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2016年02月15日

PROSTAFFについての誤解。

PROSTAFF 97 現在私が使っているラケットです。
面倒なのでプロスタと書かせて頂きます(^ρ^)

IMG_4001.JPG


このラケットに対するインプレッションで頓珍漢なことを言う人が結構いるので、少し書かせていただくことにします。

ついでに、テニス界にある様々な誤解されていることにも触れていければと思いますが、書いている途中でモチベーションが下がる可能性もあるので悪しからずm(_ _)m

まずは、フラットドライブについて。

PROSTAFF 97はフラットドライブを打つのに適していると言う人がいます。

もし「フラットドライブ」を回転数を落とした直線的なトップスピンだと思って使っているなら、それは間違いです。

これは日本のテニスと卓球界にずっとある問題なのですが...
(特に卓球!)

本来「ドライブ」という言葉はトップスピンを意味しません。
英語圏では強く打つショット全般を「ドライブ」と言います。

格ゲーをやっている人は分かると思いますが、「ドライブ」は強い攻撃のことで「順回転」では無いですからね...


トップスピンを打つには強く振る必要があるので、それを聞いて「ドライブ=トップスピン」というのが成り立たってしまったのではないかと思います。


ちなみに、卓球はなんでかは知りません。
卓球のドライブにも色々あって、ループドライブ、スピードドライブ、カーブドライブにシュートドライブとあります(笑)

テニス界にトップスピンという概念を持ち込んだのはボルグとか言われていますが、どこから持ち込んだのでしょうか?

一説によると卓球からトップスピンの概念も持ち込んだと言われています。
元々トップスピンは卓球の技術なんだとか。

私がテニスを始めた頃、元々卓球をやってたと話したらコーチにこの話をされましたw
ぶっちゃけ超怪しいですw



フラットドライブに関しては伝わる言い方なので元々は違う意味だということを知ってれば良いかと思います。


どこが問題かと言うと!

「フラットドライブ」を打つ代表的な選手としてロジャー・フェデラーの名前が上がってることです!

フェデラーがPROSTAFFで、イースタングリップだったので、フラット主体だと思われたのでは無いでしょうか?

PROSTAFF = フラット系の人に良いラケット(?)
イースタンG=フラットが打ちやすい
フェデラー =フラットをよく使う
という式になっているだけの様な気がします。

サンプラスはもろこのタイプでフラットショットでしたし...orz


ちなみに、フェデラーの今のグリップはやや厚くなってセミウエスタンなのはスルーです。
(インタビューで握りが厚くなったと言っています)


フェデラーが今のラケットPROSTAFF (RF)97を使ってからは、更にスピン重視、つまり安定重視になっていますが、フェイスが90インチだった頃のデータを引っ張り出します。
(最近のデータが見つからなかっただけなのは秘密)

スクリーンショット 2016-02-15 3.16.02.jpg
大体2012年頃のデータをベースに表にしてみました。
(当時のBIG4を上4つに緑で、その他の選手を黄色に色付け)


ジョコビッチ、フェデラー、マレーに関しては最大回転数が分かりませんでしたが...(´・ω・`)

つまり、フェデラーがフラット系の選手だと思っている人は、平均回転数がほぼ同じであるジョコビッチもロディックもフラットショットを主体とした選手だと思っているってことですかね?

ロディックに関してはゴリゴリスピンというイメージがありましたが、平均回転数がフェデラーとほぼ同じだというのは私にとっても意外でした。

最も意外だったのはアガシです(笑)
最高回転数が実はサンプラスより低いとは思いませんでした。



結論:フェデラーはフラット主体ではない。

フェデラーが凄いのは薄いグリップとあの打ち方で強い回転を掛けていることです。

ナダルと比べて相対的にフラットに寄ってるだけで、プロ選手の中では平均がそれ以上の回転数をほこっています。


この表にはありませんが、フェデラーのスライスは大体1000RPMだと言われています。
というのも、フェデラーが打った1000RPMのスライスをナダルがトップスピンで打ち返した時の、回転数が5200rpmくらいを記録したとかいう記事がありました。


個人的な見解ですが、現在のラケットに替えてから更に回転数は上がっていると思われます。
ラケットが大きく厚くなり、更にグリップがウエスタングリップになったのがその根拠です。
(根拠として弱いかな...?)



他の誤解についても書きましょう。
まだモチベーションは続いています(^ρ^)


ボールを潰す

ボールを潰すことのメリットは何でしょうか?
それは、ボールが飛ばなくなることです。

スピン量が増えるわけでも、ボールのスピードが上がるわけでもありません。

ボールは変形するほど弾みが悪くなるのです。

スイングスピードが一定を超えると、テンションの差ではほとんどボールの速度に差は出ないと言われていますが、テンションが緩いほうがほんの少しだけ速いようです。
これは、おそらくストリングのたわみが僅かに大きい分、ボールの変形がハイテンションのに比べて少なかったからだと思われます。

話を戻して、では、何故潰すのかというと、それはボールを潰すような強い当たりが欲しいから。
フィーリング的にボールを潰したような感触があるときに良いボールが行くからです。


実際に潰すわけではありません。


例えば、エッグボール
これも非常に誤解の多い用語です。
エッグボールを打つためには、ボールを潰さないとダメだと言われることがあります。
ボールが変形することによって回転数が上がるとさえ言う人も居るくらいです...orz


まず、エッグボールがどういう球かと言いますと...

とにかく回転量が多くスピードが早く、ネットの上の方を通るボール。
大雑把に言うとこうなります(ぉぃ)


必要なのはスピードと、充分な回転量です。

スピードが速いことで、最初ボールは直線的に飛んでいきます。
(ネットの上を通すスポーツなので、斜め上に行きます)

それから、マグヌス効果で通常よりも早く地面に向かって落ちるようになります。
重力加速度+αでボールが速く落ちるのと、地面に当たる入射角が大きくなるので、その分ボールが上に弾んでいくのがエッグボールの正体です。
(放物線の頂点よりも高く弾むことは無く、予想よりも弾むので感覚的に「伸びて高く弾む」と感じるだけ)

凄く簡単に言うと、球威のあるトップスピンは大体エッグボールになるわけです。
バウンドを高くするためには、ループ気味に打てば自然と高くなります。

逆に、高い位置から直線的に速いトップスピンをネットすれすれに打つと、ボールの落ちるという変化が少なく、上ではなく前に弾むようなボールになったりします。

少し極端ですが図にするとこんな感じです。
エッグボール.png
(ペンタブが欲しい...雑な絵で申し訳ないです...orz)

そもそも、エッグボールという名前がついたのは、卵を半分に切った様な軌道を描くからです。
絵を見ていただければ分かるかと...Σ(・∀・;)

通常の軌道が黄色い線で、スピンによりボールが落ちるのがオレンジの軌道です。

この弾道を再現するには、繰り返しになりますが、速く回転のあるボールを打つ必要があります。

オープンスタンスで無いと打てないとか言う人もいますが、打ち方は何でも良いのですよ...
速度と回転さえ出せれば...


そして、ここでもまた一つの誤解が生まれるわけです。

オープンスタンスとナダルのリバース
ナダルが飛び抜けて回転量が多いことは表を見ていただければ分かると思います。

彼の打ち方は独特で、ラケットを後ろに振るかのようなフォロースルーを取ることすらあります。
あのウインドミルとも言われる打ち方を真似する人もいますが、あんまり意味はありません。

そもそも、ナダルは練習時ではオープンスタンスではあまりボールを打ちませんし、ラケットもしっかり前に振っています。

オープンスタンスでリバースを使う状況というのは、激しいラリーの時だけなのです。


ポイントは、プロのショットのスピードです。

プロ同士の打ち合いではボールの速度が速すぎて、一々ステップして打つことが出来ないので、ボディターンだけで打てるオープンスタンスになるのです。。

で、リバーススイングですが、これも相手のボールのスピードが関係あります。

元々ラケットは性能的に、振らなくても固定された状態でスイートスポットに当たれば、飛んできたボールを95%前後の速さで打ち返せると言われています。

スイングする理由は、振らないとラケットが押し戻されて速度が出ないから、もしくはボールを更に加速させたいから。
(腕の筋力だけでラケットを固定するのは無理なので)


ナダルに話を戻しますが...

試合中の彼のスイングは極端に上方向ですね。

向かってくるボールの速度がかなり速いので、スイングにちょっとでも前に押す成分があれば、ボールは同じくらいの速さ(もしくは更に速い速度)で打ち返すことが出来るのですが、ナダルが凄いのは、あの一見擦り上げてるだけにしか見えないスイングで、しっかりと厚い当たりをしていることです。

ラケットヘッドは上に向かっていますが、ラケット全体で見るとボディターン、腕のスイング幅もあり、インパクトの瞬間には結構前にも振られています。



アマチュアレベルでは、相手の速度が大したことがない場合が多々あるので、リバーススイングよりも、しっかりレベルスイングで速度を出しに行った方が打ちやすかったりします。


そもそも、現役時代の私のトップスピンもエッグボール気味と言われましたが、スイングはかなりのレベルスイングです(笑)

私自身としては一生懸命速度を上げるためフラット気味に打っているつもりだったのですが、相手からは「無駄にトップスピン掛かり過ぎてボールが急に落ちる」と言われる始末...(´・ω・`)

当時は、[K]SIX.ONE 95にアルパワーラフを52ポンドというセッティングで張ってました。
やはりポリエステルのスピンの掛けやすさは凄いですね...
テンションがすぐ落ちるのでウィークエンドプレヤーになっている今では使えませんが....orz
(コスパ悪いです...orz)


えーっと....話がぶれてますね...
話題は「ボールを潰す」でした。

効果的なトップスピンを打つには、速度が要るので、「ボールを潰す"様な"」厚い当たりが必要になってきます。
またしっかりラケットに当てることにより、ストリングスとの接触時間が若干伸びて、掠れるようなあたりよりも強い回転がかけやすくなるわけです。

ナダルなどのプロ選手は、一般の人では掠れてしまうようなフェイス角度で振っても、驚異的なスイングスピードによりボールをしっかりストリングス面に押し付けて厚い当たりにしているというわけです。

スナップバックなどについては他のサイトでもたくさん書かれているのでそちらを見てくださいm(_ _)m


凄いどうでも良い話ですが、卓球にもエッグボールのような球があります。
「ループドライブ」と言われていますが、ネットの上の方を通すループドライブは推奨されていません。

卓球は上に弾ませると強く打ち込まれますので(笑)


テニスもウィナーを取るようなボールはフラット気味で速度をあげて、バウンドを抑える傾向があります。
特に日本はオムニコートがメインなので、フラットショットのほうが有効なのでその傾向が強いかと...
(回転数が少なく低いボールが滑って速く感じるという独特の現象があります)


クレーコートやハードコートでトップスピンを打つと回転の影響でバウンドしてからのボールの減速が少なく、ボールが伸びて来る感覚があって、本来守備的なショットであったトップスピンも今では充分な得点源になりえています。


オムニコートでは遅く弾まない上に砂の影響で回転がががが....
(相手コートに入る確率はどのコートでも上がりますが、攻撃力が削ぎ落とされすぎです)




オムニはオムニでスライディングしやすかったり、足の負担が少なかったり、遅くて弾まないからラリーが続いたりと、誰もが使いやすいコートとして優秀だと思います。競技志向の強い人には向かないってだけで。


ちなみに、キックサーブを打ってもあまり弾まないって言う人がいますが、これもエッグボールと同じで、球速を上げれば弾む様になります。

キックサーブを打つ上で重要なのは回転数よりも、球速なのです(笑)

弾ませるためにやや上方向、やまなりにスピンサーブを打つ人がいますが、逆効果な気がします。
というのも、レシーバーのほぼ予想通りの高さにしか弾まないからです...

しかも、山なりの軌道でボックスに収まるということは、速度があまりなくやや弾むという超打ち頃のボールになってしまいます(笑)

これが、ハードコートだともう少し弾むのでやや打ちにくいかも知れませんが、オムニでは逆効果なサーブですね...有効的なサーブというのは結局ある程度速度が必要になってくるわけです(´・ω・`)

ある程度速くて、バウンド後逆方向に弾むボールは高く弾まなくても打ちにくかったりしますが、おとなしく弾まないスライスサーブを覚えたほうがオムニでは有効ではないかと...
思ってはいるのですが、私スピンサーブとフラットサーブしか打てません\(^o^)/オワタ

スライスサーブが苦手なので、絶賛練習中です(笑)


結構長くなたので、最後に一つだけ...ヽ(=´▽`=)ノ


ストリングスと気温
これ勘違している人が多いです。

気温が下がるとボールの弾みが悪くなるのは、ストリングスのせいでは無くボールのせいです。


ナイロンとナチュラルは温度が低いほうが伸縮性が上がるので、弾みが良くなります。

温度が下がって弾みが悪くなるのはポリエステルだけなのです!


サンプラスが夏場の試合中に、ストリングスが伸びないようにスペアラケットをクーラーボックスに入れてたというのを聞いたことありませんか?

彼は自分が使用しているナチュラルガットは暑いと伸縮性が落ちることを知っていたのです。


良い加減かなり長くなってきたので今回はここで終わります。

ここ数日は雨が続いたせいでテニスが出来ないですね(´・ω・`)

火曜日に晴れたら打ってきたいと思います。



次の投稿は、ロディックから見るサーブについてか、最近個人的に注目してるバーナード・トミック選手についてに書くかもしれません。

バーナード・トミック選手は現在23歳で、オーストラリア期待の若手です。

結構パワーのある選手なのですが、基本的にスローペースなストロークでチェンジ・オブ・ペースを使った攻めをよくします。
試合運びからそんなに若くない選手だと思ったくらいです(笑)

テイクバックが少ない割に強烈なショットを混ぜたり、同じようなフォームから柔らかいドロップを打ったりと緩急自在のフォアハンドを持っていますね。(特徴で広角にうてるフォアハンドを挙げられる選手です)

詳しくはその内...

posted by megatennis at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | テニス
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