2007年08月24日
ICタグでホテル“快適” 宿泊客の待ち時間短縮
ホテルの宿泊客がチェックインの手続きをした後、荷物を部屋へ運んでもらうまでの待ち時間を短縮化するため、大成建設は、ICタグ技術を活用して客の位置を見つけられるシステムを開発した。行楽シーズンを迎えた大規模なリゾートホテルなどでは、時間帯によって、フロント前に宿泊客が押し寄せ、荷物の整理に時間がかかることが多い。このため、同社ではこのシステムを売り込むことで、ホテルの業務効率化と客の利便性向上を図りたい考えだ。
このシステムは、客に渡した「案内カード」に埋め込まれたUHF帯の電波対応のICタグを、フロント前など宿泊客の待機スペースに複数設置したアンテナで検知する。
フロント前のスペースをいくつかのエリアに分けておけば、チェックインした客の荷物が部屋に運ばれる順番が回ってきたとき、ホテルのスタッフはその客の「案内カード」に書かれた番号をパソコンに打ち込んで検索。その客がどこにいるかがすぐわかる。
ベルボーイがすぐに客のもとへ向かえるため、客の名前を呼んだりする必要がなくなるという。今年3月、東京ディズニーリゾート近くのリゾートホテルで実施した実証実験では、客のもとへ行く時間が平均して30秒以上短縮された。
システムの初期投資は500万〜600万円程度。大成建設では「大きな声で名前を呼ばれることに抵抗を感じる宿泊客は多い」としてホテル向けに売り込むほか、不特定多数の人が集まる病院の待合室などにも応用できるとみている。