された。
EQは日本では〈こころの知能指数〉〈感じる知性〉などと訳される。
EQとは,物事を適切かつ正確に処理することができる知的な能力を示すIQ(知能指数)に対抗して考え出されたもの。
〈感情面や情緒面において健康で,かつ人間関係を適切にこなせる人格的能力〉と定義される。
EQは
(1)セルフ・コンセプト(心内知性),
(2)ソーシャル・スキル(対人間関係知性),
(3)自分と他者の状態を同時に認知できるモニタリング能力(状況判断知性)
の3つの知性によって構成される。
これらの3つの知性をそれぞれどのくらい備え,
バランスよく持っているかによって,EQの高さが決まる。
心内知性とは,自分自身で自分の心理的状態を捉えることができる知性のこと。
これによって,自分の感情をコントロールできることを意味する。
EQのもっとも基本となる知性である。
次の対人間関係知性とは,他者に適切かつ効率的に働きかけることができる知性のこと。
他の人に対応する際に発揮される一種の技能である。
最後の状況判断知性とは,
相手の様子を理解し,相手を受け入れ,
そのうえで,相手と自分との関係を客観的に判断する能力のこと。
EQの高さは,
特に企業内や職場において有効とされ,
職場でEQが不足すると,
生産能力の低下や納期の遅れ,事故の発生や人材の流出が起きやすいともいわれる。
このため,EQを測定する検査を人材の選別や教育の現場に導入している企業が急増している。
2019年06月05日
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
「怒らずにいられた自分」を自分で褒めることも効果的
柿木隆介さん。自然科学研究機構 生理学研究所教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
イライラしたりしているときは、まずはこれらの方法を試してみよう
「自分に合う対処法が見つかって、
怒りの感情が和らぐ効果を実感できたら、
その効果を意識することも大切です。
そして、『怒らずにいられた自分を褒める』ことを実践してください。
口に出さずとも、
『よく我慢できた』
『偉いぞ、自分』
などと心の中で褒めるだけでも十分です」(柿木さん)
「褒められることは、人間にとって快感のひとつ。
脳には快感を覚えると学習するという働きがあるので、
怒りの感情が生じるたびに抑制がききます。
こうした経験を繰り返すうちに脳が学習して、
徐々に怒りに振り回されないようになっていきます」(柿木さん)
なぜ「怒りやすい人」が増えているのか?
第1回でも触れたように、
最近は「怒りやすい人」が増えていると感じることが多くなった。
今の“怒りの現状”を脳の専門家である柿木さんはどう見ているのだろうか。
柿木さんは、現代人に怒りやすい人が増えたように感じる背景には、2つの変化があると考えている。
1つは、「小さな怒りの感情でも、すぐに言語化してしまうこと」だという
「今は怒りの感情を安易に表現するフレーズ(語彙)が増えたこともあり、
とっさに言葉として口から発しやすくなっています。
例えば、
「ヤバッ(ヤバイ)」
「うざっ(うざい)」
「はぁ?」
といったフレーズです。
これらのフレーズは、言う側と受け取る側で相当の温度差があります。
言う側はとくに罪悪感もなく、
反射的に口をついて出たとしても、
受け取る側には怒りの感情が芽生えやすいものです。
このため、原因はささいなことであっても、
『「怒りが怒りを呼ぶ』状態につながりやすいと考えられます」(柿木さん)
「『ハラスメント』に対する過剰な反応」
も怒りやすい人が増えた理由ではないかと柿木さんは指摘する。
「最近の日本では、
『パワハラ』や
『セクハラ』
『モラハラ』
といったハラスメントという概念が浸透して、
相手に訴えられることが怖くて、
怒りたくても怒れない状況が増えています。
そうした人たちの抑圧された怒りの感情が、
公共機関や官僚といった“公の人”に向けられやすいのでしょう。
また、『お客様は神様』という日本的な考え方も最近は少し行き過ぎにも感じます。
これも背景の1つではないでしょうか」(柿木さん)
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、
1993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
「怒らずにいられた自分」を自分で褒めることも効果的
柿木隆介さん。自然科学研究機構 生理学研究所教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
イライラしたりしているときは、まずはこれらの方法を試してみよう
「自分に合う対処法が見つかって、
怒りの感情が和らぐ効果を実感できたら、
その効果を意識することも大切です。
そして、『怒らずにいられた自分を褒める』ことを実践してください。
口に出さずとも、
『よく我慢できた』
『偉いぞ、自分』
などと心の中で褒めるだけでも十分です」(柿木さん)
「褒められることは、人間にとって快感のひとつ。
脳には快感を覚えると学習するという働きがあるので、
怒りの感情が生じるたびに抑制がききます。
こうした経験を繰り返すうちに脳が学習して、
徐々に怒りに振り回されないようになっていきます」(柿木さん)
なぜ「怒りやすい人」が増えているのか?
第1回でも触れたように、
最近は「怒りやすい人」が増えていると感じることが多くなった。
今の“怒りの現状”を脳の専門家である柿木さんはどう見ているのだろうか。
柿木さんは、現代人に怒りやすい人が増えたように感じる背景には、2つの変化があると考えている。
1つは、「小さな怒りの感情でも、すぐに言語化してしまうこと」だという
「今は怒りの感情を安易に表現するフレーズ(語彙)が増えたこともあり、
とっさに言葉として口から発しやすくなっています。
例えば、
「ヤバッ(ヤバイ)」
「うざっ(うざい)」
「はぁ?」
といったフレーズです。
これらのフレーズは、言う側と受け取る側で相当の温度差があります。
言う側はとくに罪悪感もなく、
反射的に口をついて出たとしても、
受け取る側には怒りの感情が芽生えやすいものです。
このため、原因はささいなことであっても、
『「怒りが怒りを呼ぶ』状態につながりやすいと考えられます」(柿木さん)
「『ハラスメント』に対する過剰な反応」
も怒りやすい人が増えた理由ではないかと柿木さんは指摘する。
「最近の日本では、
『パワハラ』や
『セクハラ』
『モラハラ』
といったハラスメントという概念が浸透して、
相手に訴えられることが怖くて、
怒りたくても怒れない状況が増えています。
そうした人たちの抑圧された怒りの感情が、
公共機関や官僚といった“公の人”に向けられやすいのでしょう。
また、『お客様は神様』という日本的な考え方も最近は少し行き過ぎにも感じます。
これも背景の1つではないでしょうか」(柿木さん)
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、
1993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
2019年06月04日
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!B
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!B
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
セロトニンとオキシトシンはどうすれば増える?
では、具体的にどのような方法で、セロトニンとオキシトシンの分泌を増やしていけばいいのだろうか。
柿木さんに、それぞれの脳内物質を増やすためのポイントとその方法を紹介していただいた。
「セロトニンの分泌を増やすポイントは、規則正しい生活を続けることです。
健康を維持するための基本事項でもありますが、幸福感のある毎日を送るためにも重要です」(柿木さん)
夜は早く寝て、朝は朝日を浴びて起きる。毎日、適度な運動をする
――こうした一見、当たり前のことに思える習慣をコツコツ続けることにより、
生活に一定のリズムを与えることが、セロトニンの分泌を増やす第一歩となる。
また、湯船にゆっくりつかってカラダを温めたり、
ランニングなどの適度な運動をすることもセロトニンの分泌を促すそうだ。
「オキシトシンの分泌を増やすポイントは、
家族の団らんやパートナーとのコミュニケーション、感情を素直に表すことなどです」(柿木さん)
良好な人間関係が築けたり、思っていることを吐き出すことができたりすることは、
快適な毎日を過ごすためには欠かせない要素でもある。
それが、オキシトシンの分泌を増やすことにつながるという。
好きな人やペットを抱きしめたりするなど、スキンシップ行動がオキシトシンの分泌を促してくれる。
また、「泣きたくなるくらい激しい感情を抱いたときは、思いっきり泣くのも1つの方法です」と柿木さん。
思いっきり泣くことで、
脳から分泌されるステロイドホルモンなどのストレスに関係する物質が涙と一緒に排出されるのだという。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!B
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
セロトニンとオキシトシンはどうすれば増える?
では、具体的にどのような方法で、セロトニンとオキシトシンの分泌を増やしていけばいいのだろうか。
柿木さんに、それぞれの脳内物質を増やすためのポイントとその方法を紹介していただいた。
「セロトニンの分泌を増やすポイントは、規則正しい生活を続けることです。
健康を維持するための基本事項でもありますが、幸福感のある毎日を送るためにも重要です」(柿木さん)
夜は早く寝て、朝は朝日を浴びて起きる。毎日、適度な運動をする
――こうした一見、当たり前のことに思える習慣をコツコツ続けることにより、
生活に一定のリズムを与えることが、セロトニンの分泌を増やす第一歩となる。
また、湯船にゆっくりつかってカラダを温めたり、
ランニングなどの適度な運動をすることもセロトニンの分泌を促すそうだ。
「オキシトシンの分泌を増やすポイントは、
家族の団らんやパートナーとのコミュニケーション、感情を素直に表すことなどです」(柿木さん)
良好な人間関係が築けたり、思っていることを吐き出すことができたりすることは、
快適な毎日を過ごすためには欠かせない要素でもある。
それが、オキシトシンの分泌を増やすことにつながるという。
好きな人やペットを抱きしめたりするなど、スキンシップ行動がオキシトシンの分泌を促してくれる。
また、「泣きたくなるくらい激しい感情を抱いたときは、思いっきり泣くのも1つの方法です」と柿木さん。
思いっきり泣くことで、
脳から分泌されるステロイドホルモンなどのストレスに関係する物質が涙と一緒に排出されるのだという。
2019年06月03日
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!A
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!A
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
2種類の「幸せホルモン」で「怒りにくい人」になる
「セロトニンとオキシトシンという2種類のホルモンの研究が進んだ結果、
この2つの脳内物質の分泌量が幸福感に影響を与えることがわかってきました」(柿木さん)。
このため、セロトニンとオキシトシンなどのホルモンは“幸せホルモン”などと呼ばれている。
これらの分泌量を増やすような行動を意図的にとるようにすれば、
怒りが和らいだり、イライラが解消されたりして、ストレスが軽くなるわけだ。
この2つの「幸せホルモン」には、どんな特徴があるのだろうか。
セロトニンは、脳幹から分泌され、
自律神経を整えたり不眠症を軽減したりする役割を持つといわれている脳内物質。
セロトニンの分泌量は、
うつ病と関連があり、分泌量の減少がうつの原因になるとされる。
オキシトシンは、脳の視床下部と呼ばれる部分から分泌され、
ストレスを緩和したり感染症を予防したりする役割を持つといわれている。
これらの「幸せホルモン」の分泌を増やすことが、
怒りの感情を和らげ、イライラ解消につながるわけだ。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!A
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
2種類の「幸せホルモン」で「怒りにくい人」になる
「セロトニンとオキシトシンという2種類のホルモンの研究が進んだ結果、
この2つの脳内物質の分泌量が幸福感に影響を与えることがわかってきました」(柿木さん)。
このため、セロトニンとオキシトシンなどのホルモンは“幸せホルモン”などと呼ばれている。
これらの分泌量を増やすような行動を意図的にとるようにすれば、
怒りが和らいだり、イライラが解消されたりして、ストレスが軽くなるわけだ。
この2つの「幸せホルモン」には、どんな特徴があるのだろうか。
セロトニンは、脳幹から分泌され、
自律神経を整えたり不眠症を軽減したりする役割を持つといわれている脳内物質。
セロトニンの分泌量は、
うつ病と関連があり、分泌量の減少がうつの原因になるとされる。
オキシトシンは、脳の視床下部と呼ばれる部分から分泌され、
ストレスを緩和したり感染症を予防したりする役割を持つといわれている。
これらの「幸せホルモン」の分泌を増やすことが、
怒りの感情を和らげ、イライラ解消につながるわけだ。
2019年06月02日
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
現代社会はストレスがいっぱいだ。
物事が思い通りにいかないとつい怒ってしまい、後で怒った自分に落ち込む。
「こんな悪いサイクルから脱したい」――そう思っている人は多いだろう。
そこで特集では、「怒り」を上手にマネジメントする方法を紹介する。
今回は、前回に引き続き、
ヒトの体と脳の働きを研究している自然科学研究機構生理学研究所の教授で、
医学博士の柿木隆介さんに怒りと脳の関係について聞いていく。
柿木先生によると、
「神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる『脳内物質』の存在も怒りに影響している」という。
脳内物質で「怒り」をコントロール?
神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる「脳内物質」も、怒りのコントロールに関与しているという
前回は、怒りの感情が発生したとき、私たちの脳の中はどうなっているのか、
脳科学の観点から見た「怒りの対処法」などについて脳科学の専門家である柿木さんに話を聞いた。
私たちの怒りの感情は、脳の中の大脳辺縁系で生じ、前頭葉で抑制するというメカニズムになっている。
しかし、前頭葉が働き出すには3〜5秒程度の時間がかかるため、
そこで「イラッ」としてしまうのだ。
この仕組みから、怒りを感じたときには、
前頭葉の機能が活性化するまで数秒程度の時間をグッと我慢すれば、怒りが収まる。
怒りを感じたときは、とっさに対応せず、
数を数えたり、深呼吸をしたりして、時間を稼ぐことが重要になるわけだ。
柿木さんはさらに、
「神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる『脳内物質』の存在も、怒りに深く関わっています。
『幸せホルモン』を増やし、『ストレスホルモン』の分泌を抑えることが、
脳を鎮めてイライラ解消につながります」と話す。
人間の脳で分泌される脳内物質は数十種類以上あると言われ、
それぞれが人間の行動に大きな影響を与えていることがわかっている。
柿木氏はその中でも「セロトニン」と「オキシトシン」という2つの脳内物質を分泌させることが重要だと話す。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
現代社会はストレスがいっぱいだ。
物事が思い通りにいかないとつい怒ってしまい、後で怒った自分に落ち込む。
「こんな悪いサイクルから脱したい」――そう思っている人は多いだろう。
そこで特集では、「怒り」を上手にマネジメントする方法を紹介する。
今回は、前回に引き続き、
ヒトの体と脳の働きを研究している自然科学研究機構生理学研究所の教授で、
医学博士の柿木隆介さんに怒りと脳の関係について聞いていく。
柿木先生によると、
「神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる『脳内物質』の存在も怒りに影響している」という。
脳内物質で「怒り」をコントロール?
神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる「脳内物質」も、怒りのコントロールに関与しているという
前回は、怒りの感情が発生したとき、私たちの脳の中はどうなっているのか、
脳科学の観点から見た「怒りの対処法」などについて脳科学の専門家である柿木さんに話を聞いた。
私たちの怒りの感情は、脳の中の大脳辺縁系で生じ、前頭葉で抑制するというメカニズムになっている。
しかし、前頭葉が働き出すには3〜5秒程度の時間がかかるため、
そこで「イラッ」としてしまうのだ。
この仕組みから、怒りを感じたときには、
前頭葉の機能が活性化するまで数秒程度の時間をグッと我慢すれば、怒りが収まる。
怒りを感じたときは、とっさに対応せず、
数を数えたり、深呼吸をしたりして、時間を稼ぐことが重要になるわけだ。
柿木さんはさらに、
「神経伝達物質や脳内ホルモンなどと呼ばれる『脳内物質』の存在も、怒りに深く関わっています。
『幸せホルモン』を増やし、『ストレスホルモン』の分泌を抑えることが、
脳を鎮めてイライラ解消につながります」と話す。
人間の脳で分泌される脳内物質は数十種類以上あると言われ、
それぞれが人間の行動に大きな影響を与えていることがわかっている。
柿木氏はその中でも「セロトニン」と「オキシトシン」という2つの脳内物質を分泌させることが重要だと話す。
2019年06月01日
「前頭葉が活性しはじめるまでの6秒間」を稼ぐ方法
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
「前頭葉が活性しはじめるまでの6秒間」を稼ぐ方法
怒りを感じてもすぐに言葉や態度に出さない
では、実際に前頭葉が活性しはじめるまでの6秒間、
どのようなことをして“時間稼ぎ”をしたらいいのだろうか。
前回紹介したように実際に数字をカウントして待つ手もあるだろう。
柿木さんに、怒りに火がつきそうになった場合、
無理なく簡単にできて効果がある方法をいくつか紹介してもらった。
いずれもすぐ試せる簡単なものばかりだ。
怒りを感じてもすぐに言葉や態度に出さないことがポイント。
相手がいる場合、
「納得できません」
「それは違うと思います」
といった反論をしないことはもちろん、
「ムカつく」
「腹が立つな」
といった独り言や舌打ちなども控える。
小さな怒りがきっかけで大きなトラブルに発展する事態になりかねない。
前頭葉が活発に動き出すまでの6秒間は、
相手の機嫌を損ねない、これらのアクションにとどめておこう。
柿木さんは
「最近の脳科学研究では、
怒りなどのネガティブな感情は、他のことに意識を向けると軽くなることが明らかになっています。
つまり、大切なのは怒りから意識を遠ざける努力をすることです。
例えば、相手にわからないように、自分の手や足をつねって、痛覚を刺激するといったことをするだけでも効果があります」とアドバイスする。
◇ ◇ ◇
8月2日公開の後編では、
人間の脳で分泌される神経伝達物質や脳内ホルモンなどの「脳内物質」の観点から、
「怒り」の対処法を探っていく。
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、1
993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、
『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
「前頭葉が活性しはじめるまでの6秒間」を稼ぐ方法
怒りを感じてもすぐに言葉や態度に出さない
では、実際に前頭葉が活性しはじめるまでの6秒間、
どのようなことをして“時間稼ぎ”をしたらいいのだろうか。
前回紹介したように実際に数字をカウントして待つ手もあるだろう。
柿木さんに、怒りに火がつきそうになった場合、
無理なく簡単にできて効果がある方法をいくつか紹介してもらった。
いずれもすぐ試せる簡単なものばかりだ。
怒りを感じてもすぐに言葉や態度に出さないことがポイント。
相手がいる場合、
「納得できません」
「それは違うと思います」
といった反論をしないことはもちろん、
「ムカつく」
「腹が立つな」
といった独り言や舌打ちなども控える。
小さな怒りがきっかけで大きなトラブルに発展する事態になりかねない。
前頭葉が活発に動き出すまでの6秒間は、
相手の機嫌を損ねない、これらのアクションにとどめておこう。
柿木さんは
「最近の脳科学研究では、
怒りなどのネガティブな感情は、他のことに意識を向けると軽くなることが明らかになっています。
つまり、大切なのは怒りから意識を遠ざける努力をすることです。
例えば、相手にわからないように、自分の手や足をつねって、痛覚を刺激するといったことをするだけでも効果があります」とアドバイスする。
◇ ◇ ◇
8月2日公開の後編では、
人間の脳で分泌される神経伝達物質や脳内ホルモンなどの「脳内物質」の観点から、
「怒り」の対処法を探っていく。
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、1
993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、
『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
2019年05月31日
「怒り」は、人類が生き残るための本能だった
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
「怒り」は、人類が生き残るための本能だった
柿木さんは、「人間が怒りの感情を持つのは当然のことなのです」と話す。
「怒りという感情は、
目の前の敵に対して、襲いかかるか逃げるかをカラダに実行させるために発生するものです。
つまり、生存するためには欠かせないものなのです。
怒りの発生自体を防ぐことはできません」(柿木さん)。
地球の長い歴史のなかで、人間が敵から身を守り、淘汰されずに生き延びるためには、
大脳辺縁系に生じる怒りの感情は不可欠なものだったのだ。
ところが文明が発達するにつれ、そうした本能に近い感情を抑えることが必要になりはじめた。
現代の私たちの生活においても、
「怒りたいことがあっても、仕事で成果を出すためには我慢しよう」
「顔を合わせたくない相手だけれど、人間関係でトラブルを起こさないためにも会うしかない」
というように、感情をコントロールしなくてはならない状況が増えている。
つまり、私たちの脳は、もともと備わっている「怒り」を、「理性」や「知性」で抑える働きをしている。
生きていくために必要な感情を、人間らしく生きるためにコントロールしているという状態なのだ。
前頭葉は怒りにすぐに対応できない!
怒りという感情が発生するのは自然なことで、それ自体を防ぐことは難しいということはわかった。
その一方で、感情をコントロールする部位である前頭葉が怒りの感情をコントロールしている。
では、実際に私たちが怒りの感情を持ったとき、
脳科学の観点から見ると、どのようなアプローチができるのだろうか。
「前頭葉は常に感情をコントロールする役割を果たしているのですが、
実は、突発的に発生する怒りの感情には、すぐに対応できないのです。
急には対応することはできないものの、実は『少し我慢している』と活動を始める、
つまり、怒りの発生と理性の発動には時間的なズレがあるのです。
ですから『ちょっと待つ』ことが、怒りを抑える最大のポイントになるのです」(柿木さん)
では、前頭葉が動き出して、怒りを抑えるのにどのくらいの時間がかかるのだろうか。
柿木さんによると、
「科学的に明確に定義することはできないのですが、
前頭葉が本格的に働きはじめるまでにかかる時間は3〜5秒程度と考えられます」という。
前回の記事で、とっさの怒りを鎮める対処方法に「6秒待つ」という方法を紹介したが、
これには「脳のメカニズム」が関係していたわけだ。
衝動に任せて怒ると取り返しのつかなくなる言動を誘発してしまうことは多いもの。
それを防ぐためにも、カチンとくる出来事があっても「6秒間は待つ」姿勢が大切なわけだ。
「『イラッ』『ムカッ』としたときは、まずは6秒待ちましょう。
前頭葉が自然に活性化するまでの間、うまく時間稼ぎをしよう、というアプローチです」(柿木さん)
「怒り」は、人類が生き残るための本能だった
柿木さんは、「人間が怒りの感情を持つのは当然のことなのです」と話す。
「怒りという感情は、
目の前の敵に対して、襲いかかるか逃げるかをカラダに実行させるために発生するものです。
つまり、生存するためには欠かせないものなのです。
怒りの発生自体を防ぐことはできません」(柿木さん)。
地球の長い歴史のなかで、人間が敵から身を守り、淘汰されずに生き延びるためには、
大脳辺縁系に生じる怒りの感情は不可欠なものだったのだ。
ところが文明が発達するにつれ、そうした本能に近い感情を抑えることが必要になりはじめた。
現代の私たちの生活においても、
「怒りたいことがあっても、仕事で成果を出すためには我慢しよう」
「顔を合わせたくない相手だけれど、人間関係でトラブルを起こさないためにも会うしかない」
というように、感情をコントロールしなくてはならない状況が増えている。
つまり、私たちの脳は、もともと備わっている「怒り」を、「理性」や「知性」で抑える働きをしている。
生きていくために必要な感情を、人間らしく生きるためにコントロールしているという状態なのだ。
前頭葉は怒りにすぐに対応できない!
怒りという感情が発生するのは自然なことで、それ自体を防ぐことは難しいということはわかった。
その一方で、感情をコントロールする部位である前頭葉が怒りの感情をコントロールしている。
では、実際に私たちが怒りの感情を持ったとき、
脳科学の観点から見ると、どのようなアプローチができるのだろうか。
「前頭葉は常に感情をコントロールする役割を果たしているのですが、
実は、突発的に発生する怒りの感情には、すぐに対応できないのです。
急には対応することはできないものの、実は『少し我慢している』と活動を始める、
つまり、怒りの発生と理性の発動には時間的なズレがあるのです。
ですから『ちょっと待つ』ことが、怒りを抑える最大のポイントになるのです」(柿木さん)
では、前頭葉が動き出して、怒りを抑えるのにどのくらいの時間がかかるのだろうか。
柿木さんによると、
「科学的に明確に定義することはできないのですが、
前頭葉が本格的に働きはじめるまでにかかる時間は3〜5秒程度と考えられます」という。
前回の記事で、とっさの怒りを鎮める対処方法に「6秒待つ」という方法を紹介したが、
これには「脳のメカニズム」が関係していたわけだ。
衝動に任せて怒ると取り返しのつかなくなる言動を誘発してしまうことは多いもの。
それを防ぐためにも、カチンとくる出来事があっても「6秒間は待つ」姿勢が大切なわけだ。
「『イラッ』『ムカッ』としたときは、まずは6秒待ちましょう。
前頭葉が自然に活性化するまでの間、うまく時間稼ぎをしよう、というアプローチです」(柿木さん)