学者もそう言うことの問題を把握していないことがあり、簡単に言ってしまうのだが本当か?
今回、取り上げられているのは珠洲市の正院あたりの100棟を調べてうち40棟が全壊でその半数の20棟が新耐震後に新築、または、改築されたものであると目視で判断(推定)したと言うもの。
このうち特に厄介なのは改築。
新耐震基準後で改築しても、住宅全体を耐震化しているケースは極めて稀。改築したら新耐震基準に沿った耐震性を確保しなければならないという法律はなく、外観は綺麗になっても通常は耐震改修などしない。
何しろ珠洲市では51%しか耐震化されていない、と言うことは、新耐震で新築された建物はかなり少ないということであり、また、耐震改修も年数件程度であり、それが被害が大きかった地区で新耐震後の住宅が20棟もあるとはとても考えられない。
また、その中の10棟が人がいたら命を落としてしまうような1階がぺしゃんこになった状態ではないと考えるのが妥当で、もっと、正確に描写をしてほしいし、その後きちんとした建築年の調査をしてほしい。
大地震があると新耐震基準の建物が壊れたと騒ぐのだが、はるかに数が多いのは旧耐震基準の建物。
ビルで言えば輪島の7階建ての倒れてしまったビルなどがそうで、住宅であれば、今回全壊した建物のほとんどは旧耐震。
安易に新耐震でも大地震の時は全壊になるから耐震改修をしても意味がない、と多くの人が誤解するような情報発信は慎んでほしい。耐震化の促進の妨げになるからだ。
Yahoo!より、
「新耐震基準」導入後に新築・改築でも半数の木造家屋が「全壊」に…石川・珠洲の現地調査
1/6(土) 15:16配信
読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9a9ec3cf758724dea0cda4c6ce1f1a452eeabb6
記事より、
石川県能登地方で1日に起きた最大震度7の地震で、木造家屋の被害が相次いだ同県珠洲(すず)市では、1981年の「新耐震基準」導入後に建てられたとみられる家屋が倒壊していたことが、金沢大などの現地調査で分かった。調査した村田晶・同大助教(地震防災工学)は「新基準を満たしていても、約3年間続く群発地震でダメージが蓄積し、倒壊に至った可能性がある」としている。
現地調査は3日、特に被害が集中した同市正院町の一部の木造家屋(約100棟)を対象に行われた。40棟ほどが居住不可能な「全壊」で、そのうち半数が新耐震基準導入後に新築、もしくは改築されたとみられた。原形をとどめていない「倒壊」も約10棟あった。
調査した地区は、1日の地震による揺れが震度6強だったと推定されている。国土交通省によると、新耐震基準では、震度6強以上でも建物が倒壊しないことを目指している。
村田助教は「群発地震によって、柱と梁(はり)をつなぐ金具が弱ったり、壁内にひびが入ったりして、建物の強度が下がっていた可能性がある」と指摘。その上で「余震は続いており、倒壊しなかった家屋も油断は禁物だ」と注意を呼びかける。
本当に注意を呼びかけなければならないのは、
まず、1階はぺしゃんこになって死ぬ可能性が高いので2階で寝るなど注意をすること
耐震改修は有効で珠洲市や輪島市など石川県では多くの市町で全額150万円、200万円などの自己負担のない100%補助金があるので、今後もこうした取り組みを進めてほしいこと
を呼びかけてほしい。
この時に、耐震改修では新耐震基準なので意味がない、と誤解を招くことはマイナスでしかない。
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