堤防が決壊した夏井川沿いの自宅に避難せずにいた人の体験談。
もう少し浸水高さが高かったら死んでいただろう。
人生、終わっていた可能性は高かった。
たまたま助かったのだ。
それを、
「ここに50年以上住んでいるけど、まさかこんなことになるとは」。根本さんは今でも信じられない様子
というのだから、全く正常化バイアス、自分は大丈夫ということが抜けていない。
確実に次回も避難しないだろうことが分かる。
Yahoo!より、
迫る水、頭で天井破る=台風19号で救助の親子、屋根裏で一夜−福島・いわき
10/21(月) 14:36配信時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191021-00000046-jij-soci
記事より、
台風19号の記録的な大雨などにより、8人の死亡が確認された福島県いわき市。
堤防が決壊した夏井川沿いの自宅にいた根本徳一さん(78)は、浸水が天井まで迫る中、頭で天井板を破り、息子(48)と共に屋根裏によじ登って難を逃れた。
「早く起きろ、水がいっぱいだぞ」。13日未明、普段通り寝ていた根本さんは、息子の叫ぶ声で飛び起きた。根本さんの寝室より床の高さが20センチほど低い息子の部屋には、既に水が染み出ていた。浸水の早さは想像以上で、すぐに膝元くらいまで上がってきた。
辺りは真っ暗で、もう避難のしようがない。2人は室内に浮かんだ畳の上に乗った。自宅は平屋建てで、天井までの距離が徐々に近づく。障害を持つ息子は「薬はどこ」と恐怖でパニックになった。根本さんは息子をなだめながらも、内心は「人生、終わったかもしれない」と思った。
いよいよ水は天井に迫った。「助かる道はこれしかない」。根本さんは覚悟を決め、畳の上から天井に思い切り頭突きをした。ドン、ドンと繰り返し突くと、ベニヤの天井板に人が通れるほどの穴が開いた。必死でよじ登り、「こっちだ」と息子に声を掛け、2人で屋根裏に逃れた。
身を寄せ合ったが、さらに水位が上がらないか不安で眠れなかった。明るくなって外を見ると、一帯は湖のように。根本さんらは13日午後、消防のボートで救助された。
水が引き、家具や畳を運び出して空になった部屋は、今もぽっかりと天井に穴が開く。「ここに50年以上住んでいるけど、まさかこんなことになるとは」。根本さんは今でも信じられない様子で振り返った。
たった50年。
そんな経験で災害がまさかなどという話はあり得ない。
参考)夏井川について 平成元年、S61年には浸水被害が出ている。今回の場所ではないにしても・・・
http://www.natsuigawa.net/images/archive/2nd_kouza.pdf
参考)NHK
いわき市では
10月15日 20時31分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191015/6050007344.html
記事より、
いわき市によりますと、市内では、台風19号の影響で男性2人、女性5人のあわせて7人が死亡し、1人の行方がわからなくなっているということです
平下平窪地区では4人の高齢者が犠牲になり、いわゆる災害弱者の命をどう守るか改めて課題となっています。
いわき市の中心部から北におよそ3キロ離れた平下平窪地区は、台風19号の影響で近くを流れる夏井川が氾濫し、4人が死亡したことが15日に新たに分かりました。
いわき市によりますと、この地区は、昭和61年と平成元年にも地区の一部が浸水する被害が出ていて、市が作成したハザードマップでは大雨が降った際、地区の広い範囲が2メートル以上浸水すると想定されていました。
国土交通省によりますと、今回の大雨で、下平窪地区のおよそ3キロ下流の観測点では、今月12日の午前中から増水を続け、夜遅くから翌13日未明にかけて氾濫危険水位を上回りました。
下平窪地区の住民によりますと、12日の夜には膝下ほどの高さまで浸水していたということで、その後も水位は上昇し、建物の1階部分が浸かっため、屋根の上に避難する人も相次いだということです。
いわき市によりますと、亡くなった4人はいずれも80代以上の高齢者で、全員が溺死でした。
災害は繰り返さるのだ。
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